
前回の記事でJ.M.ウエストンのシグニチャーローファーをご紹介しました。その中で載せた写真にも登場していましたが、合わせて純正シューツリーも購入しています。
実は私、純正シューツリーに関してはわざわざ買う必要はないというスタンスなのですが、その方針を覆すことになってしまいました。
今回は「なぜ、純正シューツリーを買わないのか」、そしてそんな私が「なぜ、ウエストンの純正シューツリーを買ったのか」の両面で述べていきます。
【関連記事】
私が純正シューツリーを買わな理由

価格が高い!!
市販のシューツリーもピンキリですが、5,000円ぐらい出せばシダーやブナなどの天然木素材を使用したそれなりの物を手に入れることができます。私が愛用しているスレイプニルのシューキーパーも7,000円程です。
一方で純正シューツリーについてはある程度のブランド料が乗っかっているのか、一気に値段が上がる傾向にあります。参考としてJ.M.ウエストンと価格帯の近いブランドのシューツリーをいくつか例に挙げてみます。
※価格は2025年2月時点
■クロケット&ジョーンズ 24,200円
参考:Crockett&Jones クロケットアンドジョーンズ SHOE TREE シューツリー メンズ メンテナンス |【FRAME】フレーム
■チャーチ 26,400円
参考:ニュートラル シダーウッド シューキーパー | Church's
■パラブーツ 23,100円
参考:SHOE TREE / HOMME – Paraboot
■オールデン 15,400円
参考:SHOE TREE – THE LAKOTA HOUSE
ブランドによってバラつきはあるものの、概ね革靴本体の1/5程度の価格設定がなされているようですね。妙に良心的なオールデンは例外ですが。
確かにブランドネームの入ったシューツリーは靴箱に並べた際に様になり、気分も上がりますが、性能として5,000円の物と差があるのかと言われれば、そこまでの違いはないでしょう。価格高騰が著しい中、革靴自体を買うので精一杯の身分としては、かっこいいだけで高価な純正シューツリーに手を出せる余力はありません。
必ずしも木型に合っていてるわけではない
とはいえ見た目以外でも利点があれば純正の価値もあります。例えば木型毎に専用のシューツリーが用意されているのであれば純正ならではのメリットとなるでしょう。
しかし、残念ながら先程例に挙げたブランドはいずれも全モデルに対応する汎用品となります。ブランドによって多少の傾向はあるものの、モデルが異なれば木型は全くの別物ということも珍しくありません。私が所有しているクロケット&ジョーンズのキャベンディッシュ3(375ラスト)とモールトン(292ラスト)では踵の形状が全然違います。それならば数ある市販品の中から形に合う物を見つけ出した方が靴にとっても良いはずです。
もちろん特定の木型専用のシューツリーを用意しているブランドもありますが、それも一部の人気モデルに限定されていたり、価格がさらに割高なケースが見られます。どこのブランドも数多くの木型を扱っているので、それぞれ個別に対応するのもコストや在庫の面からしても難しいのでしょう。
J.M.ウエストンのシューツリーを買った理由

意外とリーズナブル!?
J.M.ウエストンの純正シューツリーは現時点で20,900円となっています。もちろん安くはありません。そこそこのスニーカーが買えちゃう値段です。とはいえ最低でも15万円~というJ.M.ウエストンからすれば、革靴本体の1/8程度となり、先程例で挙げたブランドよりはリーズナブルなように感じます。
客観的に見て2万円のシューツリーが高いことには違いませんが、相対的に比べたらという話です。少なくともJ.M.ウエストンより価格帯が下がるクロケット&ジョーンズやパラブーツの純正シューツリーはもっと高いですからね。
木型に適応した複数展開
価格以上にJ.M.ウエストンの純正シューツリーに感じる利点は、いくつかのバリエーションがあり、可能な限り木型に合った形状が用意されていることです。種類はおそらく全4型。シグニチャーローファーとゴルフが同じシューツリーであるように、木型が類似しているモデルは共用となっています。それでも1つのシューツリーで全モデルをカバーしようとするブランドが多い中、選択肢がある時点で大きなメリットだと感じます。
また、レングス(縦)だけではなく、ウィズ(横)からも選ぶことができて、緻密なフィッティングを売りとするJ.M.ウエストンらしく、シューツリーも1つのレングスサイズに対して横幅の異なるM・Lの2種類が用意されています。例えばの話ですが6.0Dなら6L、6.0Cなら6Mといった具合です。実際のところM・Lの使い分けはモデルによっても異なると思いますが、オンラインショップでもレングスとウィズを指定すると適したサイズが自動的に選ばれるので、そこで頭を悩ませることもありません。
直営店なら個体差まで考慮
ただ、シューツリーも可能な限り直営店で靴と一緒に購入した方が良いでしょう。靴にしろシューツリーにしろ大部分を手作業により作られているので、どうしても個体差が生じてしまいます。大方このレングスとウィズならシューツリーはこのサイズと機械的に決めても問題はないのでしょうが、稀にその基準と合わない場合があるそうです。
そこで直営店の場合はしっかりと実物に合わせてみた上で、適正なシューツリーをあてがってくれます。必要に応じて部分的にやすりで削り形を整え、場合によっては左右で違うサイズ表記のシューツリーを合わせたりすることもあるそうです。
足だけではなく、シューツリーに対してまでこれほど丹念にフィッティングを行う既製靴ブランドもそうそうないでしょう。
J.M.ウエストンのシューツリーをレビュー

「041」型の純正シューツリー。その数字が示す通り「180 シグ二チャーローファー 」で採用されている41ラストをモデルにしたシューツリーです。「641 ゴルフ」にも対応しているものの元ラストが異なるので、やはりシグ二チャーローファーが最も適しているかと思われます。また、数年前にリニューアルがあったようで、素材はニス塗装から無垢に、形状はスプリット型から一体型に変更となっています。
靴のサイズは5.0Cで、シューツリーは左右共に5Mを合わせてもらいました。レングスの方は1.0刻みとなります。シューツリーの方に若干の個体差があったようで、右足の小指に位置する箇所を少しだけ削ったとのこと。
ちなみにサイズ表記のM・Lについて、表す意味は「Medium・Large」説と「Mens・Ladies」説があります。S表記がないので後者の方が説得力がありそうですが、同じシグニチャーローファーでもDウィズやEウィズを購入した方がL表記のシューツリーを使っている様子も確認できるので、個人的には普通にMedium・Largeの意味なのかなと思っています。まぁ、同じサイズのM・Lを並べてみないとそこは分からないですね。

素材はシナノキを使用。木材の良し悪しを判別する審美眼は持ち合わせていませんが、滑らかな手触りと美しい木目からは素朴な上品さを感じられます。無垢素材なので吸湿性にも期待きそうです。

横から見ると分かりやすいのですが、捨て寸がほとんどないシグニチャーローファーやゴルフに合わせて爪先が垂直に落ちるような形状となっています。

ブランドネームは旧モデルでは高級感のある金属プレートでしたが、現行ではシンプルな焼き印が施されています。

裏側にはモデル名(041)とサイズ(5・M)の表記がされています。そしてシューツリーもちゃんとフランス製なんですね。私が調べる限りスロベニア製の物もあるみたいですが、製造時期の違いでしょうか?

右足にのみこのようなロゴマークが焼き印されています。「管理された森林から生産された木材」の意味なので、環境に配慮してますよということなのでしょう。

実際に靴に入れてみるとこんな感じ。隙間が生まれるようなことはなく、逆にシューツリーの形がアッパーから浮き出るようなこともなく、本来のフォルムを維持するためにはほぼ理想的なフィッテイングかと思います。さすがですね。
まとめ
たかがシューツリー、されどシューツリー。まさかこんなボリュームで記事が書けるとは思っていませんでした。
2万円は決して安い買い物ではありませんので、躊躇うのもよく理解できますが、J.M.ウエストンに関してはその額を出す価値はあります。(そうじゃないブランドもたくさんありますが・・・笑)
もちろん後からネットで購入することもできますが、フィッテイングが一筋縄にはいかないので、やはり革靴本体と一緒に直営店の方に選んでもらうのが間違いありません。後々後悔しないようセット購入することをおすすめします。
今回は以上です。