夏の装いにバリエーションを持たせるため、オープンカラーシャツ(開襟シャツ)に挑戦してみたいなと以前から思っていて、今年は本腰を入れて色々と物色していました。
・・・で、購入したのがこのMaria Santangelo(マリアサンタンジェロ)のシャツ。
プルオーバーだし、長袖だし、まさかのオレンジだしで当初イメージしていた物とはだいぶ違いますが、妙に惹かれたんですよね。
まるでリゾート気分にさせてくれるような「エレガンス&リラックス」なシャツをご紹介します。
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マリアサンタンジェロについて
家業としてシャツ作りに携わっていたマリア サンタンジェロ女史により、1953年にイタリアのナポリにて創業したシャツ専業ブランド。
現在の経営トップは代替わりして、息子のヴィンチェンツォ氏が2代目として手腕を振るい世界的に認知されるブランドへと成長を遂げていますが、代々受け継がれた伝統的な手法は変わらずに守り続けられています。
イタリア南部のシャツブランドということで、例に漏れずマリアサンタンジェロもハンドメイドをセールスポイントに挙げていますが、決してこれ見よがしではなく、あくまでも要素の一つとして部分的に取り入れている程度。モデルにもよりますが、ミシンと手縫いを使い分ける、実用性と趣味性のバランスに長けたカミチェリア(=シャツ屋)です。
マリアサンタンジェロのリネンプルオーバーシャツをレビュー
概要
正統派ドレスシャツを中心にラインナップするマリアサンタンジェロの中では少し珍しいカジュアルアイテム。一応定番として毎年リリースされているみたいです。
プルオーバーシャツなんて久々に買いましたが、普通のシャツにはない完全にリラックスしきった空気間が特徴的。程よくゆとりを持たせたシルエットがその気分をより高めてくれますね。
でも、ただただラフなだけじゃないのが、マリアサンタンジェロらしいところでもあります。上質なリネン生地や襟周りの雰囲気、ボタンの付け方一つ取っても美しい。ここら辺は流石。
着心地は楽でカジュアルなのに一定の品格もある。まさに海辺のリゾート地で過ごすのにピッタリなシャツですね。残念ながらそんなところ行く予定は立っていませんが、せめて気分だけでも味わいたいところです(笑)。
素材感やシルエットが魅力的なシャツですが、購入の決め手というか、きっかけになったのはこの生地の色味。表記はオレンジとなっていますが、所謂テラコッタに近い茶色がかったオレンジですね。秋冬向けのニットだと定番カラーですが、春夏向けのシャツ(特にリネンシャツ)としてはあまり見かけない色かもしれません。
はっきりとしたオレンジと比べると落ち着いたトーンで大人っぽさを感じさせる一方で、夏の強い日差しにもよく映えそうなこのカラーに一目惚れでした。
ちなみに、このモデル自体はいくつかのセレクトショップで取り扱いがありますが、同じ色(オレンジ)はビームスでしか見当たらないので、別注カラーなのかもしれません。
ディテール
イタリアの3大生地メーカーの1つとして数えられるALBINI(アルビニ)社製、やや厚手のリネン生地。シャツというよりはジャケットやパンツなんかで使われるそうな素材感ですね。かといって一般的なリネンシャツと比べて暑苦しいということはないと思います。また、しっかりとハリのある生地なのでリネン特有のシワは深めに入ります。私は嫌いじゃないです。
台襟なしのワンピースカラーは、美しいロールを描き、やや小ぶりな襟型も相まって優雅な印象を与えてくれます。また、通常第一ボタンに位置する首元のボタンが省かれているので、オープンカラーシャツのように見返しの上部を軽く折り曲げて着用します。
ナポリ系のシャツブランドでよく見られる肩回りのギャザーは入らず、イセ込みも控えめ。あくまでも自然な感じです。
表からは少し分かりにくいですが、裏返すと袖付けは手縫いされていることが確認できます。
適度に厚みがあり、美しい光沢を放つ白蝶貝のボタン。縫い付けはひと手間かけた鳥足掛けが採用されています。
袖口はこんな感じ。カフスには軽めの芯地が使われているようです。
ブランドイニシャルがプリントされたガゼットもおそらく手縫いでしょうか。
後ろ姿は至ってシンプルで、プリーツやダーツの類は入りません。
サイズ感とシルエット
身長173cm 体重65kg 肩幅44cm 標準体型の私が選んだのはMサイズ。
インポート物ということで、まずはいつも通り、最初にSサイズを試着しましたが、肩回りがやや窮屈に感じたたのでサイズアップさせています。普通のドレスシャツならSサイズのフィッティングでも気にならない程度ですが、プルオーバーシャツはゆるく楽に着たいので。
代わりに袖丈は少し長め。まぁ、どうせ腕まくりしてきるのであまり関係ないのですが。着丈はタックインすることも想定しているので、これぐらいの長さでもOK。
着用画像は未洗いの状態ですが、一度洗濯機にかけると袖丈と着丈は思ったより縮みました。正確には測っていませんが各2cmぐらいでしょうか。結果、ちょうどいい感じの丈感になっています。
ウエストのシェイプはほぼない直接的なボックスシルエットです。適度にゆったりとしてリラックス感があるものの、巷に溢れるオーバーサイズとは違い、決してルーズになりすぎることはない、大人が着るに相応しいカジュアルシャツに仕上がっています。
コーディネート
シャツ:Maria Santangelo(マリアサンタンジェロ)
パンツ:YCHAI(イカイ)
シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
ホワイトデニムと合わせて、なんとなくリゾートっぽいコーデ。あくまでも街着としてなので、ゆるくなりすぎないように足元はレザーシューズでまとめます。
シャツ:Maria Santangelo(マリアサンタンジェロ)
パンツ:IGARASHI TROUSERS(五十嵐トラウザーズ)
シューズ:Paraboot(パラブーツ)
個人的にはタックインさせるのも好き。ある程度身幅があるので、ウエスト周りでふんわりと生地が弛む感じが良いですね。ただ、グレーのパンツと合わせるならもう少し明るいトーンが正確だったかも。
まとめ
夏の装いはワンパターンかつ地味になりがちな私なので、この華やかなシャツはワードローブの中でも確かな存在感を発揮してくれそうですね。
それにしてもやっぱりリネンって良いですよねー。別に特別涼しいってわけでもないんですけど、ちゃんと季節の素材を楽しむってのはファッションの醍醐味だと思います。
ということで、リネンのアイテムをもう1つ別に購入しているので、そちらはまた後日。
今回は以上です。