先日、読者の方よりインスタのDMを介して「ビジネスでボタンダウンシャツはありなのか?」という旨のご質問を頂きました。
その方には既にお答えしていますが、面白そうなテーマだったので、より深く入り込んでブログの方でも取り上げてみようと思います。
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頂いていた質問内容
はじめまして。ブログをいつも楽しく拝見させていただいています。1点質問なのですが、仕事でスーツを着る際にボタンダウンのシャツを合わせることについてどのように思われますか?実際に周囲で見かける機会は多いのですが、ボタンダウンはどちらかと言えばカジュアル寄りなシャツなので、個人的には少し違和感があります。だっちさんのご意見をお聞かせいただきたければと思います。
ボタンダウンシャツの生みの親であるブルックスブラザーズではポロカラーシャツと呼んでいることからも分かりますが、そのルーツはポロ競技のプレイヤーが試合中に襟羽がなびかないように先端をボタンで留めたシャツを着ていたことに由来します。そのためご質問者様が仰る通り、ボタンダウンシャツはカジュアル寄りのアイテムという認識で間違いないかと思います。
一方で日本人はボタンダウンシャツが大好きなのか、スーツスタイルを含めて仕事でボタンダウンシャツを着ている人は多数いるので、普通の方であればそこに疑問を持たれることもないのかもしれません。服好きだからこそ気が付く違和感ですね。
私の考えを結論から申し上げると、ビジネスでボタンダウンシャツはありです。ただし、条件はあるので次項でパターン別に解説していきます。
【パターン別】ボタンダウンシャツとの相性
ひとえにビジネススタイルと言っても、今の時代多様な装いがあるので、いくつかのパターンに分けてボタンダウンシャツとの相性を完全主観で語ります。ご参考程度にご覧ください。
また、「あり or なし」の2択で考える話でもないので、以下の4段階で評価していきます。
◎:好相性。積極的に使っていきたい。
〇:普通。他の襟型でも代替え可。
△:イマイチ。個人的には合わせない。
✕:マナー違反。趣味嗜好に関わらずNG。
スーツ(タイドアップ)
相性:△
言うまでもなくスーツはメンズファッションの中でもドレス度の高い装いで、タイドアップしているならなおさらです。なので、あえてカジュアルなボタンダウンシャツを合わせる必要性はありません。しかし、一方でビジネスで着るようなスーツはフォーマル程格式が高いわけではないので、そこまで堅苦しく考えることもないかと思います。場面にもよりますが好きなら着ても大丈夫。余程偏屈な人が周りにいない限り咎められることもないでしょう。
また、例外としてアメトラの要素を強く打ち出したスーツなら評価は◎になります。ブルックスブラザーズとかJプレスがクラシックモデルとして扱っているコテコテのやつです。ボタンダウンシャツはアイビーリーガーに愛用されていたことからアメリカではエリートの象徴として、ビジネスシーンでも好まれて着用されているそうです(転じて嫌味に捉えられることもあるとか・・・)。せっかくアメトラするならシャツはボタンダウンが良いに決まってます。
スーツ(ノーネクタイ)
相性:〇
そもそもスーツでノーネクタイに否定的なのですが、スーツを着てネクタイを締めていない時点で、それはもはやカジュアルといっても過言ではなく、ボタンダウンシャツを合わせてもバランスは悪くないでしょう。襟がきれいに収まるという点でも有力な選択肢の1つとなります。
ジャケパン(タイドアップ)
相性:〇
やはりスーツとジャケパンでは扱いが違います。既にカジュアルな雰囲気が出ているので、タイドアップをするにしてもボタンダウシャツでも全く違和感はありません。ただ、ボタンダウンの利点があるわけでもないので、個人的には優先度はそこまで高くはないですね。
ジャケパン(ノーネクタイ)
相性:◎
私の仕事着として最も多いのがこのパターン。過去記事でも書いた通り、ノーネクタイとボタンダウンシャツの親和性は最強です。襟の収まり具合と胸元の開き方が抜群に安定しています。スーツと違いカジュアルなジャケパンスタイルであれば、なおさら使いやすいですね。選ぶべきシャツの第一候補はボタンダウンシャツだと断言します。
ジャケットなし
相性:◎
シャツ1枚なら襟型の選択肢はかなり広がりますが、それでもボタンダウンシャツが最有力候補であることには変わりません。シンプルな装いだからこそ美しいロールを描くボタンダウンシャツは様になりますね。
フォーマル
相性:✕
写真は用意していませんが、結婚式と葬式の場面で着用するスーツをイメージしてください。ビジネスと違い冠婚葬祭はフォーマルです。カジュアルな要素は完全に排除する必要があります。言わずもがなボタンダウンシャツは着るべきではありません。レギュラーカラーか、せめてスプレッドカラーにしておきましょう。(結婚式でのウィングカラーとかは例外です。)
先日参列した葬式の喪主の方が準礼服(喪服)にオックスフォードのボタンダウンシャツを合わせていました。申し訳ないですが、あれは最悪です。何かしらの事情があったのかもしれませんが式典の格式に関わることなので、そこはちゃんと弁えておくべきだったかと。たかがシャツ、されどシャツです。
イギリス式、イタリア式のスーツとボタンダウンシャツについて
本筋から逸れてしまいますが、ボタンダウンシャツ繋がりということで、この話題にも触れておきましょう。
先にも述べた通り、ボタンダウンシャツはブルックスブラザーズが発明したアメリカを象徴するアイテムの1つです。そのためアメトラ的なスーツやジャケットには抜群の相性を発揮します。
そうなると逆にボタンダウンシャツはアメリカの物なので、イギリス式やイタリア式のスーツ(ジャケット)には合わせるべきではないという意見も稀に見聞きします。服好きは原理主義者が多いですからね。言わんとすることはよく分かります。私だって柔らかいナポリ仕立てのスーツを着て、アメリカンなロングウィングチップの靴を履きたくはないです。
ただ、ボタンダウンシャツはそういった国の枠組みを超えてしまう程にポピュラーな存在だと私は捉えています。同じくアメリカで生まれたTシャツやデニムジーンズと同じように世界的に普及したアイテムです。もうどこの国とか関係ないのです。ターンブル&アッサーもルイジボレッリもボタンダウンシャツは作ってます。
さすがにオックスフォード生地でフルロールのみたいなコテコテのアメリカ仕様だと難しいですが、普通にドレスシャツとして扱われている物であれば、どの系統のスーツやジャケットに合わせても問題と私は考えています。
まとめ
ビジネス使いのボタンダウンシャツの是非について主観たっぷりで述べさせていただきました。
ボタンダウンシャツは好きです。仕事の日は半分ぐらいボタンダウンシャツ着てるんじゃないかと思います。それでも場面による使い分けは必要となるので、少しでもご参考になれば幸いです。
こんな感じで皆さんのご質問にもお答えして、あわよくばブログネタにもしますので、よろしければコメント欄もしくはInstagram(@dacchi_37)のDMにて気軽にご連絡ください。
今回は以上です。