前回記事の最後で少し触れましたが、セールをしない鎌倉シャツを割引価格で購入する機会に遭遇しました。本当にたまたまです。
せっかくの機会、普段は手に取らないような王道のドレスシャツ以外にもチャレンジしているので、ご紹介しようと思います。
鎌倉シャツはセールをしない
鎌倉シャツの創業者で現会長の貞末良雄氏が掲げる信念は「高品質・適正価格」です。これは製品に関してだけではなく、縫製工場や生地メーカーなど取引先に対しても同じで、良い品を供給してもらうために、値引き交渉は一切行わないそうです。
買い叩かないし、安売りしない鎌倉シャツでは基本的にセールの類は行なわないのです。公式オンラインショップを見ていただければ分かりますが、これから明らかに需要から外れるリネンやシアサッカー生地のシャツもあくまでも定価販売を続けています。
冒頭でも書いている通り、そんな鎌倉シャツを割引価格で購入する機会がありました。しかも3000円均一。ほぼ半額ですね。
というのも、私の地元には鎌倉シャツが2店舗あったのですが、その内普段利用しない方の店舗が先日閉店となり、「閉店感謝際」の名目でセールを行っていたんですね。鎌倉シャツの公式ブログを見る限り過去にも閉店時のみセールをしているみたいです。
閉店するなんて全然知らなかったし、そもそもいつもなら通らない場所にある路面店、さらにその日が営業最終日と危うく見過ごすところでしたが、偶然が重なりこの機会に巡り合いました。
鎌倉シャツは通常時で原価率が約60%と言われており、そこからさらに半額となれば下手したら原価割れしているような気もしますが、ありがたく4着買わせていただきました。
購入した4着をご紹介
閉店セール最終日だったということもあり、品薄気味ではありましたが、以前から狙っていたドレスシャツから普段手が出しにくい変化球まで幅広く手にすることが出来ました。ちなみに元値は全て5,900円(税込6,490円)となっています。
ブロードのクレリックシャツ
まずは100番手ブロードクロスのクレリックシャツです。元々購入予定で他店舗で物色していたらサイズがなく、オンラインショップで買おうとしていたところ、こちらで発見。最後の1着でした。
襟型はタイドアップでもノータイでも様になるスプレッドカラーです。レギュラーカラーよりもやや広めで、鎌倉シャツで最もよく見る襟型はこれ。
クレリックシャツとは襟とカフスが白生地に切り替わっているシャツのことで、庶民にとってシャツが高級品だった時代に、傷みやすい襟と袖口だけを交換していたことに由来するそうです。今の時代にそんな事をする人はほとんどいませんが、爽やかで目を引くデザインは昔から大好きです。
このシャツに限ったことではありませんが、ドレスシャツなので背中にプリーツははいりません。
通年ノータイを推奨している職場ですが、クレリックシャツはタイドアップした方が襟元が強調されてかっこいいですね。
ツイルのストライプシャツ
ツイルと言えばチノパンやデニムで使われる斜線状の模様が入った、いわゆる綾織の生地です。ブロードのような光沢がありながらも、やや厚手でシワになりにくい特徴があります。ブロードよりシワになりにくいだけで、普通にシワは付きますが扱いやすい素材ですね。
ライトグレーのストライプ柄なので、基本的にどのスーツやジャケットでも合いそうですが、ここではダークブラウンのスーツを持ってきました。最近カッタウェイの襟型ばかり選んでいますが、ノータイで着るならやっぱりこれが一番ですね。
オックスフォードのボタンダウンシャツ
鎌倉シャツでは襟型がボタンダウンかそれ以外かでデザインが大きく変わります。鎌倉シャツの基本ドレスシャツ然としたデザインですが、ボタンダウンシャツになるとい表前立てに胸ポケット付きとカジュアル要素が強くなります。私、鎌倉シャツのボタンダウンは初体験です。
こちらの「SPORT」シリーズは60年代アメリカのボタンダウンシャツから着想を得ており、アメリカでカジュアルなシャツをスポーツシャツと呼ばれることに由来します。
SPORTシリーズの一番の特徴は60年代当時のように芯地をなくした柔らかい襟です。縦長で柔らかい襟はきれいなカーブを描きます。
40番手と20番手の糸を組み合わせた一般的なオックスフォード生地。なんとも表現し難いこの色味は淡いブルーグレーといった感じでしょうか。
前立てと胸ポケットの雰囲気はこんな感じ。
ボタンダウンシャツには背中にボックスプリーツが入ります。また、ヨーク(襟から肩にかけて三角形状の部分)は狭いほどドレッシーとされていますが、このシャツでは通常よりヨーク幅が通常より2cm狭く設定されています。カジュアルな要素を詰め込んだシャツですが、背中ではしっかりと上品な雰囲気を感じさせてくれます。こういうバランス感覚は素晴らしいですね。
この手のシャツはチノパンやデニムと合いそうですが、随所にドレスな要素も押さえているので、スーツスタイルにしっくりきます。生地の色味を活かしてブルー系のスーツと相性良さそうです。
レノクロスのシャツ
最後に少し変わり種のシャツをご紹介。
レノクロスという素材をご存じでしょうか?私は今回初めて知りました。別名「カラミ織り」と呼ばれ、特殊な織機で作られたメッシュ状の生地です。通気性に優れているので春夏向けの素材ですかね。
見た目はポロシャツを代表する素材の鹿の子編みと似ていますが、伸縮性は無く、肌触りは滑らかで、また高番手の糸を使用することで光沢感も持っています。
どちらかというとカジュアルな素材なので、スーツよりも春や秋口のジャケパンスタイルに合いそうですね。
まとめ
4着合わせても12,000円と普段に増して良い買い物をさせていただきました。
特にSPORTシリーズのボタンダウンシャツはお気に入りです。鎌倉シャツは本格ドレスシャツ専門のイメージを持っていましたが、カジュアルテイストが強いシャツもなかなかのものですね。
最近、ジャケットに合わせるデニムかシャンブレーのシャツを探していたので、鎌倉シャツも視野に入れてみようかと思います。
今回は以上です。