今回取り上げるのは、先日より紹介記事が続いているBrooks Brothers(ブルックスブラザーズ)のブレザーに合わせるために購入した、同ブランドのレップタイです。
通年ノータイ推奨の会社で勤務しているせいか、久しぶりにネクタイを買いました。やっぱりネクタイはいいですね。でも、残念ながら仕事で着用することはほとんどないでしょう。なので、カジュアルスタイルでも使いやすいことをポイントにネクタイを選びました。レップタイにまつわる逸話やディテールと合わせて、その辺のところも触れながら進めていきたいと思います。
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レジメンタルタイとレップタイ
参照:ブリティッシュスタイルのマストアイテム、ATKINSONのレジメンタルタイ | BRITISH MADE
ネクタイの柄で最もメジャーなのは画像のようなスタライプ柄ではないでしょうか。一般的にカタカナの「ノ」みたいに左下がりのストライプが主流で、それらのネクタイをレジメンタルタイと呼ばれます。レジメンタル(regimental)という言葉が「連隊の~」「軍服」を意味する通り、かつてイギリスでは軍隊の所属を表す役割を担っていました。19世紀になるとオックスフォード大学などの名門大学もそれにならい、各校が独自のスクールタイを作り、OB会などで着用する文化が定着したそうです。よく言われる「ヨーロッパのビジネスシーンではストライプ柄のネクタイはNG」とされる所以は、その出自にあるのでしょう。
参照:レップタイ|TIMELESS CLASSICS|OUR STORY|Brooks Brothers Japan(ブルックス ブラザーズ ジャパン)
ヨーロッパで普及したレジメンタルタイに着目してアメリカに持ち帰ったのが、ブルックスブラザーズの当時の社長でした。そして、その際にストライプの向きを反転されるというアレンジを加えたのです。それがレップタイの始まりでした。以後、レップタイはアメリカで大流行して、現在においても「アメリカ式ストライプタイ=レップタイ」の図式は不変なのです。
参照:アメリカ大統領選でトランプ、バイデン両氏が初の直接対決 候補者テレビ討論会:東京新聞 TOKYO Web
ヨーロッパと違い、アメリカではフォーマルな場でもストライプタイは好まれており、古き良きアメリカを象徴するアイテムとして、歴代の大統領達も公の場でこぞって着用してきました。日本の政治家も訪米の際は敬意を払ってか、レップタイを締めている場面をよく見かけます。
一方、日本国内でレップタイは圧倒的に少数派でしょう。感覚的に市販されているストライプタイのうち9割以上が左下がりのレジメンタルタイのような気がします。ブルックスブラザーズやラルフローレンにでも行かない限りレップタイを見かけることはほとんどありません。この明確な理由は分かりませんが、日本のファッションはアメカジの影響を大いに受けている割には、アメトラ文化の影響は少ないということかもしれませんね。
貴重なレップタイ。だからこそ、右下がりの人を見かけるとちょっとテンションが上がります。そういえば、最近放映されている某男性用シャンプーのCMに出演している役者がレップタイを締めているのが妙に気になりました。ストライプの向きが気になってしょうがない今日この頃です。
ブルックスブラザーズのレップタイをレビュー
久しぶりのネクタイ選びは結構悩みました。冒頭にも書いた通り、基本的には仕事で使わないので、カジュアルに使いやすいネクタイというのがポイントでした。もちろん紺ブレに合うというのが大前提ですが。
そこで選んだのがこちらのネクタイ。広めのストライプ幅と、ブレザーから拾ったネイビーを使いながら、遠目でもはっきり目立つ赤を取り入れた配色がカジュアルな印象を与えてくれます。
さらに重要なポイントは素材です。ネクタイの生地といえばシルク100%が主流ですが、こちらはシルクコットンの生地(シルク54%コットン46%)を使用。パリッと張りがある生地感が特徴的で、シルクのネクタイと比べるとフォーマル感はだいぶ薄まります。
生産国はアメリカ、生地はイギリス製。今後ブルックスブラザーズのネクタイはイタリア生産に移行するそうなので、現在セール価格になっているネクタイが最後のアメリカ製になるかもしれません。
芯地ありの3つ折りで、いたってスタンダードな仕立てです。裏地にはブランドロゴのゴールデンフリースが散りばめられます。
大剣の幅は8.3cmです。一般的にジャケットのラペル幅と大剣の幅が1:1になるようにと言われていますので、ラペル幅が約8.5cmの紺ブレと合わせたらほぼ完璧ですね。
コーディネート
ジャケット:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
シャツ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
ネクタイ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
このコーデありきで買ったネクタイなので、もう間違いないでしょう。メタルボタンを意識してイエローを使っても良いかもしれません。
スーツ:GLOBAL STYLE(グローバルスタイル)
シャツ:メーカーズシャツ鎌倉
ネクタイ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
王道アメトラ路線以外なら、こんな感じでしょうか。ダークブラウンのスーツとピンクのシャツに合わせています。ビジネスではちょっと厳しいですが、結婚式の二次会やカジュアルなパーティー(そんなの呼ばれないけど…)にちょうど良さそうですね。
まとめ
アメトラを気取るならやっぱり1本は持っていたいレップタイのご紹介でした。
タイドアップしたカジュアルスタイルも色々試してみましたが、なかなか難しいですね・・・。ライダースを羽織ってみたりしてみましたけど、だいぶ残念な感じでした。(笑)
でも、ネクタイを上手に街着として落とし込んでいる方もいらっしゃるので、お洒落な先輩方を見習いながら勉強です。
今回は以上です。