「ポロシャツといえばラコステ」というのは多くの服好きが提唱することで、私も概ね同意です。
であればポロシャツはラコステしか着ないという選択もありですが、色々なブランド(モデル)のポロシャツを揃えたいと思うのも服好きの性。
今回は世にある無数のポロシャツの中でも御三家と呼ばれるラコステ・フレッドペリー・ラルフローレンを比較してみようと思います。
比較対象はこちら
◆ラコステ「L1212」
ポロシャツの原点にして完成系とも言える「L1212」の日本製モデル。ポロシャツのパイオニアとして知られるラコステですが、今では当たり前となっている鹿の子編みの生地やワンポイントのロゴマークの元祖でもあります。まさに服飾史に残るマスターピースです。
◆フレッドペリー「M12」
「M3」と並ぶフレッドペリーの定番ポロシャツ「M12」。襟と袖に施されたアイコニックな二本ラインが特徴です。ラコステ「L1212」と同じくテニスウェアとして生まれましたが、現在ではテニスよりも音楽を始めとしたユースカルチャーとの結びつきが強いアイテムです。
◆ラルフローレン「スリムフィット メッシュポロシャツ」
ラルフローレンをはじめとした伝統的なアメリカブランドと言えば、とにかくゆったりとしたボックスシルエットのイメージが強くありますが、こちらのスリムフィットは華奢な日本人の体型に合うよう細身につくられており、着丈も短めです。
サイズ感
まずは一番重要なサイズ感から見ていきましょう。
ちなみに私は身長173cm体重65kg肩幅44cmで、ポロシャツはジャストサイズで着ることが多いです。今回比較する3着もジャストフィットを想定して購入しました。
また、3着の購入時期はバラバラですが、いずれもある程度洗濯を繰り返しているので、生地の縮みが発生していることを前提にご覧ください。
◆ラコステ「L1212」
サイズ:2を着用。USサイズではXSと表記されているので、日本サイズであればSサイズ相当となります。私の体格であればMサイズ相当のサイズ3でも良さそうですが、着丈が長く感じてサイズ2を選んでいます。
◆フレッドペリー「M12」
サイズ:38を着用。日本サイズであればMサイズ相当です。M12はややタイトな着こなしを前提としているモデルなので、海外規格であってもサイズを落とす必要はありません。
◆ラルフローレン「スリムフィット メッシュポロシャツ」
サイズ:Mを着用。一般的にラルフローレンの服を購入する時には1~2サイズ落とすことを推奨されていますが、このスリムフィットポロシャツは普段着ているサイズのままでジャストフィットになるかと思います。スリムフィットのMで大きく感じる場合は、スリムフィットのSではなく、カスタムスリムフットのSを試してみましょう。スリムフィットとカスタムスリムフィットはそれぞれのサイズ間を補完し合う関係となっています。
ちなみに残りの一つのモデル・クラシックフィットは完全に別モノ。古き良きアメトラの香りが漂うボックスシルエットです。オーバーサイズ全盛の昨今ではクラシックフィットも注目を集めています。
横並びにしたら分かる通り、大体は似たようなサイズ感となっています。というか同じような着用感になるようにサイズ選びをしたので、当然の結果ではありますね。
特に着丈にはこだわっており、調べてたところスペック上では3着とも着丈は69cmとなっていました。個体差や洗濯による縮み具合の違いもあるでしょうが、着丈に関してはほぼ同じということです。
一方で身幅には若干の違いが見られます。上写真では左端を合せて3着を重ねています。
ラコステ(緑)を基準に考えると、フレッドペリー(黒)が幅狭で、ラルフローレン(白)が幅広なサイズ感となっています。それぞれ1cm程度の差ですが、ジャストフィットで着る場合はこの1cmが着用感やシルエットに影響を及ぼします。
次は肩のラインに合わせて袖丈を比較してみます。こちらもラコステ(緑)を基準に見るとラルフローレン(白)の方が短いことが分かります。フレッドペリー(黒)は袖の付け方が他の2着とは違うので分かりにくいですが、ラコステとほぼ同じ丈感となっています。
サイズ感まとめ
■着丈
■身幅
■袖丈
ディテール
生地
生地感は写真や文章ではなかなか伝わりにくいものなので、項目別に評価してみました。思いっきり主観なので、ご参考までに。
◆ラコステ「L1212」
1本1本が細くて長い特徴を持つ高級素材のスーピマコットンを使用。この中では最も柔らかく、光沢感の強い生地となっています。
厚み:★★
柔らかさ:★★★
光沢感:★★★★
◆フレッドペリー「M12」
他の2着と比べると目が詰まり、やや肉厚でしっかりとした生地です。
厚み:★★★★
柔らかさ:★★
光沢感:★★
◆ラルフローレン「スリムフィット メッシュポロシャツ」
オーソドックスな鹿の子生地。上質ではありますが、特筆するようなポイントはありません。強いて言えばコットンメッシュの通気性は他よりも優れているような気がします。
厚み:★★
柔らかさ:★★★
光沢感:★★★
襟回り
ポロシャツはシャツよりもシンプルな作りなだけに、襟回りというのは数少ないデザイン上で差をつけられる場所です。
◆ラコステ「L1212」
オーソドックスな襟型・前立て。というよりはL1212を構成する全てがポロシャツのオーソドックスであり基準なので、当然のことですね。
ボタンには天然貝を使用。生地の色味によって白蝶貝と黒蝶貝を使い分けています。光沢感のある生地と相まって、カジュアルウェアのポロシャツであってもドレッシーな印象を与えます。
◆フレッドペリー「M12」
細めな前立てが特徴。このポロシャツの場合は一番上のボタンまで留める着方がよく似合うのですが、それも収まりのよい細めの前立てのおかげでしょう。襟型はL1212とほぼ変わらず。
基本的には生地と同系統色のプラスチックボタンが使用されています。色付きなので仕方ありませんが、いかにもプラスチックという感じで質感はあまり高くありません。
◆ラルフローレン「スリムフィット メッシュポロシャツ」
主張の強い太めの前立てが印象的です。前立ての生地もしっかりとしているので、ボタンを外したときに前立てがよれることはありませんが、一方で写真のように一番上のボタンを留めると襟を邪魔してしまいます。ラルフローレンのポロシャツはボタンを外す着こなしが様になりますね。襟型は同じくオーソドックスなラコステ型ですが、リブ状の襟は肉厚で前立て同様にタフで男らしい印象を与えます。
プラスチックボタンですが、質感は高くそこまでチープな印象は受けません。
裾
◆ラコステ「L1212」
◆フレッドペリー「M12」
◆ラルフローレン「スリムフィット メッシュポロシャツ」
裾の形は三者三様。ラルフローレンのみタックインをした時に裾が飛び出ないように後ろ身頃が長くなっています。まぁ、このモデルはタックインできるような着丈ではありませんが。個人的には深めのスリットが入っている方が好みです。
価格
最後に価格の比較。いずれも日本の公式オンラインショップでの価格を参照しています。
◆ラコステ「L1212」
¥14,300(税込)
店頭やオンラインショップで購入できるものは全て日本製です。時期やカラーに関わらず、原則的にセールの対象にはなりません。
アマゾンや楽天で1万円以下の値付けで売られているものも見かけますが、それらはトルコ製やモロッコ製が主です。
◆フレッドペリー「M12」
¥14,300(税込)
M12は全て本国・イギリス製。こちらも基本的にはセールに掛かりません。
◆ラルフローレン「スリムフィット メッシュポロシャツ」
¥17,600(税込)
最も強気な価格設定です。ただし、他2つと違い直営店や公式オンラインショップでもセールの対象になります。(ブラック・ホワイト・ネイビーなど人気色は除外)
ネットでは極端に安価で売られているものもよく見かけますが、品質の保証はできません。さらに厄介なことは公式オンラインショップでも原産国が混在していること。少し値は張りますが、店頭での購入が一番安心です。
まとめ
主観多めの比較でしたが、いかがでしたでしょうか?
やはりラコステのL1212は名作です。他2つと比べると歴史的価値という側面を除外してもコスパは群を抜いているのではないでしょうか。
ポロシャツに1万数千円かけられることが前提ですが、まずはL1212をベースに検討して、カジュアルに寄せたければラルフローレン、デザイン性に振りたければフレッドペリーのM12といった具合で選んでいけば宜しいかと。あくまでもご参考までに。
最後に余談ですが、当初はブルックスブラザーズを加えた「ポロシャツ四天王」で企画していました。残念ながら、今はブルックスブラザーズのポロシャツを長袖しか持っていなかったので諦めました。
今回の3着と比べると価格が抑えめで、質も申し分ないのでおすすめです。ただ、今年になって1,000円値上がりした上でポリウレタン混合になったのは少し気がかり。機能性を重視した結果なのでしょうが、ブルックスブラザーズにはそれを求めていないんだよなぁ・・・。
今回は以上です。