トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

本物志向だけじゃない!リプロダクション オブ ファウンドのジャーマントレーナーをレビュー!

当ブログのシューズカテゴリーをご覧いただければお分かりいただけるのですが、テーマとして取り上げているのは革靴ばかりで、スニーカーが話題に上がることはほとんどありません。

改めて確認するとこのブログを始めて以後、一度もスニーカーは購入していないようです。(商品提供で頂いたことはありましたが。)

 

正直、断然革靴派です。

 

そんな私ですが、今年こそはスニーカーを手に入れようと決めていました。基本的に休日でも革靴で事足りると思っていますが、やはりスニーカーの方が向いている場面は確かにあり、そして今後はそのような機会も増えていく予定なので。

 

とはいえハイテクスニーカーを履く気にはならず、あくまでもクラシカルな物が良い。一方でわざわざスニーカーを履くわけなので、それなりの機能性は求めます。もっと言えば、トラッド趣味の強い普段の装いのまま、革靴をスニーカーに入れ替えてもきっちりハマる一足が欲しい・・・。

 

そこで目に付けたのがREPRODUCTION OF FOUND(リプロダクション オブ ファウンドのジャーマントレーナー。

 

異常なまでのこだわりを持って、過去のミリタリートレーナーを再現することで知られる本物志向のシューズブランドですが、この靴の魅力はそれだけじゃありませんよ。その辺もお伝えできればと思いますので、どうぞご覧ください。

 

【関連記事】

tradman-dc.com

tradman-dc.com

tradman-dc.com

 

 

リプロダクション オブ ファウンドについて

リプロダクション オブ ファウンドはここ日本で2016年に誕生したミリタリーに特化するまだ気鋭のシューズブランドです。

専門となればだいぶ珍しいかもしれませんが、ミリタリーシューズをデザインソースにしたスニーカーを扱うブランドなら山のように存在します。そのような中、このブランドが注目を集めているのは徹底してオリジナルを再現したこだわり様にあります。

 

主に1950年代~1980年代の軍用トレーニングシューズを取り扱っていますが、それらの見た目は当然として、生産地や製法まで当時と同じように揃える徹底ぶりです。直訳すると「見つけ出し再現する」という意味を持つブランド名をまさに体現しています。

 

しかし、単にオリジナルに近い物が欲しいのであれば、いっそのこと本物の支給品に手を出した方が手っ取り早いようにも感じてしまいます。実際にジャーマントレーナーなどはデッドストックを含む状態の良い個体が中古市場に溢れかえっています。それも意外と安価で。

一方で本物の軍用トレーニングシューズはあくまでも量産品なので、アッパーの質感や縫製の仕上がりはチープな物が多く、一般人がファッションに落とし込むのは少し難しいように感じます。また、トレーニング用といえども最新のスニーカーと比べると決して履き心地に優れているわけでもありません。

その点リプロダクション オブ ファウンドの手掛けるシューズはあらゆる視点でオリジナルを可能な限り再現しているものの、単なるレプリカにとどまらず、雰囲気を崩さない絶妙なバランスで随所に現代的なアップデートが施されています

ガチなミリタリーファンがどのように思っているかまでは知りませんが、ルーツを重んじた本物志向と丁寧な作りはスニーカーフリークだけではなく革靴好きの間でも評判となっているようです。

 

リプロダクション オブ ファウンドのジャーマントレーナーをレビュー

概要

リプロダクション オブ ファウンドの代名詞的存在となっているモデル「GERMAN MILITARY 1700L」。マルジェラやアディダスがサンプリングしていることで有名ないわゆるジャーマントレーナーを再現しています。その名の通り1970年〜1980年代に西ドイツ軍で採用されていたトレーニングシューズで、つま先を補強するためのスエードの切り替えが特徴です。

生産地はオリジナル同様にスロバキア。しかも実際に当時ジャーマントレーナーを手掛けていた工場を探し出してから、職人のハンドメイドにより一足一足作られいるそうです。日本のブランドが国外に外注する場合はコスト低減を目論んで中国やベトナムで生産することがほとんどだと思いますが、そういうのとは全くワケが違います。

オリジナルのジャーマントレーナーもすっきりとしたシルエットですが、こちらではより洗練された細身の木型が使われています。また、厚みのあるカップインソールを採用することでクッション性も良好。以前古着屋で見かけた支給品を試着した際に履き心地がそこまで良くなかった記憶が強く残っていたので、その点に関しては良い意味で期待を裏切られ、購入に至る大きな動機付けとなりました。

 

このモデルに限らず、ジャーマントレーナーといえばホワイトの印象が強いかと思いますが、同ブランドの中でも人気モデルということもありカラーバリエーションも充実しています。その中から私が選んだのはPANNA(パンナ)と表記されたやや黄色成分が多めに入ったオフホワイト。真っ白なレザースニーカーは既に持っているということもありますが、私のワードローブの多くを占めるベージュ~ブラウン系統の服と相性が良さそうと感じたからです。ブラウンの革靴の代わりに使うイメージですね。

 

コート系スニーカーのようにジャケットスタイルに合うとまでは思っていませんが、クラシカルでシンプルなデザインと馴染みの良い色味は私が組む様々な装いに嵌ります。

ディテール

アッパーにはもっちりと柔らかくシボ感のあるナッパレザーと滑らかなスエードを使用。新品時点では小綺麗な感じではありますが、ミリタリー出自ということもあってか汚れも様になりそうな雰囲気があり、素敵な経年変化だって期待できそうです。

素朴な風合いのコットン製シューレースはアッパーと同色に合わせられています。オリジナル同様ハトメは内側。

 

すらっと上に伸びる踵も元ネタとなっている時代の特徴で、ホールド感の高い履き心地にも繋がっています。

 

ライナーとインソールはピッグレザーが使われています。牛革よりも摩擦に強く、通気性にも優れているので内側に持ってくる素材には適しています。

 

また、インソールにはサンプリング元の年代や生産国が刻印されています。目に付く箇所にはブランドロゴなどは一切ない匿名性の高いデザインだけに、こういったさり気ない演出が刺さりますね。

 

カップインソールなので中敷きはとりは外し可能。こうしてご覧いただくとクッション素材の厚みとその弾力性がよく分かります。

 

アウトソールにはオリジナルのジャーマントレーナーでも使われていた「BW SPORT」のガムソールを搭載。ドイツ軍お墨付きのグリップの効いた機能性はもとより、なんとも言い難いレトロな雰囲気にも惹かれます。

 

ちなみにアッパーとアウトソールの取り付けには、接着剤ではなく今となっては希少なヴァルカナイズ製法が採用されています。当然これもオリジナル仕様。

 

サイズ感

参考までにこちらが私の足のサイズ。平均的な身長に対して足はやや小さめ。スニーカーだと25.5~26.0cm、革靴だとUK6.0やEU39前後を選ぶことが多いですね。

 

試着を重ね、だいぶ迷いましたが、最終的に選んだのはサイズ41。一般的なスニーカーでいうところの25.5cm〜26.0cmに相当するそうです。

 

この靴のサイズ感については、各オンラインショップのユーザーレビューを覗いてみると幅が狭いという意見をよく見かけますが、私としてはそこまで細いとは感じませんでした。いや、確かに細いは細いのですが、馴染深いコンバースのオールスターの方が全然細いので違和感を覚える程ではありません。

 

それよりも気になったのは縦の長さ。いつものスニーカーサイズで選ぶとつま先に2.5cm程の隙間が生まれてしまいます。かといって縦に合わせてサイズを落とすと幅がタイトになってしまうのが難点。革靴ならそれでも良いのですが、アッパー素材が柔らかいこともあってパツパツだと足の形が浮き出てしまいあまりかっこよくないです。

 

それなら多少のつま先の余りには目を瞑って、幅をジャストで合わせた方が見栄え的にも良いかなと思った次第です。甲もやや低めでホールド感は高いこともあり、靴の中でスリップしてつま先を痛める程ではないので、慣れればそこも大して気になりません。

 

ともかく、平均的な日本人の足形なら縦は余るはずなので、そこに気を取られすぎず幅を合わせることを優先してサイズを選んでみてください。

 

着用イメージ

■チノパン(ベージュ)

やはり同系統色のベージュとは抜群に馴染みが良い。それと感覚的な話になってしまいますが、このシューズにはある程度ボリュームのあるパンツの方が合うような気がしています。

 

■ウールスラックス(ブラウン)

白なら完全に浮いてしまう深めのブラウンとも合わせられるのがこの色の強味。無駄のないシンプルなデザイン、洗練されたシャープなシルエットなのでこのようなドレスパンツと合わせて大人コーデに組み込むことも可能です。

 

カーゴパンツ(オリーブ)

おそらくオリーブ系のパンツの場合も白よりこっちの方が馴染みは良さそう。パンツとシューズが共にミリタリー由来になりますが、土っぽくなりすぎないのはそれぞれのアイテムが持つ上質な雰囲気ゆえ。

 

■ホワイトデニム

白×白だと難易度が高そうですが、シューズを黄みがかったオフホワイトに変えることで割と普通に履けそう。

■インディゴデニム

試してみた中で唯一微妙だったのがこれ。なぜかは理論的に説明できませんが、インディゴブルーならクリーンな白スニーカーもしくはカジュアルな黒・茶の革靴が無難かなぁ。

 

まとめ

ここ数年、ジャーマントレーナーはトレンドアイテムのような扱いをされていたため、偏屈な私はどこか邪険にしていた節もありましたが、よくよく考えてみるとクラシカルなルックスや軍用ルーツの機能性はまさに探し求めてたそれだったんですよね。

 

特にリプロダクション オブ ファウンドの物はシルエットや素材感がどことなくドレス寄りなので使いやすい。あとやっぱり色が良い。意外とあの感じの色味って見ないような気がします。

 

今のところジャーマントレーナーしか実物を拝見できていませんが、このブランドでは他にもイギリス軍やフランス軍など様々な国と年代をサンプリングしたシューズを取り扱かっているみたいなので、機会があればチェックしてみたいと思います。

 

今回は以上です。