
4月に完成した、特別な日専用のグレースーツ。合わせるシャツはもちろん白のブロードシャツですが、手持ちのものが少し傷んできていたため、この機会に新調することにしました。
当初は仕事用のシャツと同じく鎌倉シャツでオーダーするつもりでしたが、お馴染みのFIVE ONE(ファイブワン)へスーツを引き取りに行った際、参考までに見せてもらったシャツのバンチブックの中に気になる生地を発見。そのまま勢いでオーダーすることに。
ポイントは極上のブロード生地、タイトルにもあるロングポイントカラー、そして実は人生初となるダブルカフス。いずれも普段使いでは選ばない仕様だからこそ、スーツと同様に「特別な一着」にふさわしい仕上がりとなりました。
それではどうぞご覧ください。
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ファイブワンのロングポイントカラーシャツをレビュー
概要

これまでファイブワンではスーツ、ジャケット、スラックス、コートと様々なアイテムをオーダーしてきましたが、シャツに関しては今回が初めてでした。
ファイブワンの母体は国内屈指のテーラードファクトリーですが、シャツとなると専門外となるため、生産は外部委託となります。仕立てを担うのは、岡山県に拠点を置くドゥ・ワン・ソーイング。自社のオーダーシャツブランド「土井縫工所」で知られ、国内外の有名ブランドやテーラーのシャツも数多く手掛ける、国内有数のシャツファクトリーです。
生地は以前から一度試してみたいと思っていた、ALUMO(アルモ)製のブロードクロスを選びましました。細番手ならではの繊細な光沢と、しっとりとした滑らかな肌触りが魅力で、高級シャツ生地らしい品格を存分に感じられます。試着室で袖を通した瞬間に思わず「おぉ・・・」と声が漏れてしまうほど、明確に違いの分かる良い生地です。
袖口は先端を折り返してカフリンクスで留めるダブルカフス仕様。カフリンクスを合わせた際のさりげない華やかさは通常のシングルカフスにはない魅力で、シャツ一枚にも特別感を与えてくれるポイントとなります。
襟型はクラシカルなレギュラーカラー。「レギュラー」とは言うものの、ノータイが主流となった今となっては街中で滅多に見かけないようになりましたが、フォーマルに近い装いであれば、襟の開きが狭いレギュラーカラーが一番です。
今回はその中でも襟羽根が長めに設定されたロングポイントカラーを選んでいます。正統派のスーツとの相性は抜群で、現代的なワイドカラーにはない落ち着きと風格を感じられます。
普段はノータイのジャケットスタイルが多い私にとっては、まず選ばないような仕様ばかりですが、特別な日を共に過ごすスーツだからこそ、その相棒となるシャツも徹底的にクラシックな仕様を選びました。
ディテール

スイスの老舗生地メーカー・ALUMO(アルモ)の120番手双糸ブロードクロス。白のブロードは基本中の基本となるため、多くの生地が用意されていましたが、その中でも一際惹かれたのがアルモでした。
ややしっとりとした質感で手触りは滑らか。それでいて適度なハリコシが備わっているため、美しいドレープや襟元の立体感もしっかりと保たれています。色味も蛍光色のようなパキッとした白ではなく、ほんのりと柔らかさを感じさせる上品なホワイトです。
決して遠目から際立つような華やかさはありませんが、袖を通した本人はもちろん、近くで見る人には確かな上質さが伝わる生地となっています。

一般的なレギュラーカラーよりも剣先が伸びたロングポイントカラー。襟先は9.0cmと過度に長すぎるわけではないので、クラシカルな雰囲気を感じさせつつも装いの中で自然に馴染みます。
また、左右の襟の間には約1.0cmのタイスペースが設けられています。これはネクタイの結び目を美しく収めるためのもので、襟羽根の長いロングポイントカラーでは特に重要なディテールです。襟の開きが狭い分、適切なタイスペースを確保することで、Vゾーン全体がバランス良くまとまります。

生地を折り返して着用するダブルカフス仕様。ボタンは付いておらず、カフリンクスを用いて留めるクラシカルなディテールです。日常的なビジネスシーンではややオーバースペックかもしれませんが、そのひと手間こそが装いに特別感を与えてくれます。

しっかりと厚みのある白蝶貝ボタン。上質な生地にも劣らない存在感を発揮しています。

裾付近に生地のブランドタグが取り付けられていました。普段は気に留めるようなディテールではありませんが、せっかくアルモの生地でオーダーしたのなら、その証は残しておきたいものです。

徹底したドレス仕様のシャツなので、背面は当然ノープリーツのバックダーツ入りとなります。

緻密な運針

巻き伏せ本縫い
ステッチは3cm間に21~23針という緻密な運針。一本針による巻き伏せ本縫いも採用されており、高級ドレスシャツに求められる水準はに満たしています。
とはいえ、袖の後付けやハンドステッチといった最高級シャツならではの仕様までは採用されていません。そうした点だけを見れば、さらに上を目指すこともできるのでしょう。縫製の丁寧さや仕上がりの美しさは日常的に愛用している鎌倉シャツと同程度、若しくはやや上と評価していますので、個人的には十分満足できるクオリティです。
サイズ感とシルエット

フィッテイングに関しては特に意見をしませんでしたが、図らずもいつも鎌倉シャツでオーダーしているスペックと概ね同じような数値となっていました。
強いて言えば袖丈はもう1.0cmぐらい長めにとっても良かったかなとも思いましたが、許容範囲内です。
着用イメージ

3ピーススーツと合わせることが基本となるため、シャツが見える面積はどうしても限られます。しかし、だからこそ上質な白シャツの存在が生きてきます。アルモならではの上品な光沢は決して前に出過ぎることなく、ダークグレーのスーツやボルドーのサテンタイを自然に引き立て、Vゾーン全体を端正な印象にまとめてくれました。
特にネクタイを締めた際のロングポイントカラーのバランスは秀逸で、襟羽根が美しくロールしながら結び目を包み込み、クラシカルなスーツスタイルにふさわしい落ち着いた雰囲気を作り出しています。
ダブルカフスの場合、これ見よがしにジャケットの袖口から大きく覗かせている方を見かけることもありますが、個人的にはあまり好みではありません。シングルカフス同様に、あくまでも袖口からほんの少し覗く程度に留めておくべきでしょう。前述の通り、もう少し長めでも良いとは思いますが、それは0.5~1.0cm程度の微差の話です。
支払い総額
■ベース料金 37,400円
・ALUMO
■有料オプション 1,870円
・ダブルカフス
・白蝶貝ボタン
■総額 39,270円
ファイブワンのオーダーシャツは、委託先であるドゥ・ワン・ソーイングが手掛ける「土井縫工所」と同様に、15,000~20,000円前後がボリュームゾーンとなっています。一方で、今回選んだアルモは、その中でも頭一つ抜けた高価格帯の生地。比較検討していたトーマス・メイソンと比べても倍近い価格設定だったため、オーダー時は正直なところ少し躊躇しました。
ただ、その価格差を考慮しても、この生地には抗いがたい魅力を感じていました。そして実際に完成したシャツへ袖を通した瞬間、その選択は間違っていなかったと確信します。オプション込みで約4万円となってしまいましたが、昨今のインポートブランドの既成シャツはこれぐらいの値段では済まないので、「アルモの生地でオーダーした」と考えれば十分に納得感のある価格になっているかと思います。
まとめ
ファイブワンでオーダーしたロングポイントカラーシャツをご紹介しました。
スーツやジャケットと違い、シャツはネットオーダーで簡単に済ませることが多いのですが、今回は店頭でじっくり時間をかけ、特別な生地、特別なディテールを採用することで、目指していたコンセプトに相応しい一着が完成したと自負しています。
普段使いには少し贅沢な仕様かもしれませんが、人生の節目や特別な場面で袖を通す「勝負の白シャツ」を探している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
今回は以上です。