トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

現代のトラッドスタイル論。

本ブログのタイトルでもあり、記事の中でも度々登場する「トラッド」「トラッドスタイル」ってそもそも何なんだというお話です。

 

このブログの根幹に関わるテーマなので、開設初期の頃から下書きを温めていましたが、ようやく内容がまとまりそうなので、今回改めて取り上げていこうと思います。

 

 

全ての源流は英国紳士にあり

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私達が何気なく使っている「トラッド」という言葉はトラディショナル(traditional)=伝統的」を略した和製英語で、ファッションの世界では流行に左右されない伝統的・保守的なスタイルと解釈されます。

 

そして伝統的というだけあって、世界中の各国で独自の文化が培われていて、アメリカントラッドやフレンチトラッド、そしてクラシコイタリア(イタリアントラッド)あたりが特に有名ですね。

 

これらのトラッドスタイルはその土地の気候や民族性に応じた進化を遂げてきましたが、いずれも19世紀後半から20世紀初頭にかけて確率された英国のブリティッシュトラッドが根底にあります。そのため伝統的とはいうものの、一般的にトラッドスタイルには民族衣装的なものは含まれず、「ブリティッシュトラッドに影響を受けた」という括弧書きが付いてきます。

ではトラッドスタイルが何たるかを理解するには、まずブリティッシュトラッドについて知る必要がありますが、端的に説明すればそれは英国紳士の装いとでも言えるでしょうか。

 

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参照:映画「キングスマン」より

 

かっちりと構築的な三つ揃えのシングルブレステッド、若しくはダブルブレステッドのスーツをしっかりとタイドアップした装い。控え目でありながら厳格。参考画像は私も大好きな映画「キングスマン」シリーズで主人公・ハリーに扮したコリン・ファー氏。スクリーンの中の人物ですが、イメージする英国紳士ってこんな感じですよね。要するにルールに基づいた古典的なスーツスタイルです。

 

その他にも上流階級の暇つぶしとして嗜まれてきたハンティングや乗馬、ゴルフなど所謂クラススポーツで着用されるウェアもブリティッシュトラッドのカジュアルな一面と言えます。バブアーやバラクータのジャケットとかがそれに当たりますね。

 

これらが合理主義のアメリカに渡ると実用性重視の機能を高め、温暖な気候のイタリアでは軽やかで柔らかい仕立てが主流となり、華の都・パリを擁するフランスでは洒脱でフェミニンな要素が加わります。

 

今となってはそれぞれの個性がありますが、元を辿ればそこには英国紳士の影響が伺えます。

 

ちなみに私が志すトラッドスタイルはどこのお国とは決めていません。やっぱり英国的な装いへの憧れが根底にありますがクラシコ系も好きだし、昨年からはアメトラに傾倒気味です。ルーツは大切ですが、それに拘りすぎることなく、良いとこ取りのごっちゃ混ぜの方が日本人らしいかなと勝手に思っている次第です。

 

今の時代、トラッドにどう向き合う?

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さて、トラッドの本流は英国紳士の装いであり、正統派のスーツスタイルこそが王道であると定義しましたが、それならば多くの日本人男性はビジネススーツという形で表面的にでもトラッドスタイルを体現していることになります。

 

ただ、このブログでスーツスタイルを取り上げる頻度が少ないことからもお分かりいただける通り、私の関心事はビジネス以外(要するにオフの日)にどのようにしてトラッドな要素を取り入れるかということにあります。

 

個人的にはプライベートでもスーツを着てもいいんじゃないかとは思うんですよ。だってカッコいいじゃないですかスーツって。でもなかなか難しい。

 

ダンディズムの生みの親とも言われるブランメルが残したとされる「通りを歩いていて振り向かれたら、君の装いは失敗である」という言葉。ファッションにおいて私の座右の銘でもあります。これは「アンダーステイトメント(控えめの美学)」について語られる際によく引用される格言ですが、TPOを弁えるということにも通じているかと思います。

 

ファッションでのTPOというと高級レストランでのドレスコードのように、カジュアルを排除する方向をイメージしがちですが、逆も然りです。ファミリー層で賑わう休日のショッピングモールに、隙のない完璧なスーツスタイルで訪れたらやっぱり浮きますよね。それこそ、すれ違う人に振り向かれてしまいそうですよ。

 

じゃあ、こんなのはどうでしょうか?

 

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カジュアルジャケットのブレザーにオックスフォード生地のボタンダウンシャツ。タイドアップしているとはいえ柄と素材(コットンシルク)はビジネスっぽくない。クリースが入っていますがパンツだってチノパンです。正統派のスーツスタイルと比べると間違いなくカジュアルになりましたよね。少なくとも私の会社ではNGです。

 

それでも街着としてはやっぱり難しい。トラッドスタイルはコスプレじゃない。これが肝心です。

 

アイビールック全盛の50年代60年代ならいざ知らず、今の時代にこんなコテコテのアメトラコーデをしていたら、そういう風に捉えられてもおかしくはないかもしれませんね。もちろん場面によりますが。

 

本来ファッションなんて個人の自由なもので、周りの目なんか気にせず自分の好きなスタイルを突き進むという方にはある種の尊敬の念を抱きますが、小市民の私に道をはみ出す勇気はありません。

 

そこで私は王道のトラッドスタイルを軸にしながら現代的装いとの落としどころを探っています。

 

例えば先程のコテコテのアメトラコーデの場合、インナーをニットやポロシャツに変えたり、タイドアップするにしろデニムシャツを合わせて、足元にローテクスニーカーを持ってきたら、だいぶ印象も違ってくるでしょうね。アメトラ一辺倒にならないようにレップタイじゃなくて、イタリア的な華やかな柄物のタイを使ってみても面白いかもしれません。

 

別にTシャツやスウェットパンツを合わせたり、過度に今っぽく(それらが今っぽいのかはさておき)する必要はないんですよ。シーンに合わせた適度なカジュアルダウンと、コスプレとも捉えられかねない「いかにも」なコーデを避けるように意識すればそれで十分だと思います。

 

装いの中で登場するそれぞれのアイテムはトラッドの王道でも、コーディネート全体で見たら、現代の街並みに溶け込む。タイムスリップしてきた人みたいにならないように。そんな感じを目指しています。まだまだ全然ですけど。

 

自分のスタイルを持つということ

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先にも触れた通り、ファッションとは自由なものなので、カメレオンのように日々全く違う七変化コーデを楽しまれている方もいるかもしれません。でもそれが可能なのはよほどのハイセンス(それと経済的余裕)をお持ちな方ぐらいです。

 

ファッションを通して様々な違った一面を表現したいという気持ちは私にもよく分かりますが、まずは自分の軸となるスタイルを持つことが大切です。

 

私の場合はそれがトラッドスタイルでしたが、アメカジでもミリタリーでもアウトドアでも本当に何でも良いと思います。

 

「時代に流されるな、不変でいるべきだ」と言っているわけではありません。

 

トレンドとも適度な距離間で付き合っていくべきだとは思うし、年齢を重ねることで似合う服が変わってくることもあるでしょう。

 

そんな時にぶれることのない一本の軸があれば、ベースとなるスタイルから手が届く範囲で足し引きするわけなので、変に迷走することもないですよね。新しいことにチャレンジしてもコアの部分は変わらない。それって大事だと思うんですよ。

 

またファッションに限らない話ですが、自分のスタイルを貫く人って単純にカッコよく映るし、やっぱり説得力があります。自分自身が30代になってから特にそう感じるようになりました。憧れるような大人は仕事にしろ趣味にしろちゃんと自分のスタイルを持っているものです。

 

繰り返しになりますが、まずはコレだと思える軸となるスタイルを見つけることです。似合う似合わないは置いておいて、自分が好きなコト・モノを優先するべきでしょう。どんなスタイルでも続ければきっと自分のものになると私は信じています。

 

そして一度決めたスタイルを途中で変えてしまうことは否定しません。

 

今のところ、私は生涯トラッドスタイルを貫く心づもりでいますが、もしかしたら10年後は突然山登りにハマって普段からアウトドアファッションに身を包んでいるかもしれないので、正直先のことなんて分からないですよね。

 

さすがに毎年のようにコロコロと変わってしまってはスタイルとは呼べませんが、10年20年と続けていく覚悟なんて必要ないと思いますね。

 

トライ&エラー。一生モノのスタイルに出会えるのが理想ですが、やっぱり合わないと感じたら次に行きましょう。

 

まとめ

このブログをご覧いただいている方にとっては言うに及ばずな話ばかりで恐縮です。

 

誰に向けてというより自分で再確認するという意味で書かせてもらいました。最後の方はちょっと偉そうな書き方になってしまいましたがご容赦ください。

 

本当はどっぷりトラッドに浸かってしまいたいけど、適度な距離も置く。難しいですね。「トラッドマンに憧れて」というブログのタイトルも実はそんなところから由来しています。

 

自分なりのトラッドスタイルは未だに模索中・・・。

 

今回は以上です。