
「革靴とベルトの色は合わせるべき」
これは広く知られた常識ですね。私も社会人になる前に父に教わったと記憶しています。では時計のベルトやバッグはどうでしょうか?ベルトのように明確な答えはあまり聞きません。
今回の記事では身に着ける革製品について、どこまで色や素材を合わせるべきか考えてみようと思います。一般論ではなく、あくまでも私の感覚的なお話となりますが、よろしければどうぞご覧ください。
革製品の色や素材はどこまで揃えるべきかなのか
ここでは革靴を基準としてベルト・時計のベルト・バッグ・レザーグローブ・レザージャケットの色や素材を合わせるべきかアイテムごとに私の意見を述べていきます。
ベルト

わざわざ言う必要もありませんが、ここで指すベルトとはパンツのウエストに巻くベルトのことになります。冒頭にもある通り、「革靴とベルトの色は合わせるべき」というのは服好きならずとも普段からスーツを着用する方であれば当然知っているであろう常識です。その根拠としてよく言われるのは縦の繋がりにあります。一般的に人の視線は顔から順に胸・腰・足元へと視線が流れていきます。その中で同じライン状にあるベルトと革靴の色が違ったら違和感が生じるという理論です。
なんとなくその意味は分かりますが、それよりも「合わせるべきだ」という風潮が出来上がってしまった以上は、もうそうするしかありません。「冠婚葬祭には黒のストレートチップ」と同じで理屈で考えるよりもそういうルールだと理解して従うべきでしょう。
ただ、色味まで完璧に合わせる必要はないと思います。黒は黒なので簡単ですが、茶色に関しては色味の幅が広いので神経質になるとキリがありません。

個人的には茶系同士なら問題ないと考えています。上画像はやや明るめのブラウンの靴と深いダークブラウンのメッシュベルトになり、トーンにはかなりの差が生じていますが、これでも別に良いんじゃないでしょうか。「あぁ、ちゃんと茶系で合わせているんだな」と伝わればそれで十分。もちろんきちんと合わせるに越したことはありませんが、複数のベルトを用意するのにもお金がかかるので、それなら他のアイテムに投資した方が有意義かと。本題から外れますが、ベルトなら金具の色(金 or 銀)をちゃんと合わせてあげた方がパッと見た印象には違いが出ますよ。
また、スエードやコードバンといった素材についても合わせるべきだという意見もあるようですが、とりあえずそこは気にする必要はないでしょう。上級者の中には完璧に合わせている方もいて確かにかっこいいとは思いますが、それは他に買う物がないという人が最後に手を出したらいいんですよ。神は細部に宿るとは言いますが普通に考えてベルトの素材をマジマジと見る人はいませんから。
時計のベルト

先程「縦の繋がり」というワードが出ましたが、時計に関しても腕を下ろした状態とそのラインに近い所に位置するので、ベルトと同じような考え方で良いと思います。ただ、ベルトよりもさらに緩い基準となります。

基本的には黒と黒、茶と茶で合わせた方が無難ですが、例えばこちらの画像のように黒とダークブラウンなどトーンが大きく外れていなければ色の系統が異なっても問題はないと考えています。遠目で明らかに違うとならなければ大丈夫。一般的にベルトよりも数段高価なので、色合わせのために時計を買い揃えるのは現実的ではありません。その点、最近増えてきたワンタッチで交換できるタイプのベルトは便利ですね。
ちなみに時計のベルトにはネイビーやトープ(グレージュ)といった色も割と見かけますが、そういった色味であれば靴は黒茶のどちらを合わせても良いかと思いますよ。
バッグ

ベルトや時計と違いバッグは格段に存在感のあるアイテムとなります。そのため革靴との調和というよりは装い全体のバランスを見て決めるべきです。
例えば私の場合、コーディネートを組む時にはネイビー系かブラウン・ベージュ系のアウターやトップスが軸となることが多いので、ネイビー系には黒のバッグを、ブラウン・ベージュ系には茶系のバッグを合わせています。ただ、これが絶対というわけではなく、「全体的に重たいな」とか「色味が揃いすぎている」など何かしらの違和感を覚えたら意図的に外すことだってあります。結果としては色が揃うことが多い傾向にはありますが、バッグに関しては理屈より感覚ですかね。
メンズファッションにおける正当性を判断するためには先人を参考にするという手もあります。現代に続くクラシックスタイルが確立されたとされる1930年代頃の写真やイラスト、その時代を舞台とした映画を見ても黒靴に茶色のバッグを合わせたような装いも確認されるので、歴史的な観点でも否定されるということはなさそうです。
レザーグローブ

レザーグローブについては装着位置の近い時計のベルトと同じ考え方で良いでしょう。つまり色は合わせた方が良いものの、トーンに差がつきすぎていなければ黒茶が混同してもOKということです。私は上画像にあるダークブラウンの手袋しか持っていませんが、これぐらいの色味なら濃淡の茶系でも黒でも全く違和感なく合わせられます。一双しか持たないならこういう色味正解かなと思っています。
ちなみにデンツなどで見られる黄色に近い色も各ブランドで定番カラーの1つとなっていますが、あれぐらい革靴とトーンが外れた色であれば、調和させようとする必要もありませんので、その場合の足元は黒でも茶でもどちらでも良いでしょう。
レザージャケット

ここまで登場したアイテムはいわゆる小物という分類になり、同じ革小物なら色や素材を統一するべきかというお話でしたが、レザージャケットに関しては明らかに別。間違いなくコーディネートの主役となる存在なので、革靴に合わせるというよりかは、逆にどのような革靴を合わせるかという考え方が正解でしょう。
ブラウンのジャケットと黒の革靴を合わせることがあるように、レザージャケットと革靴の色を必ずしも揃える必要はないと考えます。バッグ同様に結果としては色が揃うことが多いものの、インナーやパンツを含めた全体のバランスを見て決めるべきです。
一方で素材(表革 or スエード)に関してはむしろ合わせない方が良い場合があります。仮にスエードブルゾンとスエード靴を合わせるのであれば色味までバシッと合わせなくてはなりません。どうしてもベルトなんかと比べると圧倒的に目立つアイテムとなるので、細かい違いが際立ちます。素材感を合わせる意識はあるのに色を合わせないの中途半端だなと。
とはいえ色と素材を完璧に合わせてもそれはそれでトゥーマッチな感じとなってしまうケースもあるので、最終的には鏡で全身を見て決めるしかありませんね。理論だけでは成立しないのがファッションの難しいところであり、楽しいところではないでしょうか。
まとめ
革製品の色と素材の合わせ方について述べていきました。
ベルトや時計、手袋などの小物類はできるだけ統一した方が良いが、そこまで神経質にはなることはない。レザージャケットやバッグのように目立つアイテムは革で合わせるのではなく、コーディネート全体で調和させるべきだというのが私の考えです。
あくまでも私の感覚的なお話なので必ずしもこれが正解とは思っていませんが、皆さんの参考の1つとなれば幸いです。靴とバッグは絶対に色を合わせるべきという意見の方もいっらっしゃるようなので、画一的な答えは出ないテーマとなるのでしょうね。
今回は以上です。