俳優・谷原章介さんの「ユニクロみたいな安い服」という発言がネットニュースのコメント欄やSNSを賑わせています。所謂「炎上」というやつです。
この発言をされた当の本人、それを聞いた世間の反応。それぞれ思うところはあるのでしょうが、一連の騒動(?)を受けて私なりに感じたことをここに書いてみます。
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事の経緯
詳細についてネットニュースの元記事をご覧いただければと思いますが、ざっくりと要約すると以下の通り。
2月1日、谷原さんがMCを務める朝の情報番組にて。
「生活に困窮している家庭の子ども」についての話題で、谷原さんが「実は子どもたちって、みんなが同じように、例えばユニクロみたいな安い服を着てたりとか、携帯とかも持ってたりするので、貧困が見えなかったりするんですよね」とコメント。
この「ユニクロみたいな安い服」というワードが取り上げられて炎上しているようです。
該当番組を視聴していたわけではないので、その場の雰囲気や話しの流れまでは分かりかねますが、後半の携帯電話のくだりを汲み取ると、谷原さんの真意としてはおそらくこうだろう。
自身の少年時代の衣類といえば、安くて粗悪な服か、高いけどしっかりとした良い服しか選択肢がなく、それぞれの家庭の経済レベルが着ている服の質へ露骨に反映されていた。それに比べて現在はユニクロのようにリーズナブルでそれなりに品質が良い服が溢れているので、身なりだけで困窮家庭であるということを判別(自認)するのは難しくなってきた。
・・・と、まぁ私の推測ではありますが、そう遠くはないんじゃないでしょうか。
個人的に発言全体の趣旨としては理解できるし、なかなか的を射ているなとも思う。ただ「ユニクロみたいな安い服」という表現に関してはいただけません。
もちろん、そこには何らの悪意もないはずですが、谷原さんみたいな成功者があのような言葉を発したら嫌味のように捉えられかねません。また、この番組のスポンサーに名を連ねているかは知りませんが、そもそもテレビ局からしたらユニクロ(ファーストリテイリング)は大口の広告主ではないか。
炎上する程のことかなとは思いつつ、やはり谷原さんの発言は言葉足らずで安易だったかなと。
「イケメン」や「男前」といった表現より「ハンサム」という言葉がしっくりくるスマートなルックス。スタイルが良く、スーツの着こなしもカッコいい。おまけに大の革靴マニアというのも個人的には好感が持てるポイント。本業の方でも確かな演技力があり、谷原さんは好きな俳優の一人です。
一方で以前から失言癖が指摘されていて、今回のように物議を醸したことも初めてのことではありません。
何かと揚げ足を取っては騒ぎたてるような時代なので、MCやコメンテーターとしての資質を問われています。
ユニクロは高い?
谷原さんの「ユニクロみたいな安い服」発言は誤解を招くおそれが十分にあり、一部の視聴者に不快な思いをさせたかもしれません。叩かれるのも分からなくもない。
ただ、それ以上に私が気になったのは世間の反応。もちろん世間といっても声がデカい一部の層のことですが・・・。
特に引っ掛かるのは「ユニクロは高い」という趣旨のコメント。
確かにユニクロは高くなった。ただ、それは人件費・物価高騰の中で仕方ないこと。ユニクロ、ひいてはアパレル業界だけの話ではありません。これらの事情を無視して価格に転換させないことを美徳とする風潮もありますが、それはどう考えても悪手。いずれ破綻します。
そしてユニクロより安いブランド(メーカー)もいくらでもあります。しかし、それらの多くは安いだけの服を作っているブランド。ユニクロを好んで着ている方はただ安いという一点ではなく、着心地であったり、耐久性であったり、時代に左右されないベーシックなデザインに惹かれているからではないでしょうか。そもそも「安かろう悪かろう」のブランドと比べること自体がナンセンス。身体を隠すための布が欲しいだけならユニクロを選ぶ必要は全くないのです。
何をもって高いのかはその人の主観でしか判断できないところですが、時世が異なる数年前のユニクロや安いだけが売りのブランドを比較対象として持ち出してくるのはちょっと違うのかなと。
ユニクロの質が落ちた!?
「ユニクロは高い」以上に違和感を覚えたのは「ユニクロの質が落ちた」という意見。少数ではありますがこのような趣旨のコメントやツイートもいくつか見かけました。
なぜでしょうか。ユニクロに限らず商品の価格が上がるとセットのようにクオリティも下がったと主張する人達が現れがちです。
値上げを控えた結果、質が落ちることならあると思います。その例が2021年にユニクロが発売したカシミヤセーター。あれは確かに生地が薄くなってましたね。価格を据え置くための苦し紛れの手段だったのでしょう。やはり評判は悪く、翌2022年には大幅値上げと共にかつてのクオリティを取り戻していました。
そもそも服の質が落ちたかどうかなんて判別できる人がどれぐらい存在するのでしょうか。前述のカシミヤセーターのように生地が薄くなったみたいに分かりやすいものならともかく、縫製のレベルや生地のグレードが下がったなんてことは余程の落差がない限り一般消費者が感じとることは難しいんじゃないですかね。
なので、ネットでよく見かける「ユニクロの質が落ちた」という声の多くは単なる天邪鬼、若しくは昔のユニクロを過度に美化した懐古主義でしかないと思っています。
まとめ
時事ネタではありますが、ユニクロの価格や品質に関することは以前から感じていたことを書いています。
もちろん私の主観でしかないので、この記事をご覧になった方の中にも異なる意見をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。それで良いと思います。
ただ、別に誰かを批判したり攻撃したいというわけではないので悪しからず。
今回は以上です。