トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

室内専用のビルケンシュトック「ツェルマット」を購入!ルームシューズへの投資はQOL向上の近道だ!

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉を最近何かにつけてよく聞きますね。

 

そして本来の意味とは少し異なりますが、専ら高機能なガジェットや家具などの身近な「モノ」に投資をして日常生活を充実させるという意味で使われがちです。

 

私自身あまりそういうことは意識をしていませんでしたが、この度QOL向上を期待できるルームシューズを手に入れました。

 

今回購入したのは、ご存知BIRKENSTOCKビルケンシュトックから初の室内用サンダルとして登場したZERMATT(ツェルマット)というモデルです。

 

私は会社の室内履き用として使っていく予定ですが、もちろん自宅用としても最適な一足だと思います。少し値は張りますがルームシューズでQOLを上げていきたい方は必見です。

 

【関連記事】

tradman-dc.com

 

 

ルームシューズにこだわる意味

f:id:dacchi37:20210924221201j:plain

ファッション好きの宿命「どこにお金を使うのか」という問題。

 

一般的には長く使える物には多少の出費も惜しまずに投資するという思考になるかと思います。革靴や時計がその典型ですね。

 

そしてこの「長く使える」というのは期間だけ話ではなく、時間についても考慮する必要があると最近私は思うようになりました。

 

要するに数年間の長期スパンではなく、1ヶ月・1週間・1日といった小さい枠組みの中でどれだけ長い時間身に着けるかということです。

 

長い時間身に着ける物として筆頭に上がるはやはりスーツです。これは多くの服好き社会人であればある程度お金をかけているでしょうし、私もそれなりにこだわりを持っています。

 

次に浮かぶのは部屋着やパジャマなどの自宅で着用する服。ただ私はユニクロや無印のスエットやTシャツでも十分に満足しているので、着用時間の割には全く投資をしていない分野です。ある意味コスパは良いんですけどね。大体の人が同じような感じだと思います。ここに気を使える人は真のお洒落さん。

 

オンのスーツとオフの部屋着。この2つは間違いないのですが、私の場合それ以上に長い時間使用して、かつクオリティによって着用感が大きく左右される物があります。それが冒頭でも書いている通りオフィス用のサンダルです。

 

私の会社は土足厳禁のオフィスで、職種も内勤の事務職のため勤務時間の内ほとんどを室内用サンダルを履いて過ごすことになります。しかもスーツや部屋着と違ってローテーションするわけではないので、毎日同じ物を履くのです。試しに計算してみたら少なくとも年間2,000時間以上は着用していることになりました。休日用なら300回以上外出しないと稼げない数字です。

 

さらに履物は服以上に着用感の差が出ることは周知の事実。これに投資をしない手はないのです。

 

また、我が家は違いますが自宅でルームシューズを履いているご家庭なら愛用しているスリッパを見直してみるのも悪くはないかもしれませんよ。

 

ツェルマットをレビュー

f:id:dacchi37:20220321174401j:plain

こちらがビルケンシュトック初の室内専用サンダル・ツェルマットです。

 

ビルケンシュトックのサンダルは世界中の都市名に由来してネーミングしていることは有名ですが、「ツェルマット」という地名は私の不勉強もあり初めて耳にしました。

 

調べるとスイスの山間部にある人口5,000人程の小さな街(集落)で、スキーや登山で人気のリゾート地とのこと。

 

おそらくヨーロッパではそれなりに知名度があるのでしょうが、ボストンやチューリッヒなど世界的に有名な都市から名付けられた他のモデルと比べると毛色が違うようにも感じます。

 

でも室内専用というビルケンシュトックの中でも異色な存在なので、そういう意味ではピッタリなネーミングかもしれませんね。

 

ディテール

f:id:dacchi37:20220321174348j:plain

まずはシルエットから。半分以上がアッパーで覆われていて、同ブランドの人気モデル・ボストンとそっくりな丸っこくて愛らしいフォルムです。

 

f:id:dacchi37:20220321175618j:plain

ただ横から見るとボストンのようにベルトがついていなのでいかにも「スリッパ」という感じもします。

 

f:id:dacchi37:20220321172946j:plain

アッパーの素材はウール70%ポリエステル30%で構成されたフェルトが使われています。フェルトと聞くと柔らかくて型崩れを起こしそうですが、高密度で厚みのあるこの生地はかなりしっかりとしていて、その心配もなさそうです。

 

ビルケンシュトックのアッパー素材はスエードかスムースレザーが定番ですが、そのような素材よりも一般的には靴のアッパーとしては使用されないフェルトだからこそ、見た目の上でも室内用であることを感じさせてくれます。

 

f:id:dacchi37:20220321174334j:plain

ひたすらシンプルなデザインのこのサンダルですが、ワンポイントとしてブランドロゴをあしらったリベットが打ち込まれています。ボタンじゃありませんよ。

 

f:id:dacchi37:20220321174306j:plain

インソールにはビルケンシュトックご自慢の人体工学に基づいき正しい歩行をサポートするフッドベッドを採用。スエードライニングの下にはコルクが敷き詰められているので、経年により足の形の沿って沈み込んでいきます。

 

f:id:dacchi37:20220321174320j:plain

そしてこのフッドベッドはメンテナンスがしやすいように取外しが可能となっているのもポイントです。長く使うならこういうの大事ですよね。

 

f:id:dacchi37:20220321175301j:plain

アッパーはアンライニング仕様なので裏面もフェルトですが、先端だけ布地に切り替わっています。おそらく強度を保つための芯地だと思いますが、つま先は汗をかきやすい場所なので蒸れ防止にも効果を発揮するかもしれませんね。

 

f:id:dacchi37:20220321174251j:plain

このサンダルが室内用である最大の理由はこのアウトソールにあります。ラテックス(天然ゴム)で作られた所謂クレープソールです。非常にクッション性に優れているため履き心地の向上はもちろん、足音を軽減する効果があります。

 

f:id:dacchi37:20220321174237j:plain

アップで見ると分かる通り表面は無造作に凹凸があり、また天然ゴムという特性上粘り気があるということも相まって全く滑りません。まさにフローリングが主戦場となる室内向きのアウトソールです。

 

f:id:dacchi37:20220321174223j:plain

こちらは多くのビルケンシュトックで採用されているスタンダードなアウトソール(写真は私物アリゾナ)。素材はEVA(合成樹脂性)で水に強く履き心地も軽やかなのですが、ワックスがけされたフローリングの上では滑りやすいかもしれませんね。

 

使ってみて分かった良い点と気になる点

f:id:dacchi37:20211020191456j:plain

会社で使い始めてまだ一週間も経っていませんが、実際に室内で履いてみて良かった点と少し気になる点を挙げていきます。

 

良かった点

①とにかく静か

これが一番驚きました。私は足音が大きく家でも妻によく注意され程なのですが、普通に歩く分には全く足音がしません。なんなら小走りしてもほとんど音がしません。クレープソールのクッション性を考えたらある程度予想はしていましたが、期待を大きく超える効果を実感しています。

 

②歩行姿勢が良くなった(気がする)

ビルケンシュトックはフッドベッド(インソール)は歩行矯正のための医療用として注目を集めたという歴史があります。人体工学に基づいたフッドベッドは踵と土踏まずを固定して、指先に力が入るような造りになっているので、自然と正しい歩行姿勢へと導いてくれます。そのため仕事中(といってもほとんど座ってますが)はずっと歩行矯正を受けている状態となり、歩いている時の姿勢が良くなったような気がします。多分気のせいなのでしょうが、継続していたら本当に効果がありそうですね。姿勢って大事ですよ。

 

③気分が上がる

最後は私的な感想ですが、お気に入りのブランドの物を常に身に着けていると単純に気分が上がりますね(笑)。それまではラコステのビーチサンダルをオフィス用として履いていましたが、それとはやっぱりと違います。ラコステも大好きなブランドですが、正直ポロシャツなどの衣類以外だとあまり魅力を感じないので・・・。「ラコステのサンダル」と「ビルケンシュトックのサンダル」だと機能性云々を置いておいても後者に軍配が上がるのは当然です。

 

気になる点

①スーツに合うのか

会社なのでスーツとこのサンダルを合わせることになりますが、この丸くて可愛らしいフォルムのサンダルが果たしてスーツに合うのかという問題です。

 

f:id:dacchi37:20220321174414j:plain

ただこれはチャコールグレーを選んだということもあり、ダークトーンが中心のビジネススーツとも相性は悪くなさそうです。他の色(ライトグレー、ブルーなど)を選んでいたら少し厳しかったかもしれません。まぁ、そもそもスーツに合うサンダルなんて物は存在しないので、あまり気にしすぎることもないかもしれませんが。

 

②クレープソールにゴミが引っ付かないのか

一度でもクレープソールの靴を所有したことがある方なら分かるかと思いますが、粘着性の高いこのソールは路面のゴミを大量に拾ってきます。目に付かないアウトソールとはいえ、ゴミがたくさん付着していると気になりますよね。

 

f:id:dacchi37:20220323161248j:plain

こちらは会社で5日程履いたツェルマットのアウトソールの状態。特に手入れをはしていませんが、思っていたよりだいぶマシですね。やはり砂利や塵が散らばる外の路面と、ある程度清掃されたオフィスの床面では様子が異なるようです。

 

③クレープソールの耐久性

よく語られるクレープソールの欠点として、経年劣化により表面がベトつくことが挙げられます。ただし、これに関しては雨水や高熱のアスファルトに接することが劣化の大きな原因なので、室内で履く分には幾分か長持ちするのではないかと思っています。

 

④夏は大丈夫?

アッパーの主素材がウールのサンダルを夏に履いて暑くない(蒸れない)かという疑問です。室内なのでクーラーは効いていますが、クールビズ全盛のこのご時世です。エアコンの温度もあまり下げられないので、真夏はやっぱりオフィス内でも暑い。正直これに関しては夏になってみないと分からないですね。ダメそうならまたラコステのビーチサンダルでも履いておきます。

 

本当はアリゾナEVAを買うつもりだった

f:id:dacchi37:20220323214611j:plain

参照:Arizona EVA | BIRKENSTOCKでオンラインショッピング

 

ここからは余談です。会社用にビルケンシュトックのサンダルを買うことは前々から決めていましたが、その候補はアリゾナEVA(上画像)でした。ビルケンシュトックの大定番・アリゾナをアッパーからインソールまで全てEVA(合成樹脂)で作り上げたモデルです。

 

通常のアリゾナを既に所有していたのでサイズ感・着用感を把握していたことに加え、5,000円という手頃な価格に惹かれたからでした。

 

ビルケンシュトックの直営店に赴き、予定通りにアリゾナEVAを購入すべく実物を前にしてある異変に気が付きました。ナロー幅しか置いていなかったのです。

 

詳しく説明すると、ビルケンシュトックの多くのモデルでは縦のサイズと合わせて横幅をレギュラーとナロー(狭い)から選ぶことが可能となっています。そして日本人は幅広の足をしているとされるので、レギュラー幅を選ばれる方が多いみたいです。私もアリゾナの場合は「39/レギュラー」がマイサイズとなります。

 

お店の方に確認すると、「アリゾナEVAはサイズ40以下はナローのみ、41以上はレギュラーのみの展開となっている」「ドイツ本国では40以下のレギュラーを製造している可能性もあるが、少なくとも正規品としては国内に流通していない」とのこと。

 

代替サイズとして提案された「40/ナロー」を試着するも、土踏まずとヒールの位置が合わず履き心地はイマイチ。歩行矯正をルーツに持つビルケンシュトックのサンダルは、正しいサイズで履いてこそだと思っていたので、これはちょっと妥協できそうにありません。

 

そして何よりも通常モデルのコルクを敷き詰めたフッドベッドと、その形だけ真似たEVA製のインソールでは足馴染みが全く別物でした。(サイズがジャストではないことを考慮しても)

 

アリゾナアリゾナEVA。値段が約3倍もかけ離れていることもあり、やはり似て非なる物であると実感した次第です。

 

思惑が外れて途方に暮れていたところ、店員さんにオフィス用サンダルを探していたことを伝えると、今回購入することになるツェルマットを紹介していただきました。そうです。偉そうにレビュー記事を書きましたが、その存在は全く知らなかったのです。

 

買い物の際は事前にサーチしてから購入に踏み切るタイプなので、このようなことは滅多にないのですが、結果的に良い物に巡り合えたのであの時対応してくれたお店の方には感謝ですね。

 

まとめ

ビルケンシュトックの中でも異色な存在のツェルマットをご紹介しました。

 

いやー、これは本当に買って良かったですね。あまりの履き心地の良さから無駄に歩き回りたくなっちゃて仕事の生産性は低下しているような気がします(笑)。

 

価格は1万円強とルームシューズと考えたら高価ですが、ビルケンシュトックの他の人気モデルと比べると手頃な部類です。

 

日常生活を足元から充実させてくれるツールとして考えれば十二分にその価値があると思いますよ。

 

今回は以上です。