
今回は古着で購入したBrooks Brothers(ブルックスブラザーズ)のマドラスチェックシャツをご紹介します。
古着といっても、目利きの専門店ではなく、ふらっと立ち寄った近所のセカンドストリートで1,500円程で買ったもの。もちろん価値のあるヴィンテージなんかではありません。
だからこそ普段なら選ばないようなアイテムでも、手に取ってみようと思えるわけなんですよね。
それではそどうそご覧ください。
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ブルックスブラザーズについて

言わずとしれたアメトラの王者。創業は1818年と200年以上の歴史を誇り、アメリカで現存する最古のアパレルブランドともいわれています。
特に有名なのはボタンダウンシャツ。現在では当たり前のように存在するボタンダウンシャツですが、その原型を世に広めたのはブルックス ブラザーズです。他にも段返り3つボタンスーツやレップタイ、シアサッカー、ポロコートなど枚挙にいとまがなく、現代のアメリカントラッドを形作る多くのアイテムやスタイルの普及に関わってきました。
大げさではなく、私たちが「トラッド」と聞いて思い浮かべる装いの多くは、ブルックスブラザーズ抜きには語れないと言っても過言ではありません。
その一方で、長い歴史を持つブランドゆえに苦難の時代も経験しています。特に2020年には、新型コロナウイルスの流行によるスーツ需要の急減などの影響を受け、経営破綻を申請。200年以上の歴史を持つ名門ブランドのまさかの出来事は、世界中の服好きに服好きに大きな衝撃を与えました。
その後は新体制のもとでブランドの再建が進められ、現在も精力的に商品展開を続けています。一時期は迷走気味に見えたこともありましたが、近年はクラシックスタイルを再評価する流れも追い風となり、以前にも増して魅力的なコレクションが増えている印象です。
ブルックスブラザーズのマドラスチェックシャツをレビュー
概要

前項でもご紹介した通り、ブルックス ブラザーズは様々なアイテムや素材をアメリカでいち早く取り入れ、その後世界的なスタンダードへと押し上げてきました。今回ご紹介するマドラスチェックシャツも、そんなブルックスを語る上では欠かせない定番の一つです。
マドラスチェックの起源は、インド南東部の都市マドラス(現在のチェンナイ)にあります。もともとは現地で織られていた軽量な平織りコットン生地で、高温多湿な気候に適した涼しさと通気性の良さが特徴。鮮やかな色使いのチェック柄と相まって、いかにもリゾート感のある生地として知られています。
ブルックスブラザーズでマドラスチェックシャツが初めて登場したのが1902年のこと。その後、1950~60年代のアイビーブームでは、ボタンダウンシャツとマドラスチェックの組み合わせが学生たちの定番スタイルとして定着して、現在でもサマートラッドを象徴するアイテムの一つとして親しまれています。

本品は比較的新しいレギュラー古着。タグなどから推測するに2000年代半ば~2010年代前半の個体と思われます。ブルックスブラザーズというブランドの性格上、10年20年程度ではそう大きな変化はありませんが、細かいサイズ感やディテールには現行品との違いが見られました。
生地はホワイトとグリーンを基調とした爽やかすぎるチェック柄。普段は柄を取り入れるとしてもネイビーやブラウンといった落ち着いた配色を選ぶことが多い私にとって、この手の明るいマドラスチェックは少し冒険でした。正直に言うと私のワードローブだと組合せられるアイテムもだいぶ限定されるはず。
ただ、古着で1,500円という価格なら話は別。「もし似合わなくても勉強代」と気軽に手を伸ばせるのも、古着ならではの魅力です。現行新品だと2万円前後するはずなので、正直選択肢に入ることもなかなかないでしょう。
実際に着てみると派手な印象はほとんどなく、軽快な配色の生地は清涼感に溢れており、長袖のコットンシャツでありながら夏らしさが全快です。「夏のトラッドスタイル」は永遠の課題となっている私にとっては、思っていた以上に使える一着となりそうです。
ディテール

「コットン100%の平織生地」という括りであれば、ドレスシャツでお馴染みのブロードクロスと同じですが、その質感は全く異なります。一般的にマドラスチェックの平織は比較的太めの単糸を粗めに織ることで、ややざらついたドライな質感と優れた通気性を実現してます。生地についての詳細な情報は不明ですが、こちらも同様の作りとなっているのでしょう。
私自身、真夏はコットン100%のシャツは汗で肌に張り付く感覚が苦手で、どうしてもリネンに頼りがちになります。ただ、このマドラス生地は想像していた以上に肌離れが良く、風が抜けるような軽快な着心地です。もちろんリネンほどの清涼感には及びませんが、一般的なブロードやオックスフォードと比べれば格段に涼しく、真夏でも十分選択肢に入る素材だと感じました。

ブルックスブラザーズといえば、やっぱりボタンダウンです。襟羽根も約8.5cmで現行品と大体同じバランスで設計されており、ふんわりとした美しいロールを描きます。

チェック柄の具合もあって遠目だと分かりづらいですが、胸ポケット着きです。

ボタンはおそらくプラスチック製。現行でもカジュアルシャツは基本的に樹脂ボタンのようです。

カフスボタンが2つ取り付けられており、袖口の幅を調整できるようになっています。これもカジュアルシャツだけのディテールですね。

袖口に細かく刻まれるギャザーはブルックスブラザーズのシャツでは伝統的な意匠の一つ。意外と見落とされがちなんですが、一般的なシャツだともっと簡易的なタック仕様なんですよね。
ギャザーを寄せることで袖口に自然な丸みと立体感が生まれ、腕を動かした際にも生地が無理なくついてきます。機能面で大きな違いがあるわけではありませんが、こうした手間の掛かるこだわりのディテールは、服好きに刺さるポイントです。

現行との最も大きな違いは裾の形状でしょうか。ここ最近はブルックスブラザーズもカジュアルシャツはタックアウトを前提としたすっきりとした裾を設定することが多いのですが、本品は例えカジュアルだろうとタックインを推奨していた硬派な時代の個体のため、裾をパンツに納めやすいように、先端は大きくラウンドして、着丈も長めになっています。

背面はアメトラらしく、センターボックスプリーツが採用されています。
サイズ感とシルエット

身長173cm・体重65kgの標準体型の私が購入したのはSサイズ。
ブルックスブラザーズはアメリカサイズなので、普段Mサイズ相当の服を着る私は基本的にはSがマイサイズとなります。適度にゆったりとした感じからしてSサイズで正解だと思っていますが、ご覧の通り明らかに裄丈が足りてませんね。現行のカジュアルシャツはSサイズで裄丈も問題ないので、洗濯により縮んでしまったのか、若しくは当時はそういうサイズバランスだったのでしょう。
購入前に試着をしていたので、裄丈の問題は把握していました。新品なら大問題ですが、これは1,500円の古着です。「どうせ腕まくりするから、まぁいいか」と軽い気持ちでレジに持っていきました。

横から見ると着丈の長さや身幅のゆとり感が伝わりやすいでしょうか。現行のカジュアルシャツはもう少しすっきりとしたシルエットなので、今よりもクラシック思考が強かった当時のブルックスブラザーズの空気が感じ取れます。
コーディネート

シャツ:Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)
パンツ:INCOTEX(インコテックス)
シューズ:Paraboot(パラブーツ)
実際にコーディネートに組み込むとなると多色使いのチェックシャツは難しいもの。合わせるアイテムはシャツの柄から色を拾うのがベターでしょう。ここでは最も印象的なグリーン系を拾って、オリーブのファティーグパンツを合わせてみました。ごちゃごちゃせず、一定のまとまりは感じられますね。

シャツ:Brooks Brothers(ブルックスブラザーズ)
パンツ:FIVE ONE(ファイブワン)
シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
タックアウトはしないだろうなと思っていましたが、意外と悪くはない気がします。その場合はやや太めのリネンパンツを合わせるなど全体的にリラックスした雰囲気でまとまめることがポイントでしょうか。
まとめ
古着で購入したブルックスブラザーズのマドラスチェックシャツをご紹介しました。
サマートラッドの定番アイテムをいつかは挑戦してみたいと思いつつ、手が出せませんでしたが、古着だからこそ気負わず取り入れることができました。
実際に着てみると、その機能性の高さ、そして装いの中で夏を全面的に感じさせてくれる存在感は想像以上でした。爽やかなチェック柄は一見ハードルが高そうに見えますが、合わせるアイテムの色使いや素材の特性を理解すると意外なほど自然に馴染みます。
どうしてもワンパターンになりがちな夏の装いに、新しい選択肢が一つ増えたことも大きな収穫でした。リネンや鹿の子ポロシャツと並び、これからはマドラスチェックシャツも夏のワードローブに欠かせない存在になりそうです。
今回は以上です。