トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

お詫びと訂正。バーウィックのプレーントゥについて。

やってしまいました。

 

昨年6月にアップしたバーウィックのプレーントゥに関する記事で、思いっ切り間違った情報を載せてしまいました。

 

些細な内容ならまだ良いのですが、肝心のアッパー素材を誤認識してまいした。具体的には当初の記事タイトルにまで書いていたガラスレザーではなく、似て非なる別の素材だったことが最近になって発覚したのです。

 

該当記事は既に訂正済みですが、よりによってバーウィック関連は当ブログの中でも比較的アクセスが多く、延べ1万回以上の閲覧があっており、微々たるレベルではあれど全く影響がないわけでもなさそうなので、改めてこの記事で経緯と訂正内容の詳細を報告させていただきます。

 

【該当記事】

tradman-dc.com

 

 

発覚までの経緯

このバーウィックのプレーントゥはオンオフ問わずに雨の日に履ける革靴というコンセプトでと色々と検討していた中で見つけた一足でした。

 

私の中で雨用革靴といえばガラスレザー一択だったので、ある程度的を絞って物色していました。そんな折に店頭で見かけたバーウィックのプレーントゥ「3680RODABK」は一般的な表革とは明らかに異なる光沢を纏っており、疑いもなくガラスレザーだろうと決めつけて手に取りました。

 

いつもなら購入前にネットで調べたり、店員さんに話を聞くものですが、その時に限って試着して即決だったと記憶しています。シルエットも含めそれぐらい理想的だったんですよね。

 

訂正前の記事ではアッパー素材を「一般的なガラスレザーより光沢が控えめで安っぽさを感じない」と評していたので、何らかの違いを感じ取っていたものの、「物が良いからなんだろう」ぐらいに留めていました。

 

ところが明確に違和感を覚えることが起こります。

 

まずは靴磨きの時にです。ガラスレザーは表面を樹脂でコーティングされているため靴クリームを塗っても弾かれてしまうので、基本的にはブラッシングと乾拭きぐらいしかしないのですが、他の靴を磨いたついでになんとなくクリームを塗り込んだところ、わずかではあるもののクリームが革に浸透していくような感覚があったのです。

 

そしてもう1つは経年変化の様子です。ガラスレザーの場合その性質上、変化といっても小キズが付いたり、樹脂のひび割れぐらいしか起こらないのですが、件のバーウィックのプレーントゥは徐々にテカテカとした光沢が薄れ、スムームレザーのようなナチュラルな質感に近づいているように感じました。

 

「これは何かおかしい・・・」「俺の知ってるガラスレザーじゃない」と思い、情報は少ないながらも色々と調べる中でガラスレザーとは似て非なる別の素材と結論付けた次第です。

 

では、このアッパー素材はなんだったのか?

 

それはオンラインショップの製品紹介にも書いている通り、スペインのピクーサ社が手掛ける「ROIS」というコーティングレザーなんだそうです。

 

じゃあコーティングレザーってなんだよって話ですが、それは後程解説していきます。

 

そもそもガラスレザーとは

唯一所有するガラスレザーの靴)

コーティングレザーとはなんぞやと論じる前に私が誤認してしまったガラスレザーについて整理しておきましょう。

 

ガラスレザーの定義を調べてみると押し並べて以下のように解説されています。

ガラスレザーとは鞣した革をホーロー板やガラス板に貼り付けてから乾燥させた後、表面をサンドペーパーで擦り、その表面を合成樹脂で塗装した革。

 

ガラスのように光沢のある質感にちなんでガラスレザーと呼ばれているのかと思いきや、その工程に由来しているみたいですね。これも勘違いしていました。まぁ「ガラス板に貼り付けてから乾燥させた」というのもあまりイメージが湧かないところではありますが・・・。

それよりも重要なのは「表面をサンドペーパーで擦り」という部分の方かもしれません。表面を削ってしまうということは、もともとある傷や汚れを誤魔化すことができるので、原皮のグレードはB級品や規格外品でも構わないのです。ゆえにガラスレザーは安価な素材とされています。確かに傷や汚れは目立ちませんが、本革特有の質感は大きく損なわれてしまうので、好き嫌いが大きく分かれてしまいます。

 

バーウィックのコーティングレザー「ROIS」について

バーウィックのコーティングレザー)

では改めてバーウィックがコーティングレザーと称している「ROIS」とは何なのか。調べているとバーウィック公式にQ&A形式で掲載されていました。

参照:FAQ|よくあるご質問 – バーウィック オンラインストア

 

正直この説明だけだと分かりにくいところではありますが、ワックスで蝋のような成分の塗膜を作り、仕上げとして薄く樹脂加工を施していると私は解釈しました。ガラスレザー同様に表面は樹脂塗装されているものの、その膜は薄いので靴用クリームも浸透するということでしょうか。いずれにせよバーウィックとしてはガラスレザーとは別物という認識のようです。

 


www.youtube.com

ちなみにこちらのYouTube動画でもアニキこと片野 英児さんの「ガラスレザーっぽい・・・」という発言に対して直営店の方が別物である旨を軽く説明されていました。

 

また、先のQ&Aでも特に言及されていなかった通り、ガラスレザーの定義でもある表面を削る工程はおそらく経ていないものと思われます。その証拠に表面をよく見るとポツポツと小さな毛穴を確認することができます。これがガラスレザーだともっと均一的で無機質な質感に仕上がるので、バーウィックのコーティングレザーは見た目の上でもよりスムーズレザーに近い素材と言えるでしょう。

 

一方で本来の目的で、ガラスレザーに求めていた撥水性という面でも申し分ありません。購入から1年経過して、結構な頻度で履いてきたので表面のコーティングも多少は落ちてきている可能性もありますが、上画像のように水分をしっかり弾いており、アッパーに雨水が染みてしまったなんて経験は一度もないですね。

 

完全に勘違いしていましたが、結果としてガラスレザーに求める撥水性を備えていながら、より革本来のナチュラルな質感を感じられ、クリームを塗り込むことで風合いの変化を楽しむこともできる、ある意味良いとこ取りの素材だったので結果オーライというこにしておきましょう。

 

まとめ

個人的には結果オーライとはいえ、いちブロガーとしてはちょっとマズかったですね。こんなことだからGoogleからも評価されないんだな。

 

しがない個人ブログですが、一定数の方にはご覧いただけているわけなので、そのことを肝に銘じて正しい情報を発信できるように努めようと思います。

 

今回は以上です。