前回に引き続き、私の新たな相棒・レガシィ アウトバックについて。
今回は気になる走行性能やスバルご自慢の安全面にフォーカスしてお伝えしていこうと思います。
私はあくまでもファッションブロガーなので、専門的なお話よりも素人目線の体験談中心になるかと思いますが、どうぞ宜しくおねがいします。
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パワー不足?必要十分?1.8Lターボエンジンの性能
新型アウトバックに搭載される1.8Lターボエンジンは177ps(馬力)を発生します。一般的に177psもあれば十分なパワーかと思いますが、問題はアウトバックの車重。見た目通りにそれなりの重さがあり、スペック上では1690kgという数値を示しています。
当然重くなるにつれて、必要なパワーも大きくなるわけで、走行性能を語る上で排気量や馬力だけでは判別できないのです。
そこで参考になるのがパワーウェイトレシオというもの。「車重÷出力(ps)」で計算する指標で、1psあたりで何kgを動かさなくてはいけないかが分かり、この値が小さいほどに加速性能が優れているということになります。
そしてこの計算式をアウトバックに当てはめるとパワーウェイトレシオは9.54kg/psとなります。もちろんこの数字だけ見ても普通の人(私も含めて)はそれが良いのか悪いのかは分からないはずなので、いくつかの競合車種と比較をしてみました。
- ハリアー(ハイブリッド) 7.30kg/ps
- CX-5(ディーゼル) 8.10kg/ps
- エクストレイル(ガソリン) 10.61kg/ps
- アウトランダー(PHEV) 10.00kg/ps
- アウトバック(先代モデル) 9.03kg/ps
- アウトバック(現行モデル) 9.54kg/ps
ミドルサイズの国産SUVで比較してみると、新型アウトバックのパワーウェイトレシオが決して悪いわけではありませんが、先代よりも数値が少し悪くなっているのはちょっと気になるところ。また競合する可能性が高いハリアーやCX-5のトップグレードと比べるとパワー不足は否めません。
ただ一部の競合車と比較して加速性能で劣っているからといって、私はパワーが足りないと感じることはありません。
試乗車も準備されていない状況での契約だったので、実際に納車されるまでの間、スペック表だけを眺めながら不安を感じることもありましたが、それは杞憂に終わりました。
低速からしっかりとターボのトルクがかかり、40~60Km/hあたりでの加速が実にスムーズ。最も頻度が高い速度帯ではスペック以上のパワーを感じる、日常での使いやすさを意識したチューニングがなされているという印象を受けました。まぁ、今までNA車しか乗ってこなかった身としては、一気にターボがかかる感覚に違和感を覚えることもありますが、そのうち慣れるでしょう。
一方で発進時の挙動がややもっさりとしているという印象があり、これは好みが分かれそう。その場合はドライブモードを「S」や「S#」に切り替えればスタート直後から高出力を発しますが、その場合は燃費が犠牲になるのでなんとも言えません。
まだ数回しか走っていませんが、高速道路での走行もノンストレス。どうしても前の車(BRZ)と比べると迫力に欠けますが、100㎞/h+αの速度帯であればまだまだ余力を持って加速するので、合流や追い越しで苦労するようなことは全くないでしょう。
ともかくアウトバックはサーキットでぶっ飛ばしたり、急勾配な山道を駆け上がるような車ではありません。モアパワーを求める一部の層に向けて、北米仕様で用意されている2.4Lターボ(270ps)が選択肢としてはあっても良かったような気もしますが、既存の1.8Lターボは街中を優雅に駆け抜ける都会派SUVとして必要十分なパワーを持っているというのが私の所感です。
それに先に触れた「S」「S#」モードを使えば、加速力が向上してそれなりに臨場感のある走行が可能なので、伸びやかな直線の高速道路やワインディングロードなど場面を選んで使い分けたらスポーティーな走行も楽しめそうですね。
世界最高峰の安全性能!アイサイトX
自動ブレーキを始めとする安全補助機能は、今となってはどのメーカーでも最重要視される項目となりましたが、国内でこの分野にいち早く注力してトップランナーとして牽引してきたのはスバルのアイサイトでした。そしてそのアイサイトの最新版がアウトバックにも標準搭載されているアイサイトXです。
2008年にアイサイトver.1が登場して以来、改良を繰り返しながらver.3(3.5)までが開発されましたが、2020年にレヴォーグで初めて採用された新型アイサイトは開発担当者曰く「進化の度合いが違い過ぎる」ため、ver.4ではなく「X」と名付けられることになったそうです。
随分と大層な自信があるようですが、一体アイサイトXの何が今までと違うのか、特別なのかを分かりやすい部分からピックアップして3点ご紹介していきましょう。
①360度センシングにより向上した衝突回避性能
従来のアイサイトでは交差点の右折時や見通しの悪い場所での出会い頭などに対応しきれないケースもありましたが、視野を広げたステレオカメラに加えて、四隅に配置されたミリ波レーダーを組み合わせることで、全方位の感知(360度センシング)が可能となり衝突回避性能は格段に向上しました。今のところ自動ブレーキが発動するような状況に遭遇していませんが、いざという時は止まってくれるとういう精神的な余裕を感じています。
強化された車本体の安全機能にとどまらず、アイサイトXは準天頂衛星「みちびき」や高精度GPSとも連携しながら車を見守っています。その効果は後述する自動運転だけではなく、急カーブや料金所前での自動減速など、カメラやレーダーでは認識できないあらゆる場面でドライバーをサポートしてくれます。私自身、知らない道を走っていて急に現れたカーブにヒヤッとした経験が何度かあるので、こういった機能はとても助かりますね。
③ドライバー異常時対応システム
運転席に設置された赤外線モニターがドライバーの顔の向きや視線を監視しており、脇見運転などをしているとアラームが鳴り、万が一居眠りや気を失い警告に気づかない場合は、徐々に減速してハザードランプとクラクションで周囲に知らせて、最終的には停車して施錠が解除されます。このようなドライバー異常時対応システムは政府が普及を推し進めている案件なので、自動ブレーキのように今後はスタンダードの機能となっていくような気がします。
これはアイサイトとは関係ありませんが、ルームミラー近辺に「SOS」と書かれた赤いボタンがあり、これを押すと24時間対応のコールセンターに繋がり車内スピーカーを通して会話が可能となります。「事故に遭い身動きが取れなくなった」「執拗な煽り運転を受けている」など緊急時に携帯電話を使わずにサポートを受けることができるそうです。
今まで安全機能とはほぼ無縁の車に乗っていたので、この分野の進化には本当に驚かされています。これでもまだまだ発展途上なのでしょうが、このまま順調に進化を続けたら近年のスバルが掲げる「2030年、死亡事故ゼロへ」というキャッチフレーズも不可能な目標ではないように感じさせれますね。
技術的にはほぼ完成!?近未来を体感する運転支援システム
安全性能の進化と共にアイサイトXの目玉になっているのが高レベルの運転支援システムです。
所謂自動運転の分野になりますが、アイサイトver.3までは前方車両に追従するクルーズコントロールや車線内を維持するレーンキープコントロールなど「自動運転レベル」(下図参照)でいうところのレベル1の範囲に留まっていました。
参照:https://persol-tech-s.co.jp/hatalabo/mono_engineer/568.html
ところが進化したアイサイトXではレベル2にまで踏み込み、高速道路など自動車専用道路で50km/h以下、要するに渋滞を想定した条件下のみで完全に手を離した状態(ハンズオフ)で走行を続けることが可能となりました。もちろん停止や再発進も自動で行ってくれます。
私はまだハンズオフを発動できるタイミングは一度しかありませんが、約5分間ハンドルとアクセル、ブレーキに触れることなく自然に加速減速を繰り返し、細かくハンドルが動く様子はまさに不思議な感覚でした。
本当はその様子を動画に収めたかったところですが、今の法律では携帯電話保持で違反になるので、断念せざる得ません。さらによそ見をしようものなら例のアラームが鳴り始めます。自動運転(正確に言うと運転支援)といっても結局は前を向いて座っているだけなんですね(笑)。
でも実は2020年の法改正ではレベル3の自動運転が解禁となり、対象となっている車両であれば高速道路の渋滞下(60km/h以下)限定で、ドライバーの監視下である必要がなくなりました。つまり条件が揃えば前を見ずにスマホを触ったりしても大丈夫ということです。
現時点では、国内メーカーで自動運転レベル3のシステムを搭載している車はホンダ・レジェンドしかありませんが、スバルのアイサイトや日産のプロパイロットがレベル3の認可を受けるのも時間の問題でしょう。
それでもまだまだ多くの制限がかかるので、本当の意味での自動運転には法的課題が残されています。
一方で技術の面では市場に投入されているシステムよりも数段と進んだ開発に成功していると言われています。
スバルのアイサイトにしたって、開発関係者によれば高速道路で100km/h以上のハンドオフであったり、信号機や歩行者を認識して一般道で自動走行をする技術は既に手に入れているそうです。
それを現在の法整備の段階に合わせてデチューンした製品が私達ユーザーに提供されています。
ここで法律問題について取り上げるつもりはありませんが、日本より自動運転の分野で法整備が進んでいる海外でも度々とトラブルが行っているみたいなので、本当に難しい話ですよね。
それでもいずれは実現する自動運転社会。少なくとも私が現役世代の間に法律的な課題も解決して、当たり前の技術として世間に普及しているような気がします。
今のところ自動運転技術の恩恵を受ける場面に限りがありますが、実用性を期待する機能というより、近未来を体感する一種のアクティビティのようなものと捉えれば、発展途上のこのシステムとも上手く付き合っていけそうです。
まぁ、一人の車好きとしては自動運転を素直に歓迎しているわけではないんですけどね(笑)。
まとめ
昨日がこのブログを開設してからちょうど1周年だったようですが、記念投稿をするどころか、今までで最も本筋から脱線した内容となってしまいました。
洋服と同じで好きな物だから何とかなるだろうと書き始めましたが、途中から後悔するくらいに苦労しましたよ(笑)。
ともかく計画から7年半越しで迎え入れたアウトバックに、私は大いに満足しています。
その思いだけが伝わればそれで良いかなということにしておきましょう。
今回は以上です。