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傷も染みも「味」となる。GANZO(ガンゾ)のコードバン長財布をレビュー!

キャッシュレス時代に突入した今となっては以前ほど重要視されなくなってきているのかもしれませんが、ファッションに限らずモノ好きの男性であれば、なんらかのこだわりを持っているであろう財布。ブログを初めて4年半経過しましたが、そういえば財布を取り上げたことはなかったですね。

 

今回はかれこれ7~8年程愛用しているGANZO(ガンゾ)コードバン長財布をご紹介します。

 

「革の宝石」と称されるコードバンは美しい光沢を持つ反面、水分などに弱く扱いづらい素材と知られていますが、私は結構雑に扱ってきました。そのため傷やシミも残っていますが、日々持ち歩いているとそれも愛おしく感じるものです。ではどうぞご覧ください。


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ガンゾについて

1917年に味岡順太郎商店(現AJIOKA)として東京・日本橋にて皮革小物類の製造卸販売業を開業。他社のOEM事業に加えて1970年代からはいくつかの自社ブランドを手掛け、1999年に満を持して最高級のメンズ革製品を扱う「GANZO(ガンゾ)」を立ち上げました。

 

ブランドを立ち上げた味岡 儀郎氏は創業家の生まれでありながら、元イタリアンシェフという異色の経歴の持ち主で、「GANZO」のネーミングもフィレンツェ地方の方言で「いいね!」というニュアンスのスラングに由来しているとのこと。

 

全てのガンゾ製品は厳選された素材を使い、国内の熟練した職人の手作業により作られています。デザインは質実剛健そのもので、メゾンブランドのような華やかさはありませんが、だからこそ革質や作りの良さが際立っており、本物志向の大人達からの支持を集め、日本を代表するレザーブランドの1つと広く認識されるようになっています。

 

2008年には初となる旗艦店を表参道にオープンさせ、その後は銀座・六本木・大阪(心斎橋)にも店舗を構えています。大都市圏以外でも全国の主要百貨店でガンゾの財布や鞄は取り扱われているので、実物を手に触れられる機会も多いのではないでしょうか。

 

ガンゾのコードバン長財布をレビュー

概要

ブランドの看板製品とも言えるコードバンの長財布。購入したのは7~8年前にはなりますが、おそらく現行モデルでも仕様は変わってはいないものと思われます。

 

素材には純国産のコードバンを使用。鞣しを姫路の老舗タンナー「新喜皮革」で行い、コードバン専門のフィニッシャーである「レーデルオガワ」にてアリニン染め(水染め)とオイルアップが施されています。新品時はザラっとした手触りでマットな質感でしたが、使い込むことによって美しい光沢を纏うコードバンらしい表情に変化してきました。

 

余計な装飾を削ぎとした極めてシンプルなデザイン。一方で多くのカード収納と小銭入れを備えており機能面でも申し分ありません。個人的な趣味になりますが、財布は2つ折りやラウンドジップではなくかぶせ蓋に限りますね。

 

購入当時の価格は5万円前後だったと記憶していますが、さすがにこのご時世なので値上げは避けられず、現在は75,900円となっています。ただ、毎日触れているからこそ分かるのですが、革そのものにしても縫製にしても非常に耐久性が高く、長い年月をかけて味わい深い経年変化を楽しめるアイテムとなっているので、それだけの価値は十分にあるはず。

 

ちなみにガンゾにはアメリカ・ホーウィン社シェルコードバンを採用したシリーズもあるのですが、そちらは似たような長財布で22万円もします。新喜皮革のコードバンとはまた違った野性味のある風合いは魅力的ではありますが、値段が値段なのでひとまずコードバンの財布を所有したいということであれば、私のように国産モデルがいいんじゃないでしょうか。

 

ディテール

顔料を使わない水染めならではの透き通った質感が特徴のコードバン。カーフとは全く異なる光沢を纏いますが、一切嫌味のないナチュラルな輝きで何気ない日常にも違和感なく馴染みます。

 

一方で特別に気を使っているわけでないので、所々に小傷や水ぶくれなども見られますが、それも「味」として捉えることができるのも素朴な雰囲気のあるガンゾならではかと。以前カルティエの財布を使っていた際には傷や汚れに一喜一憂していましたが、財布との距離感は今ぐらいがちょうどいいですね。

 

カード入れは両側に4つずつ。染みと汚れはご愛嬌。

 

内側は上質な国産牛ヌメ革となっており、外側とコントラストが生まれてコードバンの質感を際立たせています。購入時は薄い肌色で、年々色味は濃くなってきていますが、使用年数を考えると思ったほど経年変化は進んでいません。毎日持ち歩いているとはいえ、私自身完全にキャッシュレスに移行していて、ここ数年はめっきり財布を開く頻度が減っていることが影響していそうです。

 

公式サイトに載っているサンプルのような飴色に変化するにはまだまだ時間がかかりそうですが、いまだに楽しみが残っているということで前向きに捉えておきましょう。

 

右上にはブランドロゴが刻印されています。意匠と呼べる箇所もここぐらいですかね。

 

同型で小銭入れが省かれたモデルも用意されていますが、別にコインケースを持ち歩くのも億劫なので私の財布選びでは小銭入れの存在は絶対条件です。ただ、小銭入れ自体はカジュアルな要素となるのであまり悪目立ちしない方が望ましい。そんな要望を叶えてくれるように小銭入れのファスナー部分が内側に隠れるように取り付けられており、タブにも内張りと同じ牛ヌメ革が使われています。

 

小銭入れの両サイドも札入れとして使える大型収納となっており、さらに背面にはカード入れが2つ付いています。これらの収納を全部使うと結構な厚みとなってしますのでおすすめしませんが、好みに応じた使い方ができるのは利点になるかと思います。

 

コバは切り目本磨きで丁寧に仕上げられており隙はありません。購入時はもう少し強い赤色でしたが、いい具合に褪せてきました。

 

乱れのない美しいステッチ。長年使用していても解れなどは全く見られず、高いレベルの職人仕事を実感できます。

 

コードバンのメンテナンスについて

「革の宝石」とも呼ばれるコードバンは革好きからしたらある種の憧れのようなものかもしれませんが、そのハードルとなっているのは価格だけではなく取り扱いの難しさにもあるのではないでしょうか。ネットの情報を見ているとなんとなく構えちゃいますよね。

 

私自身、コードバン製品はこの長財布しか持ってませんが、その経験だけで言えることは「特別扱いは不要」ということです。

 

まず日常のメンテナンスは乾拭きだけで十分です。コードバンにとって油分は大切な栄養となりますが、毎日手で触れる財布なので基本的には人間由来のオイル(?)で間に合います。

 

一応コードバン専用のクリーム(無色)も持っていますが、極稀に思い出した時に使っているだけなので頻度は年1回程度かもしれません。購入時にノベルティとして付いてきた試供品をいまだに使っているぐらいなので。

 

水没直後の水ぶくれ

コードバン最大の弱点といえば水分です。革靴だと雨天時の着用は厳禁とよく聞きますね。財布の場合そこまで水に濡れるシチュエーションもないかと思いますが、私はズボラなので、仕事用の鞄の中で水筒からお茶が漏れて定期的に水没させてしまいます。そうすると上画像のように水ぶくれが生じるのです。

 

正しい水ぶくれの対処方

参照:コードバン磨きのコツ – Brift H

 

ただ、焦ることはありません。コードバンの水ぶくれは表面の繊維が水分を含むことで立ち上がることに由来するので、物理的に押さえつけて毛羽立ちを寝かせることで意外と簡単に対処できます

 

一般的には「かっさ棒」と呼ばれる水牛の角で作られた丸みを帯びた棒が使われていますが、これが結構高い。物にもよりますが5,000円~10,000円します。なので私はリモコンにハンカチを巻き付けて代用しています。褒められた使い方ではありませんが、ある程度の硬さがあって角張ってなければ問題ないというのが個人的な見解です。

 

ガンゾの人から怒られるかもしれませんが、要するにそれぐらい適当でも大丈夫ってことです。

 

まとめ

長年愛用しているガンゾのコードバン長財布をご紹介しました。本文中でも何度か述べた通り、キャッシュレス時代下では実際に使用する頻度は減っていますが、それでも毎日持ち歩くことには変わりないので、依然として最も私にとって身近なアイテムということになりますね。

 

財布にしても鞄にしても雑に扱えることが信条です。その点はコードバンであっても同じで、それが様になるガンゾは私にぴったりなのかもしれません。

 

購入時は10年使おうと決めていましたが、今の感じだとそれよりもさらに長い付き合いになりそうです。

 

今回は以上です。