
梅雨が明けたのかは知りませんが、各地では6月半ばから早くも気温は35℃超え連発で、気分的にはもう完全に夏モード。
ジャケットの類は羽織らずに、トップスには涼し気なリネンシャツや鹿の子ポロシャツを持ってきます。私はほとんど着ませんがカジュアル派の方であればTシャツが第一候補になるのでしょう。
一方で悩ましいのはボトムス、つまりパンツです。気温に応じてアウターやトップスには気を使うものの、ことパンツとなれば季節感なく春先と同じような物を穿いているという方は多いのではないでしょうか。特に30代以上の男性はその傾向が強いような気がします。
今回の記事では「夏に穿くパンツがない問題」を掘り下げつつ、私なりの最適解をご紹介していきます。どうぞご覧ください。
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大人男子、夏に穿くパンツがない問題
ビジネスの場合はむしろ悩まない
大前提として「夏に穿くパンツがない問題」はカジュアルシーンに限定するとお考えください。私服と変わらないレベルのビジネスカジュアルを推し進めている職場ならいざ知らず、スーツ若しくはジャケパン程度のドレスコードがあるのなら、クールビス期間に穿くパンツはスラックスになるかと思います。そして選ぶべき素材は夏でもウールです。

サマーウールのスラックス
ウールと聞くと秋冬のイメージが強く、直感に反するかもしれませんが、天然繊維の中でも吸湿性と放湿性が高い素材となるため、コットンやポリエステルなどと比べても蒸し暑い夏でも快適に穿くことが可能です。もちろん加工(織り方)には工夫が必要ですが、薄手でさらりした肌触りのトロピカルや、太い糸でざっくりと織りザラついた質感のフレスコであれば酷暑にもなんとか耐えられるでしょう。(個人的にはフレスコが特におすすめ。)
また、ウールは抗菌・防臭性にも優れた素材となるので、なにかと匂いが気になる季節には心強いですね。夏といえど頻繁にクリーニングに出すわけにはいきませんから。
問題はカジュアル
ビジネスに関してはサマーウールのスラックス一択でOKです。そのバリエーションを増やしていけば特に困ることはないでしょう。問題はカジュアルですよ。

暑さには勝てないカジュアルの定番パンツ達
男性が休日に穿くカジュアルパンツを思い浮かべてみてください。デニムジーンズ、チノパン、カーゴパンツ、ベイカーパンツ・・・うん、考えただけでも暑そうですね。どうしてもメンズカジュアルはワークやミリタリーを出自としているアイテムが多いので、全体的にガッシリとした暑苦しい作りになってしまいます。もちろん春夏用に生地を薄手にしている場合もあるのでしょうが、それでも限度というものがあります。
個人的にはビジネス用として挙げたサマーウールのスラックスを休日に使い回して全く問題ないと思っていて、実際にそうするケースも度々あるのですが、やはりもう少し肩肘張らずにリラックスした装いをしたい日もあります。だから真夏を快適に過ごせる休日用のパンツも必要ですね。
短パンを穿くのか、穿けないのか
では休日カジュアルシーンで大人男子はどのようなパンツを穿くべきか。それは短パン(ショーツ)を穿くのか、穿けないのかによって分かれます。ちなみに私は穿けない方の人間です。短パンを穿けるという方はそれで問題はある程度解決します。
短パンは子供っぽいからNGという意見も見聞きしますが、個人的には一概にダメとは思いません。最近はクリース入りでドレス顔の短パンも増えていますので、そういう物であれば合わせ方次第で全然ありかなと考えています。丈感やシルエットにも気を使わなければならないので、難しいアイテムではあることには違いありませんが、お洒落な大人は上手く取り入れています。

絶対似合わないやつ
ただ、そう思いつつも私は短パンを穿けません。色白で足も細く、それでいてムダ毛はそれなりに濃いので圧倒的に似合わないのです。海辺やリゾート地ならともかく、私のようなタイプが街着として短パンを穿くには説得力に欠けます。要するにキャラじゃない。自意識過剰かもしれませんがあながち間違ってはいないでしょう。
若い方ならともかく、ある程度年齢を重ねてくると似合う・似合わないの差が顕著に現れるのが短パンというアイテムです。私と同じように短パンに挑戦してみようと思いつつも踏み出せない方も多いかもしれませんね。
夏に”適していない”素材とは?
短パンが選択肢から外れるとなれば、真夏でもフルレングスのパンツ(言わずもがな中途半端な七分丈が一番危険)から選ぶしかありません。それならせめて素材を工夫したいところですが、先にも述べた通りメンズカジュアルの定番とされる生地は夏に”適していない”素材が多いのです。その例を改めて確認してみましょう。
■デニム
メンズカジュアルの王様であるデニムはパンツで使われる場合12~14オンスあたりが一般的で、ヘビーウエイトとされるカットソーが6〜7オンス程度なので、その倍以上の厚みがあります。さらに厚みがあるだけではなく、水分を吸収しやすいコットンの特性から多くの汗をかくとさらに蒸れてしまうことになります。夏に重宝されるホワイデニムも結局は糸の染め方が異なるだけで構造自体は同じなので、見た目は爽やかでも暑さに弱いことには変わらないでしょう。
チノパンでお馴染みのチノクロス。デニム程ではないにしろ、やはり厚手のコットン生地が使われているので真夏には厳しそう。また、チノクロスはデニムと比べると表面の凹凸が少なくつるっとした質感となっているので、それが仇となり汗をかくと肌離れが悪く、より不快に感じるかもしれません。
■ポリエステル(化学繊維全般)
ユニクロの感動パンツ然り、ポリエステルをはじめとした化学繊維全般はひんやりとした接触冷感性があり、速乾性にも優れていることから夏に適した素材として扱われることが多いですが、残念ながら吸湿性が低い(=汗を吸わない)ため根本的な解決には至りません。それに繊維間に汗の成分が残りやすく、雑菌が繁殖して独特な匂いを発生させる原因にもなります。今の時代化学繊維も進化しているので全部が全部ダメということはありませんが、傾向としては大手を振って夏に適した素材と言うことは難しいでしょう。
・・・じゃあ、何を穿けばいいんだって話です。
結局、パンツも「夏はリネン」

案の定・・・
当ブログの読者の方であれば予測がついていたかと思いますが、夏パンツの推し素材はリネンです。リネンが夏に適している理由はいくつもあるので、箇条書きで列挙していきましょう。
- 一本一本の繊維が太く、織った際に繊維同士に隙間が生まれて通気性に優れる。
- 上記の理由で表面に凹凸が生まれやすく、汗をかいても肌離れが良くなる。
- 繊維の中が空洞に近い構造で空気を含みやすく熱伝導率が高いため、生地が肌に触れた際に熱を逃がしてひんやりと感じる。
- 自重の約20%の水分を吸収することができる。コットンは10%程度なので吸湿性は概ね2倍。
- 一方で繊維中の空洞が多いため、水分を吸収してもそれを繊維の内部に保持する力は低く、速乾性は極めて高い。
- 独特のシャリ感や透け感は見た目の上でも涼しげ。
- 深いシワがつきやすく、くたっとした生地の質感からはリラックスした雰囲気を感じる。
パッと思いついただけでもこれだけのメリットを書き出せます。強いて言えばシワのできやすさは、人によってはデメリットになるのかもしれませんが、それを味わいとして受け入れられる器量があればリネンほど夏に適した素材はないでしょう。(シワに抵抗があるのならコットンリネンという選択肢もあり。)
そんなリネンを使ったパンツも様々な種類が各ブランドで取り扱われていますのでの、お好みの物を選んでもらえれば良いのですが、個人的に特におすすめなのはスラックスタイプになります。

ポロシャツとサンダルにリネンスラックスを合わせた例
どうしても夏の装いはトップスやシューズがカジュアルになりがちなので、できるだけドレス度の高いパンツを合わせてバランスを取るのが大人の正攻法です。とはいえビジネスでも使えるようなウールのスラックスだと肩の力が抜けた他のアイテムと調和を取りにくいので、柔和な雰囲気で少しだけ隙のあるリネンぐらいがちょうどいい。
また、シルエットに関しては気持ち太めぐらいが良いでしょう。リネンが夏でも心地よい生地とはいえ、脚にピタッと張り付くようなスリムパンツだと汗をかくと不快に感じてしまうかもしれません。それに太腿や裾周りに適度なゆとりがあることでドレープが生まれ、リネンの素材感を存分に楽しむことができます。同じスラックスでもウールやコットンよりややゆったりしている物を選んでみてください。
まとめ
もはや案の定の結論でしたが、当ブログ的な大人男子が夏に穿くべきパンツはリネン、特にスラックスタイプがおすすめとさせていただきます。
今年も夏も記録的な猛暑になるのではと予測されています。重ね着で対応できる冬の寒さと違い、夏の暑さに服装で対抗する術は限られていますが、最強の夏素材・リネンを上手く活用して少しでも苦手な季節を楽しみたいものです。
今回は以上です。