
春のトップスやインナーといえばシャツやロンTと共に、最近ではコットンニットを選ばれる方も多いのではないでしょうか。そのような時代の流れを受けてか、ここ数年で春夏向けのコットンニットを展開するブランドが以前より増えたように感じます。
ただ、それらの多くは薄手の生地で、インナー使いとしてならともかく、1枚で着るにはどこか心許ない印象を受けます。やはりトップスとしてコーディネートの中心に添えるのであれば、それなりの存在感が欲しいところ。
そんな中、今回ご紹介するFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポ デ ローレンティス)のコットンニットは1枚でもキマる主役級の一着といえそうです。では、どうぞご覧ください。
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フィリッポ デ ローレンティスについて

イタリア中部の街・ペスカーラにて2012年に誕生したニット専業ブランド。歴史はまだ浅いものの、母体は1970年代から続くイタリアを代表するニットファクトリーで、実力は折り紙付きです。
創業者であるカルミネ・フェランテ氏の長年のキャリアで培われた多くの知識や経験と、 その息子フィリッポ氏のモダンなテクニックと素材の研究を融合させ、現代的でスタイリッシュなニットウェアを提案しています。
同じくイタリアのニット専業ブランドでもザノーネやクルチアーニ、ドルモア(現在の拠点はイタリア)などは、原材料費高騰の影響もあって大きく値を上げる中、フィリッポ デ ローレンティスは比較的に良心的な価格設定を維持しています。そういった背景もあってか、ここ最近は各セレクトショップでも積極的にバイイングされて、見かける機会も増えており、私達にとってもお馴染みのブランドの1つとなっています。
フィリッポ デ ローレンティスのコットンクルーネックニットをレビュー
概要

適度にボリューム感のある畦編み(リブ編み)が印象的なクルーネックのコットンニット。春夏向けのいわゆるサマーニットは表面がつるっとしたものが多い中、こちらの生地は凹凸による縦のラインが確かな存在感を示しています。
一方でその見た目に反してゲージ数で言うと12ゲージと実はそこまでの厚みはなく、編み目自体もざっくりとしているため通気性も決して悪くはありません。そのため、ある程度気温の上昇する春先や秋口の気候でも汗ばむことなく着用することができそうです。
何種類かのカラーバリエーションが用意されている中で、今回購入したのややくすみがかったネイビー。一般的なネイビーよりトーンがやや明るめで、赤みの抑えられた色味です。日本風に表現すれば茄子紺に近いでしょうか。ありそうで意外とない色で、春の陽気にもよく映えるかと思います。

タイトでスタイリッシュなニットウェアを得意とする同ブランドですが、本品ではややゆとりのあるシルエットが採用されています。生地の特性を考えると、ピタッとしたフィッティングよりも、適度な余裕を持って着た方が持ち味を活かすことができるでしょう。
1枚でも様になるポイントは生地やシルエットだけではありません。袖付けをラグランスリーブにすることで、機能性を高めると共にリラックスした雰囲気を生み出しています。また、浅めのクルーネックとなっているので、首元が詰まってエレガントな印象を与えてくれます。
どうしてもシンプルなクルーネック1枚だと上着を脱いだだけの味気ない感じになってしまいがちですが、このニットに関しては随所に工夫が張り巡らされ、そのような心配とは無縁な頼もしさがあります。もちろんジャケットのインナーやシャツとのレイヤードスタイルといった使い方も可能です。
ディテール

ブランドのオリジナル素材「Sublime Cotton(サブライムコットン)」による畦編みの12ゲージニット。サブライムコットンは春夏用として開発された素材で、非常に滑らかな肌触りとほのかな光沢感を備えているのが特徴です。コットン100%でありながら表面はきめ細かく整っており、カジュアルな素材でありながらどこか上品な雰囲気を感じさせます。
また、さらりとしたドライタッチも魅力の一つ。肌離れが良く、汗ばむ季節でも快適に着用できるため、日本の気候とも相性の良い素材といえるでしょう。
こうした素材感に加えて、畦編みによる立体的な表情もポイント。シンプルなクルーネックニットながら、編み地の陰影が生まれることで一枚で着ても単調にならず、ほどよい存在感を発揮してくれます。

首元の開きの浅いクルーネック。平置きした状態でもブランドタグの大半が隠れていることで、そのネックの詰まり具合が分かるかと思います。いわゆるベーシックなクルーネックではありますが、開きすぎないバランスにすることで、上品で落ち着いた印象に仕上げられています。

ニット専業ブランドらしい丁寧な作る込みによる袖付けのリンキング。ラグランスリーブと組合せることで、可動域はより広がり、見た目の上でも良いアクセントとなっています。

身頃が畦編みのため、袖や裾のリブも自然と一体感のある仕上がりになっています。一般的な天竺編みのニットでは身頃とリブの編み地のコントラストがはっきりと出ますが、このニットでは編み地の表情が近いため、全体として統一感のある印象です。

なお、洗濯表示は手洗いとなっていますが、私はネットに入れたうえで洗濯機の通常コースで洗っています。今のところ大きな問題は確認できませんが、乾燥時にはハンガーに掛けるのではなく、平置きで乾かすようにしている点だけは意識しています。
もちろん推奨の方法ではないため、あくまで自己責任にはなりますが、この程度のケアで問題なく扱えるのであれば日常使いもしやすいところ。特に小まめな洗濯が欠かせない春ニットにとって、自宅で手軽にケアできるかどうかは意外と重要なポイントではないでしょうか。
サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体型の私が購入したのはサイズ48。インナー使いメインの一般的なハイゲージニットなら1つ下のサイズを選びそうですが、今回は主に1枚で着用することを想定していたので、適度にゆとりのあるフィッティングを意識しました。
実際に着用してみると、身幅には程よい余裕がありつつも、全体としてはすっきりとしたシルエット。ラグランスリーブということもあり肩周りの窮屈さもなく、リラックス感のある着心地です。一方で、身頃は畦編み特有の伸縮性もあって身体のラインに自然と沿うため、ルーズな印象にはなりません。
コーディネート

ニット:FILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポ デ ローレンティス)
パンツ:YCHAI(イカイ)
春らしくホワイトデニムと合わせてた装い。色味の感じからしてマリンスタイルっぽい感じで結構気に入っます。

ニット:FILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポ デ ローレンティス)
シューズ:YOAK(ヨーク)
ニット1枚だけでも良いですが、中にシャツを挟むことで、より上品な装いに仕上がります。首元からシャンブレーシャツをチラッと覗かせてみました。
まとめ
フィリッポ デ ローレンティスのコットンニットをご紹介しました。
実はニットを1枚で着るのも、首元が寂しいクルーネックも少し苦手意識を持っていたのですが、そんな偏見を覆してくれる一着となりました。
適度なゆとりのあるシルエットと上質な素材感のおかげで、シンプルに1枚で着ても様になります。気負わず着られるのに、どこか品の良さが漂うのもこのニットの魅力でしょう。
春や秋の軽装になりがちな季節に、頼りになる存在になってくれそうです。
今回は以上です。