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大阪発の優良ニット。MOONCASTLE(ムーンキャッスル)のカーディガンをレビュー!

寒くなるとジャケットの下に薄手のカーディガンを挟むのが私の定番スタイルです。以前はニットジレを着ていましたが、数年前からカーディガンを使うようになっていました。

 

特に深い意味はありませんが、カーディガンの方が袖がある分だけ暖かいのはもちろん、オフィスではジャケットは脱いでいることが多いので、その際の見た目に違和感がないという点が気に入っています。(ニットジレ1枚だとやや不自然。Vネックだと着脱が面倒。)

 

プライベートではほぼカーディガンは着ないので、専ら仕事用として少しづつ買い足しており、今年も何か1枚追加しようと考えていました。ただ、ベーシックなアイテムだけにどこのブランドも似たような物を扱っていて、逆に悩まされてしまいますね。正直デザインやクオリティに極端な差が生まれる類でもないので。

 

そこで今回は以前から気になっていた国産ニットメーカー・月城が手掛けるオリジナルブランド「MOONCASTLE(ムーンキャッスル)」のカーディガンを手に取ることにしました。ここ最近、ニットはインポートを選びがちでしたが、適正価格でまじめな作りの国産の良さを再認識できる良品です。どうぞご覧ください。

 

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ムーンキャッスルについて

大阪南部の漁師町である岬町に自社工場を構えるニット専業ファクトリー・月城。1966年創業で60年近くの歴史を誇る老舗です。長らくレディースブランドのOEMを事業の中心に据えてきましたが、2020年に3代目となる月城 亮一氏の発案により、メンズのオリジナルブランド「MOONCASTLE(ムーンキャッスル)」の展開が開始します。当然ながらそのネーミングは社名および創業家の英語直訳。かっこいい名前で羨ましい。

 

コロナ禍による取引先からの受注減で窮地に陥る家業を若干26歳で継ぐことになった亮一氏はクラウドファンディングを行い、目標額の1800%(!?)もの金額を集めブランドの立ち上げに繋げたそうです。よくあるファクトリーブランドの1つと認識していましたが、老舗の技術力と経営者の若い感性が融合して生まれたというバックボーンがあったんですね。 

 

「自らが着たいニットを追求したい」と亮一氏が語る通り、デザインは極めてベーシックでありながら、素材や細部の作り込みにこだわったニットは評判を呼び、服好きならその名を聞いたことがある程度には認知度を高めています。       

 

ムーンキャッスルのカーディガンをレビュー

概要

春夏向けだとアイスコットンと称する冷感素材のニット製品(特にニットポロ)が有名で、私が最初にブランドを認知したのもそちらの方でしたが、本品は秋冬の代表格となるメリノウールのニットです。カーディガン以外もクルーネック・モックネック・タートルネック・ニットポロと定番のデザインは全て網羅されています。 

 

ゲージ数はハイゲージニットの中でもボリュームのある12ゲージを採用。薄い生地のカーディガンはシャツの柄(太めのストライプ等)が透けることがあって、厚みがありすぎてもジャケットを着た時にゴワつくので、12ゲージぐらいがちょうどいいですね。

 

ちなみにカーディガンはありませんが、クルーネック・モックネック・タートルネック、そしてプルオーバーベストでは7ゲージのヘヴィウェイトシリーズが展開されています。

 

カラーはネイビー。明るすぎず、暗すぎない普通(?)のネイビーです。カラバリは5色展開とそこまで多くはありません。個人的にはダークブラウンやバーガンディ辺りがあったらそっちを買ってたかも。クルーネックは10色展開なので単にカーディガンの需要が少ないという影響はあるかと思います。 

 

価格はカーディガンとニットポロで14,300円となっていますが、同素材のクルーネック・モックネック・タートルネックは11,500円と非常にこなれています。ハイゲージニットという分野ではユニクロという価格破壊的な例外はありますが、国内外の様々なブランドでニット製品の価格上昇が著しい中、この値付けはとても良心的です。もちろん一定以上のクオリティは担保されていますので、コストパフォーマンスの面でも間違いなく優秀です。 

 

(以前、どこかの記事でも書いていますが、ハイゲージニットに関しては一定以上のクオリティに達すると一般人には差が判別できないというのが持論です。)  

 

ディテール

オーストラリア産メリノウールを使用した12ゲージのニット生地。美しい光沢や滑らかな手触りなどハイゲージならではの魅力を感じられる素材です。一方で適度な厚みがあるので透け感は全くなく、耐久性にも期待できそう。あくまでもデイリーユースなので重要なポイントです。

 

ちなみに洗濯機の弱コースであれば自宅での洗濯も可能だそうです。

 

ブランドタグには「MADE IN JAPAN」ならぬ「MADE IN OSAKA」の文字が確認できます。ニットといえば新潟や山形が有名ですが、大阪の泉州地域も国内有数の産地とのことなので、地元の産業を盛り上げていきたいという意気込みにも感じられます。

 

Vネックのライン幅は太いとカジュアルに、細いと華奢でフェミニンな印象になりますが、このカーディガンでは至って標準的な幅です。あくまでもベーシック。デザインでは主張をしません。   

 

ボタンは高級感のある黒蝶貝。プラスチック製だと一気にチープな感じになってしまうので、天然貝を使用しているのは必須のポイントです。ちなみに価格破壊的と称したユニクロですが、カーディガンに関しては黒蝶貝を模したややチープなプラスチックボタンが使われているので、どうしても選択肢からは除外されます。   

 

リンキングを含めた各箇所の縫製からも職人による確かな仕事を見ることができます。超絶技巧の工芸品とはまた別ですが、実用品としては申し分ないでしょう。一貫生産を行うファクトリーブランドならではの強味ですね。  

 

裾や袖のリブもほどよいフィット感です。   

 

サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体型の私が購入したのはMサイズ。身幅はわずかにゆったりめ、着丈は標準~やや短めといった感じでしょうか。いつものサイズで問題ないかと。

 

Vゾーンの深さも標準的で、シャツと合わせるとちょうどいいバランスです。5つボタンなので、1番下にボタンも留めても良いのかもしれませんが、なんとなく私は外し着ます。   

 

コーディネート

ジャケット:SHIPS(シップス)

カーディガン:MOONCASTLE(ムーンキャッスル)

シャツ:メーカーズシャツ鎌倉

パンツ:BERNARD ZINS(ベルナールザンス)

シューズ:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)

 

冬のビジネススタイル。ノーネクタイの場合、見方によっては寒々しくも感じてしまいますが、カーディガンを挟むことでその懸念も解消されます。それに実際に暖かい。こんな感じでネイビー系のジャケットと合わる予定。  

 

カーディガン:MOONCASTLE(ムーンキャッスル)

ニットポロ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

パンツ:HAND ROOM(ハンドルーム)

シューズ:JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリワヤ)

 

基本的には私服として使うことは考えていませんが、カーディガンを使ったアンサンブルコーデに憧れがあったので、色味が近い手持ちのニットポロと合わせてみました。遠目だと違和感なく良さげですが、近づいたらやっぱりバレます。ネイビーだと同素材のクルーネック・モックネック・タートルネック・ニットポロが用意されているので、最初からセットで揃えるべきですのもありですね。2着買っても余裕を持って3万円に収まるのが最高にありがたい。  

 

まとめ

大阪発のファクトリーブランド・ムーンキャッスルのカーディガンをご紹介しました。

 

数倍の価格で名の知れたインポートのブランドのように、シルエットや生地の色出しの面で特筆すべきポイントはありませんが、ベーシックを極めた抜かりのない優等生という印象を受けました。 間違いなく良い物です。

 

その点だとユニクロでも良いじゃないかという話にもなってきますが、やはり国産であるか否かが大きな違いとなります。一人の服好きとして、日本で作られる製品を応援したいという思いがあるので、そこに価値を見出せるかですね。ユニクロのメリノニットのコスパは驚異的ですが、その背景にはややグレーな部分も見え隠れするので。   

 

製品そのものクオリティと手頃な価格設定はもちろんですが、バックボーンにも魅力を感じられる国産ブランドであることは、今後もムーンキャッスルが選択肢の1つとなり得る理由です。   

 

今回は以上です。