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SAPHIR(サフィール)のアナトミックインソールをレビュー!革靴のサイズ調整は見た目と履き心地も妥協しないぞ!

過去にご紹介したIL MOCASSINO(イルモカシーノ)のスエードビットローファー。

 

見た目はとても気に入っているのですが、如何せん完全にサイズ選びを間違えてしまいました。靴紐で調整が効かないローファーにとって大きすぎるサイズ感は致命的です。

 

色々手を尽くしてきましたがもう限界。ついに最終手段のフルインソールを入れることにしました。

 

そして数ある中から選んだのは、フランスの老舗シューケアブランド SAPHIR(サフィールのインソールです。

 

大幅なサイズ調整が可能であること、そして後付けインソールにありがちな問題(見た目・履き心地)もしっかりとカバーされているという点が決め手でした。

 

私と同じようにサイズが大きすぎるお気に入りの靴が手元にある方にとって、もしかしたら解決の決定打になる可能性もあります。是非ご参考ください。

 

 

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大きめの革靴はどうやってサイズを調整する?

サイズが大きい靴のサイズ調整を試みる際に、インソールを入れるという手段はおそらく一番最初に思いつくかと思います。ただ、実際のところは最後の最後に選ぶ奥の手。なぜならその靴本来の履き味を劇的に変えてしまう可能性があるからです。

 

だからこそ可能であれば他の方法で解決すべきなのです。実際に私もその過程を経た上で、今回最終手段に踏み切りました。

 

ということで、まずはフルサイズのインソールを入れる前に試すべき手段を改めて紹介します。内容は過去記事と同じなのであしからず。

 

①タンパッド

甲の部分に厚みを持たせることで、フィット感を高める調整用パッド。表面はスエードで、中身はスポンジであることが一般的です。革靴のサイズが全体的に大きいと感じたら、まず最初に試して欲しいのはコレ。理由はシンプルで、履き心地に最も影響を与えるインソール部分に干渉しないから。「甲で履く」なんて言われることもあるローファーなら特に有効です。

 

②ハーフインソール

さて、インソールを入れるにしてもいきなりフルサイズの中敷きではなく、まずはハーフインソールを試してみることをおすすめします。前半分だけなので履き心地への影響も少なく、何より靴を脱いだ時にパッと見ただけでは変化に気付かれにくいというのは大事ですよね。

 

③内張り

部分的に大きいと感じる箇所には内張りをして厚みを持たせるという手法もあります。私は踵部分にスエードの内張りを行いました。ただし、靴を脱いだ時の見た目には大きく影響するので、そこは覚悟してください。それでも優先すべきは履き心地だと思いますが。

 

以上3点が今回フルインソールを入れるイルモカシーノのローファーにこれまで行った処置で、掲載している商品も実際に使用した物なのでご参考までに。

 

サフィールのアナトミックインソールをレビュー

概要

サフィールのインソールにはいくつかの種類がありますが、今回使用したのは「アナトミックインソール」という製品。アナトミックという名称の通り、人体工学に基づき土踏まずやヒールカップに凹凸も持たせることで、歩行をサポートする機能が付与されています。ビルケンシュトックのサンダルをイメージしてもらえば分かりやすいですかね。

 

ただ、今回これを選んだのはアーチサポーターの効果を期待したわけではなく、一般的なインソールと比べると厚みがあるため、より大きなサイズ調整が可能ではないかと考えたからです。感覚的に靴のサイズでいうと1.0cmぐらいは調整が効いているのではないでしょうか。そして実際に今回の靴はそれぐらいの調整を必要としていました。

 

ちなみにハーフサイズ程度の調整であれば、こちらのようなインソールが良いかと思います。

 

実際にインソール(中敷き)を入れてみる前に、元の状態をご覧いただきましょう。本来のインソールはライトベージュのレザー製。この写真では分かりませんが、うっすらとブランド名が刻印されています。

 

なお、以前から装着していたハーフインソールは取り外しましたが、タンパッドと踵の内張りはそのままにしています。

 

そしてこちらは本製品を入れた現在の状態。いかがでしょうか?サフィールのロゴがプリントされてはいるものの、そんなに違和感はないような気がします。むしろアッパーとの色味のバランスはこちらの方が合っているんじゃないですかね。おそらく今後は飴色に経年変化していくはず。

 

ディテール

ここからはインソール単体で見ていきましょう。

 

表面にはベジタブルタンニン(植物なめし)されたシープレザー(羊革)を使用。柔らかく足馴染みも良好です。また、足の形に沿って踵は沈み込み、逆に中央部は盛り上がっていることが、この写真からでもお分かりいただけるかと思います。

 

さらに特徴的なのが、この土踏まずのアーチサポーター。窪みに合わせて底からグイッと支えてくれています。こうして横から見ると随分とアグレッシブな形をしてますね。でもこれがなかなか心地良い。

 

個人的に感じているこのインソールの最大の利点は、使用を続けるうちに足の形状に沿って沈み込むという点。

 

本革のインソールなら程度の差はあれど沈み込みは起こるものですが、このインソールは一般的な中敷きと比べるとたいぶ厚みがあるので、その分変化も大きくなります。まるでグッドイヤーウェルテッド製法の本革靴の履き心地を疑似体験しているような感じです。

 

裏面には活性炭を配合したラテックスシートを採用。特に期待はしていませんが、防臭消臭効果があるそうです。

 

側面を近くから見ると、いかに厚みがあるのかお分かりいただけるかと思います。体感的に1.0cmのサイズ調整が効くというのも頷けますね。

 

全ての靴におすすめできるわけではない

100%とは言わずともサイズ調整に関しては概ね満足。元々履き心地に優れるというタイプの靴でもなかったので、立体的なアーチサポートの恩恵はしっかりと受けています。懸念していた見た目だってそこまで違和感はないんじゃないですかね。

 

ここに至るまで色々と試してきましたが、もっと早くこれを使えば良かったと軽く後悔してるぐらいです。

 

ただ、どの靴にでもこのインソールがおすすめできるわけではありません。主に以下2つの特徴を持つ靴はちょっと考えた方が良いかもしれません。

 

グッドイヤーウェルテッド製法の靴

本格革靴の代名詞、グッドイヤーウェルテッド製法の靴は履き込むことによってインソールの下に敷き詰められたコルクが沈み込み、所有者の足型に馴染んでいくことがウリの1つです。サフィールのアナトミックインソールはレザーシートの厚みがある故に、多少の沈み込みが起こりますが、グッドイヤーウェルテッド製法のそれとは比べものになりません。

 

この製品に限らず中敷きを入れるということは、その体験を奪ってしまうことになります。

 

②ブランド力のある高級靴

スニーカーと違って革靴の場合、外観だけで他者にブランド性を主張するものではありませんが、靴を脱いだ時にふと覗くインソールのブランドロゴになんとも言い難い愛着を覚えるものです。

 

こんなことを書くとブランド至上主義者と思われるかもしれませんが、もしオールデンやJMウエストンの靴だったら絶対にこのインソールは入れませんよ。なんとなく分かりますよね?(笑)

 

要するに今回の場合、誇示するようなブランドではなく、マッケイ製法の靴だったので、躊躇いは少なかったということですね。

 

まとめ

条件付きですが、サイズが大きくてどうしようもないという革靴にとっての最終手段としては、一考の価値があるかと思います。

 

まぁ、それ以前にちゃんとサイズを合わせましょうね、ということですが・・・。

 

革靴の場合、個人の好みによって多少の差はあれど、ある程度のタイトフィットが基本です。特にこの靴のようなアンラインドのスエードは想像以上に革が伸びます。

 

出来れば今後は、後付けインソールにはお世話になりたくないものですね。

 

今回は以上です。