トラッドマンに憧れて

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とっておきの“普通”。Double RL(ダブルアールエル)のオフィサーズチノをレビュー!

年間購入計画の方でも候補に挙がっていましたが、普通のチノパンが欲しい。チノパン自体はインコテックスバーンストーマーのものを持っていますが、どちらもスラックスタイプのいわゆるドレスチノとなります。それはそれで使い勝手がよく重宝しているのですが、ここで想定しているのはラフに穿けてシワや汚れも気にならず、ついでに経年変化も楽しめるようなチノパン。おそらく皆さんも一度は穿いたことがあるアレです。

 

そういった役目はデニムジーンズが一手に担っていましたが、子供が小さいうちはそのような実用的なパンツの出番がどうしても多くなるので、バリエーションを増やそうと考えた結果が癖のないベーシックなチノパンでした。

 

ただ、普通というのがなかなか難しい。インコテックスの100番のように洗練されすぎているものは違うし、かといって古着で見かけるようなドカンと太いシルエットを穿きこなせる自信もありません。プレーンなチノパンも色々なブランドで見かけましたが、どれも無味無臭すぎて響きませんでした。いっそのことユニクロでお茶を濁そうかとも思っていましたが、こじらせた服好きはそう簡単に妥協はできないのです。 

 

そこで目をつけたのがDouble RL(RRL/ダブルアールエル)でした。「POLO(ポロ)」で有名なラルフローレンが手掛けるアメリカンヴィンテージから着想を得たラインです。私はヴィンテージの世界には疎いので、今まで馴染みの薄いブランドでしたが、定番であるオフィサーズチノはまさにイメージ通り。一見するとなんてことのないカジュアルなチノパンですが、生地の質感やディテールには同ブランドならではのこだわりが詰まっています。

 

普通だけど普通じゃない。そんなチノパンをご紹介します。どうぞご覧ください。

 

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Double RLについて

1970年代~1980年代にかけて既に大きな成功を収めていたRalph Lauren(ラルフローレン)。ブランドの創業者であるラルフ・ローレン氏はヴィンテージのコレクターとしても知られていましたが、ある時にヨーロッパでヴィンテージのリーバイスを買おうとしたところ、めぼしいものは既に日本人バイヤーに買い占められていたことを残念に思い、「それならば自分自身でヴィンテージスタイルを作ろう」と決意して、1993年にDouble RL(ダブルアールエル)をスタートさせました。

 

ブランドのネーミングはローレン夫妻が所有するRRL牧場(ラルフ・ローレンと妻リッキーのイニシャルを取って名付けられた牧場)に由来しています。なお、正式なブランド名は「Double RL」ですが、一般的には「RRL」の呼称が浸透しており、公式でも自ら「RRL」と表記することが多いので、当記事の本文中でも「RRL」で統一しておこうと思います。

 

高い完成度でアメリカンヴィンテージの世界を再現して評判を呼んだRRLでしたが、ブランド誕生からわずか5年後となる1998年には生産終了となっていました。その大きな理由はラルフ・ローレン氏の想定とは全く違う形で人気に火が付いたからです。

 

当時のRRLのアイテムはヴィンテージ特有の大きめ作りが多く、価格帯も普及ブランドのポロとさほど変わらなかったこともあり、オーバーサイズのストリートファッションとして着られるようになっていました。そのことを快く思わなかったラルフ・ローレン氏はRRLを休止させたという経緯です。RRLに対する思い入れの強さが伝わるエピソードの1つですね。

 

しかし、ヨーロッパや日本ではRRLの復活を熱望する声が多く、それに応える形で2001年に復活を遂げます。その際にオーバーサイズだったシルエットもモダンなフィッテイングへと変更となり、価格帯も引き上げられました。

 

RRLの魅力はヴィンテージへの飽くなきこだわりで、デザインや素材だけではなく製法においても当時手法を再現するなど徹底されています。一方で現代的なアプローチも取られており、決してコスプレのようにならず日常生活にも溶け込みやすいアイテムが多く揃っています。そのためヴィンテージマニアだけではなく、本物志向の服好きからも幅広く支持されるブランドとして地位を確立しました。 

 

Double RLのオフィサーズチノをレビュー

概要

RRLの定番アイテムの1つであるオフィサーズチノ。その名の通り「オフィサー=士官」が穿いていたミリタリーチノをモチーフにしており、古いUSアーミーのパンツをベースにしながらも、現代的なシルエットに再構築された一本です。

 

冒頭でも書きましたが、こうして引きで見ると本当になんてことない普通のチノパンですね。とてもこれが4万円すると思う人はいないでしょう。ただ、実際に手に取ってみると決して普通じゃないことが伝わってくるはず。

 

しっかりと厚みのあるチノクロスには強めの洗いがかけられており、新品時点で着古したような色褪せた風合いとなっています。また、よくよく見ると市販されているチノパンでは馴染みのないディテールが所々に採用されており、サンプル元のDNAを確かに感じ取ることができます。正直元ネタについてはよく理解していませんが、そのこだわり様は素人の私にも伝わってきますし、何よりデザイン性に説得力があります。  

 

一方でシルエットは至って中庸。RRLのチノで同じく人気モデルのフィールドチノと比べると細身になっており、公式サイトでもスリムフィットという説明がなされていますが、決して細すぎるというわけではありません。サイズ表から拾った数値はリーバイス 501(現行)と大体似たようなスペックなので、イメージも付きやすいかと思います。特段今っぽくもなければ、古臭くもない、普遍的で使いやすいチノパンです。

 

日常使いを想定しているので、洗いざらしのBDシャツやスニーカーと合わせたようなラフなカジュアルスタイルが中心にはなりそうですが、紺ブレやローファーと合わせて王道のアメトラコーデに組み込んでみても良いですね。汎用性の高さは無骨さと上品さを兼ね備えたオフィサーズチノの真骨頂です。    

 

ディテール

高密度のツイル織によるチノクロスマットな質感で鈍い光沢を纏います。オンス数は公表されていませんが、チノパンで使われる生地としたはやや厚手。冬に穿く分には全く問題ないけど、真夏は少し厳しいかもしれません。強めのウォッシュ加工がかかっているため、表面はふんわりと起毛感がありくたっとした風合いとなっています。張りがあってツルっとしたイメージのある一般的なチノクロスとは異なる印象を受けます。  

 

洗いがかかることによって縫い目付近にはアタリが見られます。さらなる経年変化も期待できそな雰囲気がムンムンと感じられるので将来が楽しみですね。経年変化はデニムやレザーの専売特許ではないのです。  

 

前開きはクラシカルなボタンフライ。全く実用性はありませんが、この手間暇かける感じは嫌いじゃありません。所有するカジュアルパンツの半分近くがボタンフライなので、単に慣れてしまっているだけかもしれませんが。  

 

ボタンの素材はおそらくナット。ヴィンテージでよくみられる2穴式の猫目ボタンが採用されています。

 

右側にはコインポケットが確認されます。両玉縁仕様で適度な存在感がありますね。  

 

正面からのウエスト周りの全体像。なんとなく違和感を覚えませんか?その正体はおそらくベルトループの位置にあるのではないかと思います。画像のように平置きしたら両サイドにそれぞれベルトループが見えるものなのですが、こちらではそれがないんです。

  

横から見ると分かりやすいのですが、脇に位置するベルトループがややお尻側にずれています。

 

さらに後ろを見ると背面中央のベルトループが左側にずれているのがお分かりいただけるかと思います。これはいずれも生地が重なり厚手となる箇所を避けて縫い付け手いるためで、縫製技術が未熟だった時代(概ね60年代前半頃まで)に見られるオフセットベルトループと呼ばれる仕様です。

  

サイドポケットには山形のステッチが施されています。これが単なるデザインなのか、補強など実用的な意味があったのかは不明。あまり見かけないような気がします。

 

ピスポケットは両側ともフラップ付き。これも意外と見かけないかもしれませんが、個人的には結構好きな仕様です。  

 

腰裏には縫い代が残っているので、お直しでウエストやヒップを出すことが容易となっています。テーラード仕立てのパンツでは当たり前に見られるディテールですが、ジーンズやチノのようなカジュアルパンツだと縫い代がない場合が多いので、将来的な安心材料となるかもしれません。

 

裏地には様々な情報がタグではなくスタンプで記されています。軍モノでよく見かけるやつですね。  

 

裾は4cm幅のたたき。股下は色々と悩んだ結果2cmだけ裾上げしているのですが、実はちょっと失敗しています。もともとは他の箇所同様に縫い目の周辺でいい感じのパッカリングとアタリが出ており、それを残すために裾上げをしない、若しくはオリジナルの縫製を残したままたたきの幅を狭めるか、どちらかが良いとお店の方からはアドバイスをされたのですが、その場では結論を出せずにそのまま自宅に持ち帰りました。それからじっくりと考えた結果、裾上げはするけど、たたき幅の4cmも維持したいので、元の縫製を解くことにしました。裾なのでアタリの加工は別にどうでもいいかなと。

 

そしてその結果が上画像の通り。がっつりと縫い跡が残ってしまいました。ウールと違いコットンは跡が目立つことはこれまでの経験で重々承知していましたが、このパンツに関してはその程度が想定よりだいぶ上でした。元の状態の写真が手元にないので正確には分かりませんが、おそらくピッチの細かいチェーンステッチが施されていたので、縫い跡も強めに入ってしまったのでしょう。

 

これでも繰り返しスチームを当ててマシになりましたが、やっぱり少し気になりますね。私から言えるのは元のステッチは解かない方が吉ということです。4cm以上裾上げするなら別ですが。

 

サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体型の私が選んでいるのはW31/L30のサイズ。ウエストだけを見れば30がジャストで、31だと結構な余裕がありベルトが必須となります。ただ、全体的なシルエット(特にお尻周り)のバランスが好みだったのは31の方だったんですよね。最近はウエストを1サイズ上げて詰めるかベルトで調整することが多いような気がします。ちなみにレングスは32も選べるようです。

 

腰周りにはほどよくゆとりを持たせ、裾に向かって緩やかにテーパード。昔ながらの軍チノのようにドカンと太いわけでもなく、イタリアンチノのように細身でもない。ちょうど中間のバランスで、自然体で穿ける大人のシルエットといったところでしょうか。

 

先に触れた通り、裾上げを2cmだけしています。以前ならもう少しすっきりとした丈感に合わせていたかもしれませんが、今はハーフクッションぐらいが気分です。なお、強めの洗いがかかっていることもあり、購入後の洗濯後の縮みはほとんど確認されませんでした。縮んだとしても1cmぐらいと思って良さそうです。

 

後ろ姿はこんな感じ。お尻周りのピタっとしすぎず、ホールド感も上々。やっぱり1サイズ上げておいて正解でした。  

 

コーディネート

アウター:BARACUTA(バラクータ)

シャツ:Southwick(サウスウィック)

パンツ:Double RL(ダブルアールエル)

シューズ:YOAK(ヨーク)

 

ラク―タと合わせたカジュアルスタイル。決してお洒落とは言いませんが、日常使いとして安心できる機能性と適度な上品さを持たせた装いです。

  

ジャケット:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

ニットポロ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

パンツ:Double RL(ダブルアールエル)

シューズ:J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)

 

そしてやっぱり紺ブレとも好相性。ブルックスブラザーズのトラッドモデルなので、パンツが細すぎると一気にバランスが悪くなるのですが、これは上下の連続性がしっかりと保てていますね。

 

まとめ

RRLのオフィサーズチノをご紹介しました。本当に見れば見る程に普通じゃないんですよね。だけど使い勝手は抜群に良いと。日常使いでの実用性と服好きとしての所有欲を満たしてくれる一本です。

 

正直チノパンとしてはなかなかの高額でしたが、使用機会は確実に多く、耐久性の面でも期待できそうなので、後々になって振り返ると自分の中でも評価できる買い物になるんじゃないかなと思っています。先のことなのであくまでも予感ですが。

 

今回は以上です。