先日ご紹介したクロケット&ジョーンズのモールトン。慣らし履きも終えて絶賛活躍中なのですがある問題が・・・。全く身に覚えがない謎の傷を発見。
小さい傷で目立ちはしませんが、まだおろしたての靴だけに結構ショックでしたよ。
プロに任せようとも思いましたが、ネットで調べるとアドベースとアドカラーなる修理用品を使い自分で直したという事例を見かけたので、まずは私も試してみることにしました。
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謎の傷が・・・
問題の傷が付いたのは左側のヒールの部分。
さぁ、どこか分かりますか?普通なら気が付かないと思います。
でも近づいてよく見ると、ソールとアッパーの継ぎ目付近に小さな傷が確認できます。最初は白い糸屑かなと思いましたよ。
外からダメージを与えた記憶は全くないし、何かで切りつけた傷というよりは、テンションがかかって入った亀裂のようにも見えます。
確かに最初はきつめのサイズ感でしたが、タイトフィットに攻めてヒールに亀裂が入ったなんて話は聞いたことがないし、そもそも踵周りは比較的に余裕があったのでそれも考えづらい。
原因は不明ですが、傷の入り方からして更に広がりそうな気配があり、何よりも一度見つけてしまっては、例え小さな傷でも気になってしょうがないので補修に取り掛かることにしました。
今回使用したのはコレ
今回使用したのは、コロンブスのアドベースとアドカラー。コロンブスといえばシューケア用品のリーディングカンパニーであり、特に拘りなく集めた私の靴磨きセットの大半を占める安定の存在なので、きっと間違いないでしょう。それぞれの役割は以下の通り。
■アドベース
深い傷を埋めるためのセメントのような役割を果たします。素材はアクリル樹脂で色は白色。密着性と屈折性に優れています。
■アドカラー
革の銀面を補色するための顔料。擦り傷のような浅い傷の場合はアドカラーのみでも補修が可能です。コロンブスには全15色のアドカラーが用意されているので、必要に応じて絵の具のように混ぜ合わせながら、革と近い色味を作っていきます。
幸いにも今回の靴はブラックで、アドカラーを複数色準備する必要がありませんでしたので、アマゾンでセット売りされている物を購入しました。一応セットに付属してきましたが、クロスは別に何でも良いです。値段は1,000円もしなかったと思います。
さっそくやってみよう
まずは汚れやクリームをしっかり落として、傷口周辺の銀面を平らに均すように軽く紙ヤスリをかけていきます。本当に軽くしないと余計な傷をつけてしまうので要注意。
アドカラーを紙の上に少しだけ取りだします。結構勢いよく飛び出るので気を付けてくださいね。
先を細く捻ったティッシュや爪楊枝を使い、傷口を埋めるように塗っていき10分間放置。白くなるので最初よりはっきりと傷口が目立つようになりました。
アドベースがしっかり固まったらアドカラー(必要に応じて色味を調整)を傷口とその周辺にムラなく塗り広げていきます。いつものメンテナンスで使う補色クリームと違い、顔料は素手で触れると落ちなくなるので、必ずクロスを使いましょう。
ブラッシングをかけながらアドカラーをしっかりと馴染ませて、クロスで表面をきれいに拭き取っていきます。一度で色素は定着しないので、この工程を3~4回繰り返します。
最後に普段使っているクリームで靴全体を磨き上げて完成です。
どうでしょうか?目を凝らせば跡が分からなくもないのですが、概ね満足できるレベルに仕上がりました。
まだちょっと段差が残っているので、アドベースの量がやや少なかったかもしれませんが、付けすぎて失敗するよりかはマシですね。最初は慎重にいきましょう。
まとめ
小さな傷が気になってしょうがないので、セルフケアしてみたという小ネタでした。
擦り傷と違って、今回のようにえぐれてしまった傷はプロでも完全に修復するというのは不可能みたいですね。そう考えると我ながら上出来な仕上がりだったと思います。
時間は30分もあれば済むし、費用は1,000円以下です。お手元の革靴で気になる傷がある方は試してみる価値大アリですよ。
ところで、結局あの傷はなんだったんだろ・・・
今回は以上です。