
本業では人事関連の職に就いているため、今の時期には新入社員を対象とした研修で話をする機会がしばしばあります。会社のルールや業務に関連する法律の話であったり、直接的に仕事に関わる話題が中心です。
一介の服好きとしては、ビジネスシーンでの服装についても触れておきたいところですが、私に任されているプログラムにそのような話題は含まれていません。毎年少しもどかしさを感じながらも、ぐっと胸の奥にしまっています。
ただ、幸いなことに私にはブログというツールがあるので、この場を使って新入社員の方に話ておきたいを書いてみようと思います。
伝えたいことを全て書き出すとかなり長くなってしまうので、今回はテーマを絞って「スーツ・シャツ・革靴は何パターン揃えるべきか」という内容で進めていきます。
結論から申し上げると、スーツ3着・シャツ5着・革靴2〜3足というのが私の考えです。なぜそう考えたのか、理由を交えながら解説していきます。それでは、どうぞご覧ください。
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スーツ・シャツ・革靴は何パターン揃えるべきか
スーツ:3着

間違いのないダークネイビー(参考画像はブレザー)
新入社員の方の中には、最初に1着だけ購入してスタートしようと考える人もいるかもしれませんが、それはあまりおすすめできません。理由は単純でスーツは連続して着るものではないからです。
スーツは1日着用すると、汗や湿気を吸い込みます。これを十分に休ませないまま連続で着続けると、生地の傷みが早くなり、型崩れもしやすくなります。理想的には1日着たら2日休ませるくらいのサイクルが望ましいと言われています。その意味でも、3着あればローテーションが成立します。
最初のうちは2着だけでも回せるかもしれませんが、途中でクリーニングに出すことを考えるとやはり3着目は必要になるかと思います。
また、3着あると印象の単調さを防げるというメリットもあります。毎日同じスーツだと、自分では気づかなくても周囲からは意外と分かるものです。
では、その3着はどのようなスーツを揃えるべきかも間単に触れておきましょう。
まず1着目は無地のダークネイビーです。ビジネススーツの王道ともいえる一着で、最も汎用性が高い色でもあります。日々の業務で着用するのはもちろん、研修や社内外の打ち合わせなど、幅広い場面で安心して着ることができます。「迷ったらまずこれ」と言って差し支えない存在です。
2着目は無地のミドルグレー。ネイビーと並んでビジネスシーンの定番カラーですが、ネイビーとはまた少し違った落ち着いた印象を与えてくれます。ローテーションを組むうえでも色の変化が生まれるため、ワードローブに加えておくと便利な一着です。
最後の3着目はある程度個人の趣味を反映させても良いかとは思いますが、個人的におすすめなのは、1着目より明るい無地のネイビー。いわゆるネイビーブルーと呼ばれるような、やや鮮やかさのある色味です。ダークネイビーが落ち着いた印象を与えるのに対し、ネイビーブルーは少し軽快で若々しい雰囲気があります。新入社員のフレッシュさとも相性が良く、日常のビジネスシーンでも自然に取り入れやすいかと思います。
3着もあれば1着ぐらいは柄物を入れたくなるところですが、ここでは全て無地を挙げました。柄物のスーツはパッと見て違いが伝わって、なんとなく洒落ているように見えますが、コーディネートを組む際に制約がかかるので、最初のワードローブとしてはあまりおすすめはしません。
スーツに柄が入ると、それだけで装いの主張が強くなります。合わせるシャツやネクタイの色柄とのバランスを考える必要が出てきて、慣れていないうちは少し難しく感じるかもしれません。
仕事に慣れてきて、スーツスタイルに少し変化をつけたいと思ったタイミングでストライプやチェックを取り入れるくらいがちょうど良いでしょう。まずは無地を基本に揃えておく方が結果的に長く活躍してくれるはずです。
シャツ:5着

基本となる無地の白とサックスブルー
シャツについては、5着を目安に揃えることをおすすめします。理由はとても分かりやすく洗濯のサイクルです。
多くの会社は週5日勤務。つまり、毎日シャツを着るのであれば1週間で5枚必要になります。もちろん途中で洗濯することもできますが、忙しい日々の生活を考えると週末にまとめて洗うという方も多いでしょう。その場合、5枚あれば平日を問題なく回すことができます。
実際に私も独身の頃は休みの日にまとめて洗濯をすることが多かったような気がします。仕事で疲れ切った日の家事を減らして、自分時間を確保するというのは長い長い社会人生活を乗り切るためにも必要なことです。
また、スーツと違いシャツは毎回洗濯をしなくてはいけませんので、消耗の度合はどうしても高くなります。週に複数回洗濯機にかけているようだと、あっという間に生地は傷んでしまい、買い替えの時期を迎えてしまいます。間隔を空ければ長持ちするという類ではありませんが、購入の手間を省くためにも最初に5着揃えておいた方が得策かと思います。ビジネスウェアの中では比較的に安価なアイテムなので。正直シャツはユニクロでも十分です。
色柄については無地の白とサックスブルー(淡い青)はマストとなります。白シャツは最もフォーマルで汎用性が高く、どんなスーツやネクタイとも合わせやすいのが魅力です。研修や来客対応など、きちんとした印象を求められる場面でも安心して着ることができます。一方でサックスブルーは白ほど堅くなりすぎず、ほどよく爽やかな印象を与えてくれる色。ネイビーやグレーのスーツとも相性が良く、日常のビジネスシーンでは白よりも使いやすい存在です。
個人的には無地の白2着、サックスブルー3着とかでも良いとは思いますが、変化をつけるのであれば、柄物を取り入れてみても良いでしょう。スーツほどにコーディネートの難易度が上がるわけではないので、比較的気軽に取り入れることができます。
例えば細いストライプや、ごく控えめなチェック柄などはビジネスシーンでも使いやすく、装いにさりげない変化を加えてくれます。白地にブルーのストライプが入る、いわゆるロンドンストライプなどが特におすすめです。
革靴:2〜3足

冠婚葬祭でも使える黒のストレートチップ
まず先にお伝えしておきますが、理想は3足以上です。革靴もスーツと同様に、1日履いたらしっかり休ませるのが基本とされています。内部にこもった湿気を抜き、革を回復させる時間を確保することで、型崩れや劣化を防ぐことができるからです。そう考えると、本来は3足以上でローテーションを組むのが理想といえるでしょう。
とはいえ、新入社員の時期は何かと出費も重なります。スーツやシャツを揃えるだけでもそれなりの金額になるので、最初からすべてを理想通りに揃えるのはなかなか大変です。そう考えると革靴はスーツほど印象を左右するものではなく、シャツのように気軽に買い足せる品ではないので、優先順位としては低くなります。
そのため、まずは2足からスタートして、余裕ができたタイミングで3足目を追加するという考え方でも十分だと思います。2足であれば交互に履くことで最低限のローテーションは確保でき、着用後に木製のシューツリーを使うことで、一定の吸湿や型崩れ防止の効果が期待できます。
2足だけとなれば選ぶべき靴は自ずと決まってきます。
まず1足は黒のストレートチップです。ビジネスだけではなく、冠婚葬祭全ての場面で対応可能な最もフォーマル度の高い靴なので、社会人であれば必ず持っていなくてはならない一足です。
そして2足目は茶靴です。1足目同様にストレートチップでも良いですが、少し装飾性のあるセミブローグなどもおすすめです。黒靴とは違った洒落感があり、装いの雰囲気をほどよく和らげてくれます。
もし余裕が出てきて3足目を加えるのであれば、雨に強い靴があると心強いところです。雨の日はどうしても靴へのダメージが気になるところですが、そうした日に履く専用の一足があれば、他の靴を守ることにもつながります。防水性の高いレザーを使い、グリップ性の高いラバーソールを備えたモデル用意しておくと、天候を気にせず履けるので実用的です。
まとめ
今回ご紹介した、スーツ3着・シャツ5着・革靴2〜3足というのはあくまで一つの目安です。最初から完璧に揃える必要はありませんが、このくらいの数があればローテーションを組みながら無理なく日々の装いを回していくことができるでしょう。
仕事に慣れてくるにつれて、自分の好みやスタイルも見えてくるはず。その時に少しずつバリエーションを増やしていければ良いのです。
まずは無理のない範囲で基本を整え、長い社会人生活のスタートを気持ちよく切っていただければと思います。
今回は以上です。