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10年後が楽しみだ!土屋鞄製造所のオリジンオイルヌメ トートをレビュー!

久しぶりにバッグを買いました。

 

茶系のレザートートというカテゴリーではSLOWのルボーノが長年の相棒なのですが、そのオレンジに近い明るい色味ゆえに装いによっては合わせにくさを感じていたので、同じ茶系でもよりシックなダークブラウンを誘致すべく年始早々動いてきました。

 

国内外様々なブランドで検討してきましたが、選んだのは当初から有力候補に挙げていた土屋鞄製造所(以下、土屋鞄)のオリジンオイルヌメ トートです。

 

高級ランドセルで有名な土屋鞄ですが、近年は大人向けの鞄や革小物にも注力しており、本品は職人気質の丁寧なものづくりやこだわり抜いた革のい風合いをはじめとした同ブランドの真髄を感じられる逸品となっています。

 

その魅力をお伝えできればと思いますので、どうぞご覧 ください。

            

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土屋鞄について

1965年、鞄メーカーでランドセル製造に携わっていた土屋國男氏により東京・下町の小さな工房で創業。当初は妻ともう一人の職人を加えた3名だけでランドセルを作っていましたが、その品質の高さが評判を呼び、さらには第二次ベビーブームを背景に事業を拡大させることに成功します。 

 

ところが1990年代に入ると少子化の影響に加え、安価な海外製品が市場を席巻すると徐々に売上は落ち込み、一時は生産数量ゼロという状況にまで追い込まれました。まさに廃業の危機だったそうです。

 

そのような中で転機が訪れたのは1994年。社長の座を息子の成範氏に譲り、國男氏は職人に専念すると熟練の技を振るうと共に後進の指導にも力を入れます。安かろう悪かろうの海外制品と同じ土俵で勝負するのではなく、あくまでも土屋鞄が大切にしてきた職人の手作業を全面に打ち出して差別化を図りました。すると次第に値は張るが質の高い「工房系ランドセル」として注目を集めるようになり見事な復活を遂げることになります。

 

さらにそれまでランドセル専業だった土屋鞄は2000年からは大人向けの革製品の製造に着手していきました。活発な小学生が6年間雑に扱っても耐えうるランドセルを作っていた土屋鞄なので頑強なものづくりはまさに折り紙付きで、「工房系」として名を馳せていただけに職人の高い技術を随所で見られるクラフト感を売りにしています。 

 

また、質実剛健ではあるもののデザインは洗練されており、ほとんどの製品がユニセックスであるように世代や性別を超えて愛される高い普遍性を備えたアイテムが展開されています。ベーシックで質の良い鞄や財布をお探しれあれば検討すべきブランドの1つとなるはずです。

 

土屋鞄のオリジナルヌメトートをレビュー

概要

「ディアリオ トート」と並び土屋鞄を代表するトートモデルである「オリジンオイルヌメ トート」。最後の最後までどちらにするか悩んだ末に本品を選ぶことになりました。

 

正直に言うとデザインやサイズ感でいえばディアリオの方が好みだったのですが、それでもオリジンオイルヌメを手に取ったのはあまりにも魅力的な革の質感に惹かれたからでした。価格だってこっちの方が3万円ぐらい高いのに、それでも選ぶぐらいなのでよっぽどの惚れようですね。

 

詳しくは次項で触れますが、その名称の通りオイルをたっぷりと含み、銀面を削りを起毛させた素材はなんとも言い表し難い朴訥な味わいと素敵な経年変化への期待を感じさせられます。

 

この製品は現行で3色展開されていますが、購入したのは当初の目的通りにダークブラウンです。だいぶ深めのブラウンですがサンプルを見る限り徐々に明るく変化するみたいですね。この色に関してはオンラインショップでは売り切れとなり、各店舗でも欠品が相次いでますが、定期的に再入荷が行われているので気になる方は気長に待ちつつ、たまに在庫状況を確認してみてください。

 

オリジンオイルヌメ トートは大型モデルも用意されていますが、本品は取り扱いやすい通常サイズです。スペックとしては縦32.0×横39.0×底マチ10.0cmとなっており、視覚的には縦型トートと思いきや横長なんですね。とはいえ底辺から上部に向かって広がる形状で、スペック上の横幅は一番広い箇所(上辺)を計測しているので一概に横長とも言えないんですけどね。ちなみにですが完全に自立するタイプとなっています。

 

魅力的な革の質感や普段使いに困らないサイズ感に満足しているのですが、あえて欠点を上げるならば2つあります。まずはその重さですね。重厚な素材を使いしっかりと裏張りまでされているので、このサイズ感で約1.2kgは人によっては少し重く感じるかもしれません。

 

そしてもう一つは表面の色移りです。素材の特性上、擦れると色が移りやすいので合わせる服はよく考える必要があります。白パンなんかは避けた方が無難かもしれませんね。

 

いずれも個人的には気にかける程ではありませんが、購入に際して留意しておくべきポイントとしてお伝えしておきます。

 

余談ですが店頭で購入した際に無茶苦茶デカい箱に入れて渡されます。持って帰るのも一苦労だったので、その箱は結構ですと断れば良かったと軽く後悔しましたよ(笑)。

 

ディテール

オイルとワックスを繰り返し塗り込み浸み込ませ、やすりで銀面を削り起毛させた土屋鞄渾身のオリジナル素材「オリジンオイルヌメ」。しっとりとした手触りの上品さと皮本来が持つ粗々しさを兼ね備えた唯一無二のレザーとなっています。

 

また、経年により油分が染み出て、起毛が押しつぶされることにより現在とはまた違う表情に変化するそうなので、かなり気が早いですが5年後・10年後が楽しみでなりませんね。

 

肉盛りを施したハンドルは強度を高め、手の馴染みむ良くなっています。  

 

さすがはランドセル製造をバックボーンに持つ土屋鞄。縫製は丁寧で堅牢な作りです。余裕で10年は戦えるでしょう。  

 

トートバッグを直置きすることは基本的にしないのであってもなくても良いのですが、底鋲が取り付けられています。

 

裏張りには本革スエードが使われており、こちらもなかなか上質。側面には大型のジップポケットと2つの小型ポケットが配されているので、鍵などの小物はここに入れておきましょう。

 

内側にさり気なく取り付けられた革製のロゴはアルファベットのLではなく革包丁をイメージしているそうです。渋い。 

 

開口部にはフラップ付きでジップアップすることで中身が見えないようにすることもできます。  

 

容量

私が必ず携帯するスマホと財布、小物ポーチに加えて折り畳み傘や水筒なんか入れてもまだ十分に余裕があるので、普段使いには困ることはなさそう。  

 

ただ気になるのは書類の収まり具合。このバッグはA4ファイルが収納可能と謳われていますが結構際どいです。まず縦で入れると鞄には収まっているもののフラップが閉まりません。  

 

おそらく正解はこのような横入れなのでしょうが、幅の狭い底面で若干引っかかる感覚があります。ビジネス使いで日常的に書類を持ち歩く方には不向きかもしれません。  

 

サイズ感

身長173cmの私が手で持ってこんな感じ。収納の面もさることながら見た目も過不足ないサイズ感ですね。  

 

このように肩掛けすることもギリギリ可能ですが、ハンドルの長さ的にちょっと窮屈感はありますね。そもそも色移りが激しい素材なので、肩掛け自体おすすめしません。

 

おまけ

伺った福岡店が10周年を迎えたということでノベルティとしてレザーコースターを頂きました。薄めの1枚革ですが革の質感は流石。おそらく製品の端材を使っているのでしょう。ちょうど自宅で愛用していた物が買い替え時だったので、ありがたく使わせていただきます。

 

まとめ  

土屋鞄のオリジンオイルヌメ トートをご紹介しました。

 

やっぱり革の雰囲気が抜群に良いんですよね。使い勝手の面でいくつか気になる点もありましたが、そんなの余裕で霞むぐらい魅力的なレザーです。本当に10年後が楽しみだ。

 

また、クラフト感を味わうという点でも満足度高いですね。当然ですがそこらの量産品とはものが違います。

 

これはもう将来子供に持たせるランドセルは土屋鞄にするしかないな。

 

今回は以上です。