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DENTZ(デンツ)のディアスキングローブをレビュー!サイズ感・使用感・アンライニングの魅力をお伝えします。

今回は長らく購入を検討していたイギリスの名門・DENTZ(デンツ)のレザーグローブを少し前に入手しましたので、レビューをお届けします。

 

悩んだ末に購入したのは、ディアスキン(鹿革)のアンライニング(裏地なし)モデル。これを選ぶに至る経緯や各モデルの違い、気になる使用感やサイズ感をお伝えしよう思いますので、興味のある方は最後までお付き合いください。

 

 

世界最高の手袋メーカー DENTZ(デンツ)とは?

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参照:DENTS(デンツ) - MASHIMO-ONLINE

 

ご存知の方も多くいらっしゃるとは思いますが、まずはデンツというブランドについて触れておきましょう。

 

1777年の創業以来、手袋製造を専門とする老舗中の老舗。手袋に適した最高級の素材を使用して、裁断から縫製まで実に32の工程を熟練した職人の手作業で行われ、そうして完成したデンツの手袋は「手袋をしたまま新聞をめくることが出来る」と称賛される程に。名実ともに世界最高の手袋メーカーとして認知されています。

 

240年を超える歴史を持つデンツには様々な逸話が残っていますが、特に有名なのは英国王室との関係でしょうか。現在もご健在のイギリス女王・エリザベス2世が1953年の載冠式で使用するために特注した手袋をデンツが手掛け、2006年にはチャールズ皇太子から「王室御用達」を意味するロイヤルワラントを授かっています。

 

また、近年では映画「007」シリーズでダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドが劇中でデンツのレザーグローブを着用して、コラボモデルが発表されるなど注目を集めています。

 

「世界最高」と形容されるメーカー・ブランドは数多く存在しますが、ロールスロイス(車)、パテックフィリップ(腕時計)、ジョンロブ(革靴)といずれも私のような庶民には生涯縁がなさそうな、まさに雲の上の存在なわけですが、デンツの手袋はだいぶ現実的。もちろん手袋と考えれば十分に高価な品なのですが、ちょっと頑張れば手が届く価格となっています。世界最高と呼ばれるものを身近に感じられるあたりも、デンツの人気の秘訣なのでしょう。

 

デンツのレザーグローブの選び方

さぁ、歴史と格式があるデンツの手袋を手に入れるぞと決心するも、実に様々なバリエーションがある点が悩みどころ。価格はもちろんのこと、それぞれに長所短所があるので、自分がデンツの手袋に何を求めていのかを熟考する必要があります。実際に私もかなり迷った結果、2年越しでの購入となりました。ここではそれぞれの特徴を明記していきますので、これからデンツの手袋を購入しようという方の参考になれば幸いです。最も悩ましいサイズ選びについても触れていきます。

 

革で選ぶ

まずは使用する革の素材です。ここでの選択が手袋のキャラクターと価格を大きく左右します。

ペッカリー

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参照:15-1041 DENTS Peccary Unlined Gloves | Mashimo Onlineshop

ペッカリーとは南米に生息する猪や豚の仲間の一種で、その特徴は重厚で抜群の耐久性を誇りながらも、手触りは柔らかいと、まさに手袋にはうってつけの高級素材。銀面に浮かぶ3連の毛穴がペッカリーの証です。特に画像のコルク色は経年により味わいのある深い色味に変化することから高い人気を集めています。

 

価格帯:55,000円~75,000円

 

②ディアスキン

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参照:DENTS ディアスキングローブ(カシミヤライニング) 5-1548 【MENS】 | Mashimo Onlineshop


ディアスキンとは鹿革のこと。光沢がありシボ感が強い革質が特徴で、ペッカリー同様に頑丈で柔らかい素材。デンツでは北米産の最高級の鹿革のみが使用されています。

価格帯:35,000円~50,000円

 

③シープスキン

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参照:15-1026 DENTS Hairsheep Unlined Gloves | Mashimo Onlineshop

 

シープスキンとは羊革のこと。ライダースジャケットの定番素材なので上2つと比べると馴染み深いのではないでしょうか。その特徴は滑らかな手触りと、ドレッシーな雰囲気を纏う美しい銀面ですが、その反面で傷が残りやすく、他の革と比べると耐久性もやや劣ります。ちなみにシープスキンにのみ、タッチパネル対応モデルがあり、最近では一番の売れ筋とのことですが、ノーマルのシープスキンとは質感が全くの別物。個人的にはナシです。

 

価格帯:25,000円~40,000円

 

ライニングで選ぶ

革の素材が決まれば、次はライニング(裏地)です。肌に直接触れる箇所なので、使用感に大きな影響を与えます。

①カシミヤ

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参照:【楽天市場】DENTS デンツ レザーグローブ 手袋 カシミア 5-1548 メンズ:Golden State

 

最もスタンダードなライニング。ピンキリといわれるカシミヤですが、デンツではマフラーで有名なあのジョンストンズに特注したものを使用しているので品質は間違いはないでしょう。

 

②シルク

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参照:【楽天市場】デンツ DENTS グローブ 手袋 メンズ 5 1513 brown THE HERITAGE COLLECTION ヘリテージコレクション KINGSTON[2021AW]:モダンブルー楽天市場店

 

カシミヤと比べると防寒性能は劣りますが、滑らかな手触りのシルクは手に吸い付くようで、優れた着用感を実現します。見た目の美しさも随一。

 

③ラビットファー

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参照:【楽天市場】DENTS デンツディアスキン ラビットファーライニング グローブ:ring

 

その名の通り、ウサギの毛皮を使用。残念ながらこのライニングに関しては試着していないので、あまり適当なことは言えませんが、見るからに暖かそうである反面、操作性が大きく低下するような気がします。

 

④アンライニング

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参照:【楽天市場】DENTS デンツディアスキン アンライニング グローブ:ring

 

ライニングを省いた一枚革のモデル。素手との一体感は他を圧倒しますが、防寒性能は・・・。詳しくは後程。

 

ディテールで選ぶ

革とライニングが決まれば最後に縫製方法やボタンなどのディテールです。使用感よりも見た目に差が出るところなので、お好みでどうぞ。

①外縫い

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参照:15-1041 DENTS Peccary Unlined Gloves | Mashimo Onlineshop

 

縫い目が外に出ることで、カジュアルな印象が強くなりますが、内側の凹凸がなくなることで、着用感は向上します。職人による手縫いの雰囲気を楽しめる点も外縫いの魅力ですね。

 

②内縫い

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参照:15-1094 DENTS Hairsheep Unlined Gloves | Mashimo Onlineshop

 

縫い目を隠すことで一気にドレッシーな雰囲気が増す内縫い。ビジネスやフォーマルとは好相性です。ただ、内縫いのモデルを選べるのはシープスキンのみなので、どうしても内縫いが良いというのであれば、選択肢はだいぶ限られてきます。また、内縫いと外縫いではサイズ感も変わってくるので要注意。

 

③スナップボタン

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参照:DENTS ディアスキングローブ(カシミヤライニング) 5-1548 【MENS】 | Mashimo Onlineshop

 

基本的にどれもシンプルなデザインなので、唯一の装飾ともいえるのが、手首で留めるスナップボタン。すっきりとボタンなしのモデルもありますが、画像はベルト付きのモデル。

 

サイズを選ぶ

ここまでで、購入するモデルは決まりましたが、問題はどのサイズを選ぶべきか。サイジングについては色々な説がありますが、まずはデンツの公式(海外版)のサイズガイドをみていきましょう。

 

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参照:Gloves Size Guide and Chart | Dents

 

このように手の平の周囲のサイズを計り、下のサイズチャートに当て嵌めていきます。

 

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サイズチャート(DENTZ公式より)

参照:Gloves Size Guide and Chart | Dents

 

デンツ公式のサイズチャートでは手の平のサイズに合わせることを推奨していますが、イギリス人と我々日本人とでは指の長さが違うので、多くの日本人の場合このチャート通りに選ぶと指先(特に親指)が余ってしまう残念なサイズ感になってしまいます。

 

だからといって指の長さに合わせて全く手が入らないとなってしまえば本末転倒ですが、締め付けられて多少きつく感じるぐらいであれば、指の長さを基準にサイズを選ぶべきでしょう。というのも革の特性上、使用するうちに伸びていき、その影響は縦より横の方が圧倒的に大きいからです。

 

指の長さはジャストもしくは多少の遊びがある程度で、横幅はややタイトに感じるくらいのサイズ感が個人的にはベストではないか思っています。

 

ディアスキングローブ(アンライニング)をレビュー

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冒頭から触れている通り、私が選んだのはディアスキンのアンライニング。

 

革はどれも魅力的で本当に悩みましたが、ドレスとカジュアルのどちらにも振り過ぎていないバランスに使い勝手の良さを感じディアスキンを選んだ次第です。本音を言うとデンツらしさを最も感じるペッカリーもずっと引っかかっていましたが、正直予算オーバーです。

 

ダークブラウンというカラーは、ワードローブのジャケットやコート、革靴の色味を考慮して。単体で見るとブラックもカッコいいんですけど、私にはあまり似合わないかなぁ。

 

ディテール

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最高級の北米産を使用しているというディアスキンは、近くで見るとキメが細かく本当にきれいなものです。今の状態も捨てがたいですが、これからの経年変化にも期待しています。ちなみに甲部分に入る3本のラインは「ポインツ」と呼ばれ、装飾としてだけではなく、人差し指から薬指の腱の動きを補助する役割があるそうです。

 

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注目していただきたいのは、指の側面と付け根の部分。それぞれ独立したパーツが使わているのが分かるでしょうか。こうすることによって、より立体的で高い可動域を確保するのです。このような工夫が施されているため、デンツのレザーグローブでは1組で16ものパーツが使われています。職人による手縫いならではの運針もいい味が出ていますね。

 

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着用感という意味では手首のスナップボタンは無くてもあまり変わらないのですが、やはり「DENTS 1777」と刻印されると気分が上がります。ブランドにしがみついている感もありますが、人からは見えるところではないので、まぁいいじゃないですか。ボタンの色味も革と合わせて控えめです。


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アンライニングなので、手を入れれば即裏革です。感触はもう少しざらざらしているのかと思っていましたが、実に滑らか。着け心地がライニング有りと比べて劣るということは全くありませんね。

 

サイズ感と使用感

このブログ内で度々、私は平均的日本人男性の体格(173cm/65kg)であると謳ってきましたが、私にはある身体的特徴があります。そう、実は意外と手が小さいのです・・・。

 

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手の平周りは約19cm、中指は8.2cmと平均的な日本人男性と比べると全体的に小ぶりで華奢な手をしています。男らしい手の人に密かに憧れているのです。まぁ、こればかりはどうしようもないんですけどね。

 

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そんな私が選んだのはデンツが用意している男性用サイズで最も小さいサイズ7。日本での売れ筋は7.5と8のようなので、このサイズを探すのにかなり苦労しました。

 

指の長さに関してはほぼ理想的で、販売員の方曰く「日本人の9割は長さが余る」という親指もわずかな遊びがある程度で、他の指はジャストフィット。正確にいえば中指と人差し指は少し窮屈に感じましたが、何回か使用する内に馴染んできました。一方で手の平の厚みが足りないせいで、土手の部分に若干の余裕が残っています。先述の通り、横幅に関しての理想はややタイトなサイズ感なので、もったいないところではありますが、既製品である以上、仕方ないことです。

 

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100%理想的とは行かずとも、そのフィット感はいままで使ってきたレザーグローブでは得られなかった極上のもの。特に軽く握りこぶしを作ったときの一体感は素晴らしですね。デンツならではの計算されたパターンと高い縫製技術がもたらす立体的な造りが幸福な着用感を実現します。

 

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「手袋をしたまま新聞をめくることが出来る」といわれるデンツの手袋ですが、あいにく私は新聞を購読していないので、それを確かめることは出来ませんが雑誌や文庫本はなんなく読み進めることが出来ました。まぁ、今後はそんなことしないでしょうが。ちなみに、タッチパネル対応モデルではありませんが、本革なのでそれなりに反応してくれます。コツを掴めばLINEで定型文を送るぐらいは難なくこなせますよ。

アンライニングの魅力

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ところで、なぜアンライニングを選んだのかという話なのですが、普通に考えたら手袋は防寒具なので裏地があった方が良いに決まっています。実際に私もカシミヤライニングと最後まで悩みましたが、デンツの手袋に何を求めているかを考えると答えが出ました。

 

デンツがなぜ世界最高の手袋メーカーと称賛を得るまでになったのか。それはやはり「シークレットフィット」と呼ばれる着けていることを忘れるような素手との一体感にあります。ラインドのモデルも十分に素晴らしいのですが、どうしても間に1枚生地が挟まる以上、最適とは言い難いのではないでしょうか。デンツのラインドは試着でしか経験がないので、大それたことは言えませんが、着用感という観点だけで言えばアンライニングに勝るものはないはずです。

 

それにもう一つ理由を付け加えるなら、私がもともと積極的に手袋を使う環境になかったことにも影響するでしょう。ライニングがあると確かに暖かいのでしょうが、九州在住で車や電車での移動が多い私にとっては、カシミヤやラビットファーはややオーバースペックで使用する機会も限られてくるような気がしました。

 

革は通気性が良い素材なので、お察しの通り防寒性は低めです。素手よりかはマシ程度に思ってください。それを私のように使用機会が増えると捉えるかどうかは人それぞれでしょうが、雪が降るような日に長時間外にいるとかなり辛い思いをすることになります。お住まいの地域によってはアンライニングはマイナスでしかありません。

 

デンツの手袋を防寒具として考えるならライニング有り、一種の工芸品と考えるならアンライニングがおすすめというのが私の結論です。

 

まとめ

2年越しでの購入となったデンツのレザーグローブでしたが、おかげで苦手な冬の外出も少し気分が上がりますね。洋服しかり靴しかり、身に纏うもので気持ちも変わるファッションの魔法が良い方向に発揮しています。

 

とはいえ、昨日から襲来している今冬一番の寒気の中では、アンライニングの無力さをまじまじと実感させられました。これを理由に、将来的にはカシミヤライニングもありかな・・・なんて(笑)。

 

今回は以上です。