
「夏はリネン」
当ブログでも事あるごとにそう述べてきましたが、ことビジネスの場においては事情が異なります。リネン特有の風合いやシワはリラックス感があって魅力的ですが、それらの特徴はカジュアルな要素が強く、必ずしもビジネスに向いているわけではありません。もちろん職場によってはOKな場合もあるかと思いますが、個人的には少し躊躇いを感じてしまいます。
一方でオーソドックスなコットン100%のシャツだと吸水性には優れるものの、それが仇となって汗ばむ季節にはベタっと肌に張り付いて不快に感じてしまいます。そして何より通年素材は服好きとして面白味に欠けます。
そこでおすすめなのがコットンリネン。名前の通りコットンとリネンをブレンドした素材で、仕事用であればリネン比率は30%以下が使いやすいでしょう。
いつもの鎌倉シャツで2着オーダーしましたので、完成したシャツをご紹介しながらコットンリネンシャツの有用性をお伝えできればと思います。どうぞご覧ください。
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1着目:サックスブルー

1着目は爽やかなサックスブルー。混合比率はコットン88%リネン12%です。リネンの比率はそこまで高くはありませんが、リネン特有のネップなどが確認することができ、ややざらついた肌触りはコットン100%の生地とは明らかな違いを感じられます。特別涼しいというわけではありませんが、肌離れが良くなるというだけでも着心地は向上します。それに見た目の清涼感はコットンだけのシャツではなかなか出せません。
また、リネンがブレンドされることで生地に張り感が生まれ、光沢も増しているように感じます。少量ではあるもののリネンは確かな存在感を放っていますね。
こちらの生地は鎌倉シャツのオリジナルファブリックで、オーダー価格は13,200円。同素材の既成品は8,960円と非常にリーズナブル。

時期的にタイドアップでの着用は想定していませんので、襟型は潔くボタンダウンを選びました。表前立て・胸ポケットなしはいつもの仕様です。

オーダーなのでボタンの種類も選ぶことはできますが、生地ごとにおすすめのボタンが決められているので、いつもその通りにしています。適度な厚みのある白蝶貝ですね。

細かいところですが、ブランドタグが変更になっているようです。少し前までは画像上のようにオーダー専用タグでしたが、既成品と共用に変わっていました。縫い付け方だけは違うようですが。

着用イメージはこんな感じ。シャツと同じくリネン混(コットン・リネン・シルク)のジャケットと合わせてみました。画面越しでは伝わりにくいところですが、ジャケットとシャツの素材感がマッチして、より軽快な雰囲気が出ています。
2着目:ブラウンストライプ

2着目はブラウンのストライプ。1着目の色柄違いとなります。ストライプのピッチが5mmとかなり太めな線であるものの、リネンの染料が入りにくいという特色のせいか、少しぼやけたような発色となり、存在感のあるワイドストライプもやや控えめで柔らかい印象となります。

襟型は1着目同様にボタンダウンでも良かったのですが、個性の強いブラウンストライプだったので、装飾性の少ないフランチェーゼ(スプレッドカラー)を選んでいます。ワンピースカラーという選択肢も考えましたが、イタリアの伊達男感が出すぎて私のキャラとは合わないかなと思った次第です。ビジネスでワンピースカラーを否定するというわけではなく、この生地だとtoo muchだということ。

ボタンは1着目同様にデフォルトの白蝶貝となります。

合わせ方としてはやはりブラウン・ベージュ系のジャケットやパンツとなるでしょうか。これからの季節は流石にジャケットは羽織らないと思いますが、シンプルなシャツスタイルでもこの生地なら十分に映えそうですね。また、リネン混により張り感のある生地となっているので、ノータイの首元も襟がきれいに開きます。
シワは大丈夫?

洗いざらし状態のコットンリネンシャツ
冒頭でも述べた通り、リネンシャツはビジネスにはあまり適していないというのが私の考えです。その理由はやはりあのシワ。カジュアルだと「味わい」として肯定的に捉えますが、ビジネスの場においてはシワは少ないに越したことはないでしょう。
ならばコットンリネンのシャツならどうなのか。一日着用した後の様子を写真で残しておけばよかったのですが、この記事を執筆中の今は手元にないので、代わりに洗濯乾燥後の洗いざらし状態の写真を載せておきます。
どうでしょうか?意外とシワがの残っていませんね。これならコットン100%のシャツとほぼ変わらないかと思います。純粋なリネンシャツはこんなものじゃないですからね。実際に着用の中で生じるシワも一般的なコットンシャツと比べても気持ち多いかな程度で、そこまでの違いは感じませんでした。もっともリネンの比率が高くなれば話は変わってくるかもしれませんが。
また、リネンはシワができやすい反面、アイロンでシワが伸ばしやすいという特徴を持っているのですが、それに関しては一定の効果があるようで、所有している数多くのコットン製ドレスシャツよりアイロン掛けはラクな印象。
リネンと聞くと警戒する方もいらっしゃるかもしれませんが、実のところ結構扱いやすい素材なんですよ。
まとめ
鎌倉シャツでオーダーしたコットンリネンシャツをご紹介しました。実は私もビジネス向けとしてのリネン混は初めてだったのですが、その有用性に感銘を受けました。
秋冬のカシミヤ混やフランネル生地同様に、ドレスシャツで春夏の季節感を楽しむ素材としてコットンリネンを推していこうと思います。
話は変わりますが、今年はリネンの原価高騰が凄まじいようで、それに伴いリネン製品はどうして価格が上がってしまうため、代わりにコットンリネンを多く入荷しているという話を馴染みのショップ店員さんから伺いました。確かにシャツに限らずパンツなんかもコットンリネンをよく見かけるような気がします。
そういった裏事情はさておき、コットンリネンはリネンの魅力を活かしつつ、コットンならではの扱いやすさや上品な風合いを備えた生地なので、この機に一度体感してみてはいかがでしょうか。
今回は以上です。