
休日外出するとなっても基本的には小さい子供と一緒なので、以前と比べるとどうしても服装の制約は生じてしまいます。特に抱っこをする際に直で触れるトップスに関しては、繊細なシャツやニットがあまり適していないので選択肢もだいぶ限られてきます。
そこで今年はスウェットに挑戦してみようと考えていました。今までは単なる部屋着としてしか見ておらず、街着として使うには多少の抵抗もありましたが、先人達の着こなしを参考にすればトラッドスタイルに落とし込むことは十分に可能なはず。それにスウェットはスポーツウェア由来なだけあって子育てに必要な機能性の面でも申し分ありません。
ただ、何を買うかは結構悩みました。ジャンルの代表格であるチャンピオンよりはもう少し気の利いたものが欲しいけど、ハイブランドが扱っているような妙にラグジュアリーなものは違う。巷で人気のループウィラーも見に行きましたが、どうしてもあの袖タグが受け入れられない・・・。
さて、どうしたものかと逡巡していたところにSUSPEL(サンスぺル)の存在を思い出しました。イギリスで長い歴史を持ち、高級カットソーでも知られる同ブランドならスウェットも揃えているのではないかと思い探してみるとやっぱりありましたよ。一見すると何気ないけど、ほんのり品があってこだわりの詰まったスウェットが。
アメカジとは少し違った雰囲気を持つ、英国ブランドのスウェットシャツをご紹介します。どうぞご覧ください。
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サンスペルについて

1860年、アンダーウェアやソックスを製造する工場をイギリス・ノッテンガムに設立。当初は創業者の名前から取り「トーマス・A・ヒル社」という名称でした。20世紀になるまでにカシミヤやメリノウールなど高級素材を使った日常着を提供するブランドとして広く認知されるようになります。
1900年代に入ると希少なシーアイランドコットンの取り扱いが始まり、それを使用したTシャツが発売されると、それまでにない軽量で涼しい着心地が評判を呼び、世界中で人気を集め同社の看板製品となりました。
社名は「シーアイランドコットン社」を経て1935年に現在の「SUNSPEL(サンスペル)」へと改称されます。素材を社名にしていたとは余程のこだわりがあったことが窺い知れますね。ちなみにサンスペルという名称もシーアイランドコットンの生産地であるカリブ海の島の「sunny spells =晴れ間」が由来だそうです。
サンスペルを語る上ではボクサーショーツ(トランクス)の存在も欠かせません。その名の通りボクシング競技中に着用するためにアメリカで誕生したパンツを下着としてイギリスに初めて紹介したのがサンスペルでした。ただ、当時はボクサーショーツは穿く男性はごく少数だったそうです。
その状況が一変のが1985年。リーバイスのCMでイギリス出身のモデル/シンガーソングライターのニック・カーメンがコインランドリーでジーンズを脱ぎ捨てサンスペルの白いボクサーショーツ1枚になった姿が大きな話題を呼びました。それまでは男性用下着といえばブリーフが圧倒的主流でしたが、その後情勢の変化をもたらす一因となったとされています。
このように「サンスペル=アンダーウェア」のイメージが長らく定着していましたが、次第にカットソーやニット、それにスウェットなどファッションアイテムの分野にも力を入れるようになりました。
2009年に当時は駆け出し中の新人デザイナーだった(後にロエベやディオールの仕事で知られる)ジョナサン・アンダーソンをクリエイティブディレクターとして迎え入れた頃から総合アパレルブランドとしての地位を確立して現在に至ります。
サンスペルのループバックスウェットシャツをレビュー
概要

2009年に当時のクリエイティブディレクターであったジョナサン・アンダーソンの手により発表されたクラシカルなスウェットシャツ。以来、定番としてラインナップされ続けサンスペルを代表するアイテムの1つとなっています。
至ってベーシックなデザインで一見するとユニクロ辺りと大差ありませんが、そこは流石のサンスペル、随所にこだわりのポイントが散りばめられています。特に滑らかな極上スウェット生地は一度手で触れて体感いただきたい。
製品名にもある通り、裏地はループバックになっており、生地自体はそこまで厚みはないものの、着用すると結構な温もりを感じます。気温が下がってきても重ね着をすることで十分な防寒ができそうですが、一方で夏模様がちらつく9月・10月だと日を選ぶかもしれません。

カラーバリエーションも豊富で10色以上が用意されています。ただ、初めて購入する本格スウェットなのでやはり選ぶべきは王道のグレー。やや明るめで控えめに霜が入って上品な風合いとなっています。
シルエットは決して今風のオーバーサイズではありませんが、適度なゆとりがあるため、大人が余裕を持って着るのにちょうどいい感じではないでしょうか。生地が良いのできれいなドレープも出ていますね。
ちなみにサンスペル公式のアナウンスによると今年公開された映画「F1」で主演のブラッド・ピッドが劇中でこのスウェットを着ていたそうです。私、この映画見たんですがどのシーンだったのか記憶にはありません・・・。

参照:ブラッド・ピットのスウェットシャツは、着回し力抜群の「サンスペル」だ! | GQ JAPAN
どうやらこれっぽい。ブラピがかっこよすぎるだけなので、あまり参考にしちゃダメなやつですね(笑)。
ディテール

スウェットとは思えない程に柔らかく滑らかな手触りの生地。よくあるシルケット加工が施されたわけではなく、素材の上質さがダイレクトに伝わってくる自然な風合いです。中肉厚で表面は微かに起毛しています。

生地裏側。製品名にもあるループバックとはこのこと。タオルのようにループ状のステッチを張り巡らせることによって、多くの空気を含ませ保温性を高めています。見た目の通りふんわりとした肌触りも特徴的です。

詰まり具合が絶妙なクルーネック。

本来は汗止めの役割りがあったとされる首元のV字ガゼット。立体的なステッチが施され適度なアクセントとなっています。

肩周りや袖口などにも3本針による丁寧なステッチワークがデザインの一部として落とし込まれています。決して目立つディテールではなく、着心地に直結するポイントでもありませんが、こういった細部に渡るこだわりが所有感を満たしてくれますね。

リブ編みの袖口や裾もしっかりとしており、長年の着用にも耐えられそうです。
サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体型の私が購入したのはMサイズ。あくまでもイギリス表記となるので、1つ下のSサイズでも良さそうですが、中にシャツを合わせることも想定して身幅はゆとりのあるフィッティングを行っています。
肩幅はドロップしないジャストフィットで、着丈もお尻にかかる程度の十分な長さがあります。どうしても袖丈は少し長めになってしまいますが許容範囲内です。
コーディネート

スウェット:SUNSPEL(サンスペル)
ドレスチノやローファーのようにかっちりしすぎない程度に品のあるアイテムが好相性。1枚で着る場合はこんな感じでざっくりと腕まくりをしてあげると全体がすっきりとまとまります。

スウェット:SUNSPEL(サンスペル)
シャツ:メーカーズシャツ鎌倉
パンツ:INCOTEX(インコテックス)
シューズ:YOAK(ヨーク)
スウェットをトラッドに着こなすのなら、ボタンダウンシャツをインするのが王道。身幅とアームホールに適度なゆとりがあるので重ね着をしても生地がもたついたり、着膨れするようなこともありません。

コート:MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュロンドン)
スウェット:SUNSPEL(サンスペル)
パンツ:LEVI'S(リーバイス)
シューズ:Berwick(バーウィック)
気温が下がってくればコートのインナーとしても使えそう。シックなステンカラーコートと合わせても違和感が生じないあたりはこのスウェットの性格を現していますね。
まとめ
サンスペルのスウェットシャツをご紹介しました。今まで縁遠かったジャンルだけにスウェット探しは難航しましたが、自分らしい一着を見つけられたかなと思っています。
以前購入したドレイクスのボタンダウンシャツもそうでしたが、アメリカ的なアイテムに英国ブランドのフィルターを通すとクラシカルで端正な印象がより強く感じられますね。
ただ、あくまでもスウェットなので、近場の外出をメインとした日常着として気兼ねなくガンガン着ていくつもりです。子供に汚されたって気にしませんよ。
今回は以上です。