
今年2月にネイビージャケットと合わせてファイブワンでオーダーしたリネンパンツをご紹介します。
春夏に適したパンツの素材といえばコットンがまず先に挙がりますが、汗ばむ季節になるとコットンの生地はベッタリと肌にひっつき不快に感じる場面もあります。その点、秋冬のイメージが強いウールはフレスコやトロピカルのような春夏生地だとさらりとして肌離れもよく意外と快適。ただ、ウールだとカッチリした雰囲気が強くなるので、もう少しカジュアルでリラックス感を出したいとなれば・・・やっぱりリネンです。
既成品だと選択肢も限られるので、今回はオーダーすることにしましたが、パンツ単体のオーダーは何気に初めてで、生地の選定とシルエットの調整にもこだわりました。その甲斐あってなかなか良い物が完成しましたので、どうぞご覧ください。
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ファイブワンのリネンスラックスをレビュー
概要

コンセプトは「真夏に映えるエレガンス」。リネン特有の光沢と風合いを活かした優雅なスラックスを目指しました。
生地には英国 HARRISONS(ハリソンズ)のがっしりとしたリネンを使用。目付は350g/mと一般的な春夏生地としては重めですが、これぐらいのウェイトがあった方が歩いた際にしなやかなドレープが生まれて、シルエットもきれいに出ます。
色味はやや明るめで赤みが強めのブラウン。茶色は秋冬のイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、これぐらいのトーンだとは夏の強い日差しによく映えます。

ジャケット同様にファイブワンではパンツにもいくつかのハウスモデルが用意されていますが、その中でも最も股上の深いモデルを採用しました。裾幅やテーパードの具合は調整が効くので、各モデルの違いは股上の深さのみになるようです。
今回は裾幅を21cmに設定。過去にスーツをオーダーした際には19cmを指定していましたが、生地の特性と目指す方向性を考えるとやや太めでストレートに近いシルエットが良いだろうと考え、そしてそれは大正解でした。
クラシカルなジャケットはもちろん、適度にゆとりのあるトップスと合わせてリラックス感がありつつ上品な装いを組む際には活躍しそうです。
リネンパンツなので一応言及しておきますが、硬い質感の生地のため深めの穿きシワは必ず残ります。それでも都度アイロンを掛けて、朝整った状態から夕方には表情豊かに変化する様子も楽しめればと思います。それがリネンスラックスの嗜みでしょう。
ディテール

英国を代表するマーチャント HARRISONS(ハリソンズ)の「MERSOLAIR (メルソレア)」と銘打ったコレクションのアイリッシュリネン100%の生地。メルソレアは「MER=ビーチ」「SOL=太陽」「AIR=空気」からなる造語だそうで、その言葉から連想する通り、リゾートを意識した生地が揃います。
目付は350g/mと重めでがっしりとしていますが、ごわつきはなく手触りは滑らかで、表面に浮かぶネップも目立たないことから、自然味溢れる素朴なリネン生地とはまた違った品の良さを感じさせられます。きれいな発色や美しい光沢も上質なアイリッシュリネンならではですね。

タックは1プリーツと迷いましたが、適度にゆとりのあるシルエットなので2プリーツを採用しました。感覚的に裾幅20cmを基準として、それ未満だと1プリーツ、以上だと2プリーツの方がバランスが取れているような気がします。サイドアジャスターや長めの持ち出し、1本だけ配されたループなどのディテールは私好みの仕様です。

オーダーなのでボタンフライを選びこともできるのでしょうが、ここは実用的にジッパーを選びます。斜めに大きくせり出た天狗鼻のフィット感も良好です。

ボタンは本水牛ではなく、リネンの風合いに合うようにナットボタンを採用。

裏側は指定箇所ではありませんでしたが、このようになっています。

キュプラ製の裏地は脛の辺りまで伸びており、一般的な仕様と比べるとだいぶ長めです。

ヒップボタンはオーソドックスな両玉縁。ウエスト中央には閂(かんぬき)で補強されたVスリットが入ります。

裾処理はいつもの4.5cmダブル。裾幅が広めなので5.0cmでも良さそうですね。
サイズ感とシルエット

裾幅は21.0cmとやや広めですが、張りの強い生地でクリースが強く効いているため意外とすっきりと見えます。今回こだわったのは膝から下のライン。テーパードをあまりかけたくはなかったので、膝幅と裾幅の差寸を3.0cmに留めています。お手持ちのスラックスを測ってもらえれば分かりますが、膝幅と裾幅の差寸は4.0~5.0cm程度の物が多いかと思います。テーパード強めのパンツだともっと数値が大きいかもしませんね。一方で差寸が2.0cmとかになると今度はモードっぽい(ファッションっぽい)雰囲気が出てくるので、モダンクラシックの範疇でストレートシルエットに近づけるのであれば差寸3.0cmは黄金比かと思っています。
・・・と、まぁ細かい話なんですけどこれを店長さんとあーだーこーだ言いながら割と時間をかけて決めました。膝下のシルエットって好みが分かれますし、全体の印象も大きく左右するのです。それだけに細かい調整の効くオーダーを選んだ甲斐がありました。

横から見たらこんな感じ。正面から見たときよりは太さを感じて、また膝から裾にかけてほとんど絞られずにストンと落ちる様子も分かりやすいですね。

ここ最近、どうも既製品だとお尻周りがきれいにフィットしないことが多い気がしますが、きっちり調整してもらっているので、満足のいく仕上がりです。
コーディネート

ジャケット:FIVE ONE(ファイブワン)
ポロシャツ:LACOSTE(ラコステ)
パンツ:FIVE ONE(ファイブワン)
一緒にオーダーしたものの、このジャケットと合わせることは重視していませんでしたが、想像以上に良いですね。いわゆる「アズーロ・エ・マローネ」なので当然相性は良いのですが、加えて色の調子もよく合っているのでしょうね。

ジャケット:FIVE ONE(ファイブワン)
シャツ:HITOYOSHI(人吉シャツ)
パンツ:FIVE ONE(ファイブワン)
シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
リネン混のジャケットとリネンシャツを取り入れた装い。さすがに真夏は厳しいですが、今ぐらいの季節だとこういう組み合わせも楽しめます。

シャツ:Maria Santangelo(マリアサンタンジェロ)
パンツ:FIVE ONE(ファイブワン)
シューズ:L/UCCA(ルッカ)
ジャケットスタイルも良いですが、このパンツは夏本番にもっとシンプルなコーデで真価を発揮することを期待しています。涼しげでリラックス感があるのにエレガンス。まさに狙い通りです。
まとめ
ファイブワンでオーダーしたリネンスラックスをご紹介しました。大満足の出来ですね。度合で言えば同時にオーダーしたジャケット以上。
今までスーツをオーダーする際の下組はそこまで気にかけることもなく、細かい調整はほぼノータッチでしたが、最近は店頭に並ぶ既製品を見てもイメージするシルエットと上手く合致しないことが多いので、今後もパンツの単品オーダーは検討していきたいところです。
ちなみにオーダー価格は66,000円でした。最近はリネンも高いですから、これぐらいはするでしょうね。
今回は以上です。