
過去に何度か述べたことがあるかと思いますが、装い全体の中でベルトは比較的に優先順位が低いアイテムとなります。身体の中心に位置するとはいえ、決して目立つわけではなく、消耗品としての側面もあるので、そこにコストをかけようとはならないのです。
そのためユニクロやノーブランド品で間に合わせることも普通にあります。フェリージやホワイトハウスコックスといったレザーブランドのベルトも所有していますが、そこまでのこだわりはありません。
そんな私ですが、珍しくちょっとお高いベルトを購入しました。当ブログの読者の方ならきっとご存じであろうJ&M DAVIDSON(ジェイアンドエムデヴィッドソン)のメッシュベルトです。定価で4万円以上と私の基準だと高価なベルトではありますが、とりわけメンズドレス界隈では圧倒的な着用率を誇り「お洒落な人は皆持ってる」と言っても過言ではないレベルかもしれません。
購入したのは昨年の7月頃。それまで使っていた茶系のメッシュベルトがくたびれてきたというのもありますが、時期的に買う物がないから買ったという買い物ジャンキーぶりを発揮した案件でした。
きっかけこそやや不純ではありましたが、ここ半年の間ですっかり欠かせないアイテムとなりました。決して手頃ではないにも関わらず、多くの服好きから指示を集める定番メッシュベルトの魅力をお伝えできればと思います。どうぞご覧ください。
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J&Mデヴィッドソンについて

1976年にイギリス人のジョン・デヴィッドソンと、フランス人のモニク・デヴィッドソンの夫妻が自分達が欲しいレザーベルトを作ったことが始まり。1984年に2人の頭文字を取った「J&M DAVIDSON(ジェイアンドエムデヴィッドソン)」でブランドとしてデビューします。拠点はイギリスのロンドン。
当初はブランドの原点であるベルトを中心とした取り扱いでしたが、後にバッグコレクションも展開されるようになります。メンズにおいては専らベルトのイメージが強いブランドですが、レディースのバッグはそれを凌ぐ人気があるようです。
日本に入ってくるイギリスのレザーブランドはエッティンガーやグレンロイヤル然り質実剛健さを全面に打ち出したところが多い印象ですが、J&Mデヴィッドソンに関してはそれらとは少し毛色が異なります。夫・ジョンは写真家、妻・モニクはバレリーナとして活動していた経歴もあってかデヴィッドソン夫妻は芸術的な感性に優れ、英国的なクラフトシップに美しいデザインを融合させたアイテムを揃えています。言うなれば質実優美といった感じでしょうか。
余談ですが、少し前までずっとイタリアのブランドと勘違いしていました。それぐらいデザインに気が利いて、ある意味では朴訥としたイギリスらしさを感じなかったということですかね。
J&Mデヴィッドソンのメッシュベルトをレビュー

概要
ブランドのルーツで、アイコンでもあるレザーメッシュベルト。カラーは「HAVANA」と表記されるきれいなダークブラウンです。こちらのベルトでは標準幅の30mmとナロー幅の25mmが用意されていますが、今回は30mm幅のモデルを選んでいます。
まず目がいくのはアイコニックなバックルでしょうか。エンベロープ(Envelope=封筒)バックルと呼ばれるデザインで封筒を折り返し部分を模したような柔らかい曲線を描きます。また、ベルトの剣先にはプンターレ(先飾り)が取り付けられています。いずれも美しく磨かれた真鍮製。装いの邪魔にはならない程度に主張する印象的なディテールですね。冒頭で多くの愛用者がいると述べたのも一目でそれと識別できるを特徴を持つが故。
肝心のレザーも抜かりはありません。上質なカーフレザーを使い、熟練の職人により手作業でメッシュ状に編み込まれます。詳しくは後程ご覧いただきますが、編み目の凹凸が少ないフラットな表面となっており、他のメッシュベルトと比べてドレッシーに映る最大の要素です。
定価は42,900円。私は深く考えずに正規取り扱いの実店舗で購入しましたが、オンラインショップの並行輸入品なら2万円台前半で買えるようです。これぐらいならだいぶ手に取りやすいかと。価格差が大きいので、特にごだわりがなければ楽天あたりで探してもらった方が賢明でしょう。
ディテール

油分を多く含みしっとりと滑らかなカーフ。一つ一つ職人により手作業で編み込まれます。新品時で既に柔らかいのでメッシュベルト特有の擦れるような感覚は全くありません。

このベルトの最大の特徴はバックルでもプンターレでもなくフラットな編み目にあります。比較としてホワイトハウスコックスのメッシュベルトを並べてみましたが、その違いがはっきりと伝わるかと思います。
やはりメッシュベルト自体はカジュアルアイテムになるので、本来であればジャケットやスラックスのようなドレスアイテムとは合わせるべきではありませんが、J&Mデヴィッドソンのメッシュベルトのようにボリュームが抑えられた編み目であれば話は別ですね。

控えめなメッシュと違い適度に存在感を放つエンベロープバックル。個性的とまでは言いませんが、多くのバックルが直線的なデザインである中、巧みに曲線を取り入れた形状に目がいきます。上画像でも反射で色々と映り込んでいることからも分かるように磨きこまれた真鍮の光沢もそれに拍車をかけていますね。ベルトループまでメッシュなのもポイントです。

裏面にはブランドネームやサイズ表記が刻印されます。現在はスペイン製造のようですが、かつてはホワイトハウスコックスが生産を担っていた時期もあるみたいです。

バックルの反対側に取り付けられたプンターレ。エンドチップとも呼ぶそうです。他のブランドでも見られるディテールですが、剣先に装飾が加わることでベルトを締めた時の印象が大きく変わってきます。
着用イメージ・サイズ感

身長173cm 体重65㎏ 標準体型の私が購入したのは32/80と表記されたサイズ。先程比較で登場したホワイトハウスコックスのメッシュベルトも同じサイズになりますが、こちらの方が2~3cmぐらい短いような気がします。ただ、1サイズ上げると一気に5~6cm長くなるので、このサイズでちょうどいいかと思います。メッシュベルトは経年による伸びも考慮しなくてはいけませんからね。
なお、よく見かけるあえて長いサイズを巻いて先端を垂らすというアレンジはおすすめしません。よっぽどかっこいい人じゃないと似合いませんよ。普通を自負する人はジャストサイズを選びましょう。最初のベルトループにプンターレが通りきるぐらいが目安でしょうか。

そのままジャケットを羽織ってみました。それぞれの色味がカジュアル寄りということもありますが、ドレススタイルの中に違和感なく収まっているかと思います。逆にオーソドックスなプレーンベルトだと真面目すぎてこの装いには合わないかもしれません。ベルトにもちゃんと華があるのでバランスが取れています。

デニムと合わせてみました。全然悪くはないと思います。ただ、コーディネート全体がカジュアルに寄りすぎるとベルトだけが浮いてしまうので要注意。フラットなメッシュもさることながらキラキラ光るバックルとプンターレは嫌でも艶っぽくなってしまうのです。そのためデニムやチノに巻くにしてもジャケットや革靴を合わせるなど、どこか1つでの良いので他にドレス要素を足しておかないと全体がチグハグになってしまいます。
まとめ
多くの洒落者に愛されるJ&Mデヴィッドソンのメッシュベルトをご紹介しました。なんとなく良さげとは思ってましたが、自分でコーデを組んでみる中でその魅力をとくと感じることができた次第です。
メッシュベルトをドレススタイルに取り入れることは以前からありましたが、親和性の高さはそれまで使っていたものと段違い。ドレス界隈で人気なのも納得ですね。
一方でカジュアルスタイルではちょっとの工夫が必要になるかと思います。メッシュベルトではありますが、ドレスアイテムとして捉えてもらって良いかもしれません。定番ではあるものの、決して何にでも合うというわけではないのです。
でも全部に70点より特定の装いで90点以上取れるアイテムの方が結局は最後まで残るってものです。ベルトだって同じでしょう。
今回は以上です。