なんとか梅雨に間に合いました!
雨が降ろうが槍が降ろうが仕事には革靴を履いて行くわけなので、雨天時用の物を用意しておく必要があります。
私の場合、リーガルのガラスレザーシューズが長年その約割合を担っていましたが、購入から8年程経過していて既に限界を迎えていました。
今年こそは買い替えようと思いつつも、なかなかイメージするような物が見つからず、気が付けば5月になっていましたが、ようやく決着です。
購入したのは人気上昇中のスペインブランド Berwick(バーウィック)のガラスレザープレーントゥ。バーウィックは昨年に続き2足目ですね。
ビジネスはもちろん、カジュアルにも使いたいというわがままにも応えてくれる全天候型万能靴です。
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バーウィックについて
バーウィックについては過去記事でも紹介していますので、おさらい程度に軽く触れておきます。
正式名称は「Berwick1707」。その表記から1707年創業と勘違いされがちですが、実際のところは1991年に誕生した比較的新しいスペイン発のシューズブランドです。
スペインの革靴は色気溢れるイタリア靴と質実剛健な英国靴の中間と形容されることがありますが、バーウィックの場合はどちらといえ英国寄り。華美になりすぎることなく、中庸でクラシカルなデザインの靴が揃い、本格紳士靴の代名詞であるグッドイヤーウェルト製法がメインとなります。
また、価格高騰が続く革靴業界において、安定したクオリティに対しリーズナブルな価格に定評があります。3万円前後がボリュームゾーンとなっていて、革靴初心者でも手に取りやすく、ここ日本でも徐々に知名度を高めている注目の存在です。
バーウィックのガラスレザープレーントゥをレビュー
概要
雨天時用の革靴として適しているアッパーの素材として、伝統的なオイルドレザーや先進的なGORE-TEX(ゴアテックス)あたりが選択肢に挙がりますが、耐用年数や防水性能の信頼度を考えると、個人的にはやっぱりガラスレザーが一番じゃないかなと思っています。
アウトソールは言うまでもなくラバーソール一択です。また、製法はグッドイヤーが望ましいですね。マッケイだと靴底とインソールが直接縫い付けられているため、糸を伝って水分が内部に浸み込んできます。
これらの前提条件に加え、ビジネスにもカジュアルにも使いたいという願望がありました。いつもはオンオフ兼用なんてしないんですが、靴箱のスペース的に雨の日用の靴は一足に留めておきたかったので。そうなればデザインは外羽根のプレーントゥが無難でしょうか。
しかし、ひとえに外羽根プレーントゥといってもポストマンシューズ的な丸っこい靴から、艶やかなロングノーズまで多種多様。イメージするとこだとチャーチのシャノンですが、あれって今だと15万円以上しますからね(笑)。
そんなこんなで今回の靴選びは意外と難航しました。
そうした中、最終的に購入を決めたのがバーウィックの「3680RODABK」というモデル。「3680」がデザイン、「RO」がアッパー素材(ROIS/ピクーサ社)、「DA」がアウトソール(ダイナイトソール)、「BK」がカラー(ブラック)を表しています。
『外羽根プレーントゥ+ガラスレザー+ラバーソール』という条件に合致するモデルがバーウィックには3つも存在するのですが、その中でもこの「3680」は太すぎず細すぎない中間的なシルエットで、まさに私のイメージ通り。どことなくシャノンっぽくもあります。
シルエットの比較として私が所有するもう1足のバーウィックと並べてみました。画面左の「5270」はバーウィックを代表するドレス専用ラスト「925」を採用したモデル。そんな純然たるドレスシューズと比べると、ややボリューム感のあるラウンドトゥが目立ちますが、全体で見るとそこまで大きくは変わらない、意外とすきりとしたシルエットであることが分かります。
ノーズはやや短めですが、甲の高さはある程度抑えられ、真上から眺めた時とはまた違ってスマートな印象を受けます。
このように雨天時用として申し分ない性能に加え、ドレスにもカジュアルにも振れる絶妙なシルエットが決め手となりました。
あと価格も大事ですね。どうしても雑な扱いになってしまう雨靴代わりに何万も出せる程お財布事情に余裕はありませんので。その点コスパに定評のあるバーウィックなので、安定の3万円台で手に入れることができました。
ディテール
アッパーにはスペインの老舗タンナー「ピクーサ社」のガラスレザーを使用。正直ガラスレザーの良し悪しはあまり判別が付かないのですが、薄めにワックスコーテイングがされているため、この素材特有の光沢は控えめ。懸念される安っぽさは感じません。
側面にはウェルトがL字に盛り上がったストームウェルトが採用されています。一般的なドレスシューズで採用される平面ウェルトと比べると段差があるので水分の侵入を防ぐ役割があるとされています。なんせストーム(嵐)っていうぐらいなので雨には強いはず。一方でコバの張り出し具合はそこまで目立ったものではないので、上手くバランスは取れているかと思います。
5アイレットの内ハト目。これが結構重要で、ハトメの金具が外に露出していると、一気にカジュアルな印象が強くなってしまいます。実は当初サンダースのオフィサーシューズも検討していましたが、現行モデルだと外ハトメに変更されていたので、候補から外れたという経緯もありました。
ブランドロゴが印字されたレザーインソール。バーウィックのインソールはなかなか良い具合に経年変化するので、結構気に入っています。
アウトソールにはイギリスのハルボロ・ラバー社が展開するダイナイトソールを装着。高いグリップ性能を持つ一方、ビブラムソールやリッジウェイソールといった他のラバーソールと比べると薄く、ドレスシューズとも高い相性を発揮します。
サイズ感
参考までにこちらが私の足のサイズ。平均的な身長に対して足はやや小さめ。スニーカーだと25.5~26.0cm、革靴だとUK6.0やEU39前後を選ぶことが多いですね。
バーウィックは全体的に大きめに作られているブランドなので、前出のドレスシューズ「5270」では、いつもよりハーフサイズ下の5.5を選んでいましたが、今回購入した「3680」では前回よりサイズを上げて6.0を選んでいます。
プレーントゥの「3680」の方がやや幅広なラストが採用されているので、本来であればサイズアップすることはないのですが、それにはいくつかの理由があります。
まずはガラスレザーなので、スムースレザーと比べてアッパーはそこまで伸びないと予想されること。次に「5270」を1年間履いた上で、思っていたよりインソールが沈み込まなかったということ。そして最後に雨天時用なので、雨で濡れた傘を手に持っているケースが想定され、靴の着脱に手間を取られたくないので、サイズ感はジャスト~ややルーズなぐらいが良いだろうと考えたからです。
タイフィット信者の私からしたら、少し緩めのフィッティングですが、今回のケースではこれぐらいで良いでしょう。
着用イメージ
まずはスーツのスラックスと。うん、そんなに悪くはないと思います。ストレートチップを100点としたら70点ぐらいはあるんじゃないんですかね。雨の日は基本的にオフィス外に出ないので、多少は妥協します。
今度はカジュアルパンツの代名詞デニムと合わせてみます。オールデンの「990」をはじめ外羽根プレーントゥはアメトラ&アメカジの定番でもあるので、この組む合わせは間違いないでしょう。カーキの軍パンなんかとも相性抜群です。
履きジワはどんな感じ?
ガラスレザーシューズと履きジワは切っても切れない関係。物によっては結構残念な感じになってしまうので、シワの入り方は気になるところです。
ここ数日雨模様が続いた影響で、既に4回程着用機会がありましたが、それで付いた履きジワがこれです。今のところ目立つような深いシワは入っていません。薄塗のコーティングなので、あくまでも自然な感じ。
まとめ
雨の日の装いは本当に難しい。ある程度の妥協は必要ですが、それでも気分が上がる物を身に着けていたいというのが服好き・靴好きの性ではないでしょうか。
その点今回購入したバーウィックのはガラスレザープレーントゥは機能性・デザイン・価格といずれの面から見てみバランスが良い、まさにちょうどいい靴だと思います。
専ら雨天時専用になる予定ですが、逆に靴箱内では唯一無二の立ち位置なので、きっと出番は多くなるはずです。
それにしてもバーウィックは良いですねベーシックなデザインが中心で種類も豊富。コスパの面でも最高クラスじゃないでしょうか。
何気にオンラインストアも見やすくて良い。
取り扱い店がもう少し増えればというところですが、これからさらに人気が出そうな気はしますね。
今回は以上です。