ノーネクタイやジャケットなしは当然として、最近ではクールビズの一環としてポロシャツという選択肢も市民権を得るようになりましたね。
とはいえ本来カジュアルアイテムのポロシャツをビジネスでどのように取り入れたら良いのかは悩みどころかもしれません。
そこで今回は私なりに考えるクールビズに向いていぶったるポロシャツとその着こなしについて述べていきます。結局のところ職種や企業の社風によるところではありますが、参考までにご覧ください。
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クールビズに向いているポロシャツとは?
素材
ポロシャツの素材を大きく2つに分けると鹿の子ポロとニットポロに分類されます。正確に言うと鹿の子もニットの一種になるのですが、ここではハイゲージ素材の物だけをニットポロと呼ぶことにしましょう。
上画像にもあるラコステ(左:鹿の子)とジョンスメドレー(右:ニット)がそれぞれの代表格となり、ざっくりとした質感で表面に凹凸のある鹿の子ポロはカジュアル、つるっとした手触りで編み目もほとんど見えない程に緻密なニットポロはドレッシーになるとされています。同じポロシャツとはいえ素材が違うと印象は全く違ってきますね。
であればビジネスの場ではドレス寄りなニットポロが良いのではと考えるかもしれません。ある意味正解です。ただ、ニットポロは日々のケアに手がかかる物が多く、耐久性も決して高くはありません。ついでに鹿の子ポロより高額になりがちです。シャツも同じですが、如何せん毎日のことなので扱いやすさや手頃さというポイントを疎かにはできないはず。
その点鹿の子生地はガンガン洗濯機で回してもそう簡単にはヘタレませんし、もともスポーツ用として誕生した素材なので吸水性・速乾性に優れているので酷暑を凌ぐためのクールビズ本来の役割も果たせます。あくまでもデイリーウェアと考えればニットポロより鹿の子ポロの方が適していると私は考えます。
まぁ、ニットポロの方がドレス感は高いということについては全くの異論はないのですが、仕事着としてシャツではなくポロシャツを選んでいる時点で、そこまでドレス・カジュアルにこだわりすぎる必要はないのかなと。私の場合、仕事を含む普段使いを鹿の子ポロ、休日のお洒落着をニットポロというふうに使い分けます。
色
こちらは実際に私が仕事で着ているポロシャツになります。その中でも最もベターなのはホワイトです。ビジネスにおいて重要な清潔感はもちろんのこと、さわやかな真っ白は夏の日差しによく映えます。またホワイトから派生して少しくすんだオフホワイト~ベージュ系も使いやすいですね。
色物であれば断然ネイビーです。仕事でネイビーのシャツを着ている方はあまりいないかと思いますが、ネイビージャケットの代用と考えていただければイメージが付くかもしれません。誠実で落ち着いた印象を与えてくれるネイビーはいつだって男達の心強い味方です。
逆にジャケットで使われないような色味は少し難しい。例えば赤とか。もし赤系を選ぶのであれば画像の一番右にあるボルドーのように深い色味の方が使いやすいかと思います。また、ビビッドな原色系や淡いペールトーンもビジネス使いなら避けた方が無難でしょう。
それと意外と気を付けた方が良いのはグレー。ビジネス向きとして本来ならネイビーと双璧となる定番カラーになるのですが、時季を考えるとどうしも汗染みが気になります。特に脇辺りが。やっかいなことに夏に適した明るめのグレーほど目立ってしまうので、選ぶのであればチャコールに近い色味の方が安心です。
デザイン(柄・ワンポイント)
まず柄についてですが、基本は無地を選ぶべきです。ポロシャツの柄といってもボーダーぐらいしかありませんが、縦線のストライプと違い横線のボーダーは極端にカジュアルな印象が強く出てしまうので、ビジネス向きではありません。シャツに置き換えてもらうと分かりやすいですかね。ボーダーシャツなんて誰も仕事で着ていませんよね。また、フレッドペリーのM12のように襟にだけラインデザインが入るポロシャツもよく見かけますがこれも同様におすすめはしません。
続いて多くのポロシャツに付いているワンポイントロゴについてですが、これは割と職場によって分かれるかもしれません。明確にワンポイントロゴは禁止と規定している企業もあるそうです。ただ、禁止されていないのであれば個人的にはOKだと思います。理由は簡単。ポロシャツにとってワンポイントロゴは付いていて当然なものだからです。
話が長くなるので詳細は割愛しますが、ワンポイントロゴというアイデアを最初に取り入れたのがポロシャツのオリジンでもあるラコステでした。その後多くのブランドがポロシャツでワンポイントロゴが採用されてきた歴史があります。つまり正当性が高い。ドレスシャツにワンポイントロゴが付いていたらそれは単なる邪道な装飾ですが、ことポロシャツにおいては事情が違います。まぁ、ここは感覚的な問題ですね。
襟型
一般的なドレスシャツではこのように襟の土台となる首周りを覆う帯状のパーツが備わっています。台襟と呼ばれる箇所になるのですが、これがあることによって襟が立ち上がり、ネクタイも通しやすくなります。
一方でポロシャツの場合は台襟が省かれている物が多いのですが、中には台襟が付いたタイプのポロも存在します。台襟が付いていた方がシャツに近い見た目となりドレッシーな印象となり、よりビジネス向きだと語られることもあります。
ただ、個人的には別にどっちでも良いですね。「素材」の項目でも書きましたが、シャツではなくポロシャツを選んでいる時点で、そこまでこだわる必要はないように感じます。どこかのネット記事で台襟なしのポロシャツはビジネスでNGなんて書かれているのを見かけたことがありますが、そんなことは全くないと思いますよ。
ついでに襟関係でもう1つ。完全に個人的な趣味になりますが、たまに見かけるボタンダウンタイプのポロシャツは私は選ばないですね。ボタンダウンシャツは好きなのですが、ポロシャツになった途端に妙にダサく感じてしまいます。
サイズ感とシルエット
ドレスシャツで考えていただければ分かりますが、ポロシャツも同様に細すぎず太すぎずが基本。私としては上画像ぐらいのフィッテイングが理想的です。
※先程より1サイズアップ
ただ、どうしてもポロシャツはボディラインが出やすいのでもう少しゆとりを持たせてあげても良いとは思いますが、それでもこれぐらいがギリギリですかね。プライベートではオーバーサイズ志向の方でも仕事で着るならある程度すっきりとしたシルエットでまとめておきたいところです。
タックイン or タックアウト
これはポロシャツそのものより着こなしの話になってきますが、タックインの是非についても触れておきましょう。
ビジネスの場で着るシャツであれば当然タックインすることになりますが、じゃあポロシャツも同じようにタックインするのかといえば正直微妙。ダメじゃないものの、何も考えずにインしちゃうと昭和のおじさん感が溢れ出しちゃいます。
今っぽくお洒落にタックインするためのテクニックもありますが、それをすると今度はファッションぽくなりすぎて職場によっては浮いてしまう可能性があります。
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多くのポロシャツはタックアウトを前提とした形になっているので、特にこだわりがなければ裾は出しておくのが無難です。
それで結局のところ何を買ったら良いの?
当ブログをご覧の方であればもうお察しかと思いすが、私がおすすめするポロシャツはラコステの定番モデル「L1212」です。
上質な素材感とバランスの良いシルエットを備えた名作はビジネスでも重宝すること間違いありません。
ただ、ラコステはそれなりにいいお値段なので、そこまでポロシャツにお金をかけられないよという方はユニクロでも十分。ユニクロにはかなりの種類のポロシャツが揃っていますが、選ぶべきなのは「ドライカノコポロシャツ」です。
機能性を高めるため生地に多少のポリエステルが混紡されているものの質感はそれなりに満足できるレベルで、シルエットや襟型なんかはラコステのL1212そのもの。なによりラコステ1着分でユニクロ5着(=平日1週間分)が揃う圧倒的なコスパも魅力です。
ポロシャツを使ったクールビズの着こなし
最後にポロシャツを使ったクールビズにおいて、私なりに考える着こなしのルールをお伝えします。
言うまでもないことですが、クールビズの「ビズ」はビジネスを意味します。であればポロシャツを取り入れるとはいえ、全体として見た時に一定のドレス感は必要です。
そのためにパンツにはきれいなウールスラックスを選びます。真夏にウールは暑そうと思われるかもしれませんが、トロピカルやフレスコなどの春夏素材であればそのようなことは全くありません。むしろコットンの方が蒸れて暑い。シルエットはすっきりとしたポロシャツに合わせてあまり太すぎない物が良いでしょう。
シューズに関して、ポロシャツOKの職場ならスニーカーも許容されている場合も多いかもしれませんが、ドレス要素を意識するなら足元はやっぱり革靴です。ただ、気を付けなくてはならないのはトップスとのバランスです。スーツの時に履くようなストーレートチップと合わせると格式とボリューム感がミスマッチになってしまいます。その点では適度にカジュアルで軽快なローファーが最適解だと思います。
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ちなみに私はローファーを素足風に履くことを否定していませんが、それはあくまでもカジュアルシーン限定の話なので、ビジネスの場では必ずロングホーズを履きましょう。
まとめ
結局のところ色とサイズ感にさえ気を付けてもらえれば、割となんでもいいんじゃないというお話でした。
つまり気負う必要はないとうこと。職場で許されるのならもうポロシャツ着ちゃいましょう。この暑さは異常です。
多少の暑さを凌げますし、押さえるべきポイントを意識すればビジネスの場にも相応しい装いをすることもできますよ。
今回は以上です。