ブログ上でも何度か話題に挙げたことがあるのですが、私が勤める会社は就業規則で男性社員にはスーツの着用を義務付ける一方、通年でノーネクタイを推奨する謎の風習がありました。
クールビズ期間はまだしもそれ以外でスーツスタイルにノーネクタイはいかがなものか、そんな中途半端なことをするぐらいならビジネスカジュアルを取り入れるべきではないかと過去記事でも述べてきました。
そんな私の声が届いたのかは知りませんが、ようやく当社でもビジネスカジュアルが解禁です。結構いきなり決まったものなので、男性社員諸君は対応しきれず、結局スーツ通勤のままの人がほとんど。ある意味スーツは制服のようなものなので、深く考える必要がなく楽といえば楽なのかもしれません。
その気持ちも分からなくもないのですが、ちょっともったいない。せっかく選択肢が増えたのだから是非ともビジネスカジュアルを取り入れていきたいものです。
ということで、周囲と歩調を合わせることなく、颯爽とジャケパン通勤を開始した私がビジネスカジュアルの始め方とそのメリットについて解説します。
ここではそれまでスーツ勤務だった方を念頭において話を進めますが、それ以外の方のも参考になるかと思いますので、よろしければご覧ください。
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そもそもビジネスカジュアルとは?
ビジネスカジュアルの定義は特になく、ざっくり言うと「スーツ以外でビジネスにも相応しい格好」といった感じでしょうか。ただ、これもかなり曖昧で何をもってビジネスに相応しいのかはその社風にもよるでしょう。なんせTシャツとジーンズがOKな会社だっていくらでもありますからね。
どこまでカジュアルに振って大丈夫なのかは各自で見極めてもらうしかないのですが、まず間違いないのはジャケパンスタイルです。ジャケパンとはその名の通りテーラードジャケットとパンツのこと。スーツと違いそれぞれ別々に売られている単品を自由に組み合わせます。一般的にビジネスカジュアルやスマートカジュアルといえばジャケパンスタイルのことを指すといっても差支えはないでしょう。
ビジネスカジュアルの基本はジャケパンです。まずはここを押さえた上で様子を伺いながら後々幅を広げていけば良いかと思います。
【ジャケパン入門】まず最初に揃えたい基本のアイテム
ひとえにジャケパンといっても様々なスタイルがあるのですが、ここでご紹介するのはあくまでも入門編。ビジネスシーンで取り入れやすい最もベターな着こなしを提案します。
ジャケット
やはり基本は無地のネイビーです。特別洒落感があるわけではありませんが、ビジネスマンには欠かせない誠実さと清潔感を印象付けるにはこれ以上ない選択肢です。また着こなしの幅も広いので、とりあえず1着持っておけば何かと便利なはず。
同じように無地ネイビーの生地で仕立てられたスーツを既にお持ちなのではないかと思いますが、気を付けていただきたいのはスーツのジャケットを単品で使い回してはいけないということ。興味のない方からすれば同じように見えるかもしれませんが、スーツの上着とジャケパンで使用するジャケットは別物です。
具体的な例を挙げると仕立て方が違います。ジャケパンスタイルで使うようなカジュアルジャケットはパッドや芯地が極力省かれて軽やかな着心地のアンコン仕立てが主流です。またデザインの面では外付けのパッチポケットが好まれます。まぁ、市販されているジャケットの大半は必然的にそれらの特徴を備えていえるので深く考える必要はありませんが、スーツとの違いは把握しておいてください。
シャツ&ネクタイ
基本的にはスーツスタイルで使っている物と同じで大丈夫です。強いて言えばシャツならギンガムチェックをはじめとした柄物、ネクタイならニットタイのようにスーツと合わせるには多少抵抗のあるようなカジュアル要素が強めなアイテムもジャケパンなら比較的取り入れやすくなります。
パンツ
ジャケットと違いジャケパンスタイルにおいて選択肢の幅が広いのがパンツ。ジーンズでもチノパンでもジャケパンは成立します。とはいえビジネス使いするのであればウールパンツが無難でしょう。
その中でも最優先で用意すべきはグレーのスラックスです。先に挙げたネイビージャケットは当然として、ブラウンでも柄物でも難なく合わせられる汎用性の高さは群を抜いています。また、ひとえにグレーといってもライトグレーからチャコールまで濃淡の幅があるので、理想はトーン違いで複数本揃えることですが、使い勝手を考えるとまずはミディアムグレー(画像中央)を手元に置いておきたいですね。
ところで、ジャケットに関してはスーツの使い回しはNGとお伝えしましたが、パンツに関してはその限りではありません。ジャケパンで使うようなスラックスと違いがあるわけではないので、ちょうどいい物があればそのまま流用しても大丈夫です。実際に私も使い回すことがたまにあります。
先程挙げたようなグレーのスラックスよりはカジュアルになりますが、こんな感じのコットンパンツもおすすめ。素材はチノクロスですが、ドレスパンツと同じように仕立てられているので、ビジネスシーンでも使いやすいかと思います。
シューズ
ビジネスシューズの最適解とされる黒のストレートチップ。ジャケパンスタイルでも使かえないこともないのですが、個人的にはちょっと堅すぎるかなと感じます。
同じストレートチップならブラックよりもブラウンの方がカジュアルなジャケパンには馴染が良いでしょう。
また、スーツスタイルだと合わせにくい、画像のように丸みのあるフォルムのプレーントゥやローファーもジャケパンとは親和性が高いので、選択肢の1つとして候補に挙がります。
季節感には気を付けよう
ビジネスシーンでは光沢感が強く、中庸な厚みのオールシーズン生地(サージ)で仕立てられたスーツが好まれる傾向にありますが、単品で市販されているジャケットとパンツ(スラックス)は多くの場合、春夏か秋冬のどちらかに分類されています。例えば春夏ならトロピカルやフレスコ、秋冬ならサキソニーやフランネルといった具合です。
真冬に軽やかな春夏素材の服を着ていたらおかしいだろというの当然の話として、特に気を付けていただきたいの季節の変わり目の時期にジャケットとパンツで季節感がちぐはぐになってしまうこと。これは結構やってしまいがちなので、しっかりと意識しておきたいところですね。
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詳しくはこちらの記事で述べていますので、よろしければご覧ください。
ジャケパンスタイルのメリット
冒頭でも触れた通り、ビジネスカジュアルが解禁されたところで、従来からスーツを制服や作業着としかみなしていなかった層にとって、わざわざジャケパンを取り入れる理由はないのですが、そんな彼らに向けて敢えてジャケパンスタイルのメリットを説いてみようと思います。
多くのコーディネートが組める
極端な例ですが、スーツが2着あったとしてコーディネートは2パターンしか組むことはできませんが、ジャケパンのセットが2組あればそれぞれのジャケットとパンツを入れ替えることで計4パターンのコーディネートが成立します。さらにシャツや靴の選択肢は確実にジャケパンの方が幅広く許容されているので、そのバリエーションの差は歴然です。
スーツよりも長持ちする
少し語弊のある表現かもしれませんが、スーツが寿命を迎える時にどこがダメになのるか考えてみてください。おそらく多くの場合はジャケットではなくパンツの方でしょう。特に股の部分。先述の通り、スーツのジャケットを単品で使うことは基本的にはできないので、パンツの寿命=スーツの寿命になってしまうのです。ジャケパンスタイルにおいてもパンツが消耗品であることには違いないのですが、ジャケット単体で活かすという点で考えるとスーツよりも長持ちすると言えるのではないでしょうか。
プライベートにも使い回せる
個人的に最も大きなメリットとして感じるのはこれです。ジャケパンスタイルを構成する全てのアイテムは私服にも流用可能だと私は考えます。例えばインナーをニットに、シューズをスニーカーに置き換えれば立派なカジュアルスタイルの完成です。
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休日のプライベートシーンでジャケットを取り入れた装いについては、こちらの記事をご参照ください。
スーツにしかない魅力もある
このブログで何度も述べてきましたが、スーツスタイルはメンズファッションの完成形です。ジャケパンも所詮は亜流。TPOを無視して単純にどちらがカッコいいかと問われれば、私ならスーツを選ぶような気がしますね。それぐらいスーツは男をカッコよく見せることに特化した服だと思います。
一方でスーツはその格式高さゆえに堅苦しい雰囲気になりがちだというのも事実。実際に私の会社も「社内の風通しを良くするため」という名目でビジネスカジュアルが導入されました。(今のところその効果は出てませんが・・・)
要するにスーツとジャケパンは性格が異なり、それぞれに利点があるということ。どちらを採用すべきかは社風や職種、その日対面する相手方に合わせるべきというのが正解なのでしょう。
当の私は普段はジャケパン中心で、重要な商談や会議など少し気合を入れて挑む日にはタイドアップしたスーツスタイルといった感じで使い分けていこうと考えています。
まとめ
時代の流れもあって、私が勤める会社のように義務的なスーツ着用からビジネスカジュアルへ移行する企業も多いのではないでしょうか。
とはいえ長らくスーツしか着てこなかった人達にとって、急にビジネスカジュアルOKなんて言われてもなかなか抵抗があるでしょう。ジャケット好きの私でさえ最初はそうでした。
でも、今回ご紹介したような基本をしっかりと押さえることができたのなら、ジャケパンスタイルだってそんなに難しいものではありません。せっかく装いの幅が増えるのなら挑戦しない手はないと思いますよ。
今回は以上です。