トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

ジャランスリワヤとバーウィックは結局どっちがおすすめ?それぞれの特徴を比較してみよう!

アクセス数の90%近くを検索流入に依存する当ブログ。その検索ワードを調べてみると「ジャランスリワヤ バーウィック どっち」といった文言が定期的に上位に顔を出します。   

 

全く同じような内容こそないものの、両ブランドの靴を複数足所有していて、記事でも何度か取り上げているので、このブログが検索で引っ掛かってしまうのでしょう。

 

確かにジャランスリワヤ・バーウィック共にコスパに優れた本格靴ブランドとして広く知られており、購入の際に比較検討される方も多そうですね。実際に私も予算5万以下で選ぶのであれば、この2つは確実に候補に挙がります。    

 

せっかくなので、そのアイデア頂きましょう。

 

今回の記事では2つのブランドを様々な視点で比較しながら、それぞれの特徴をご紹介していこうと思います。興味のある方はどうぞご覧ください。

 

 

現在所有する5足

まずは現在所有するジャランスリワヤとバーウィックの靴を過去のレビュー記事と合わせて簡単にご紹介します。  

 

前列左:ジャランスリワヤ ストレートチップ(98861/GLR別注)

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ビジネス・冠婚葬祭の場では重宝する黒のストレートチップ。最近はスーツを着用する機会がめっきり減ってきたので出番は限られますが、大人の男性として絶対に持っておく必要のある一足です。こちらはインラインの「98321」をベースにしたユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシングの別注。現在でも販売されているロングセラーとなっています。

 

前列右:ジャランスリワヤ コインローファー(98589)

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ビジカジ・休日で大活躍のコインローファー。元ネタ(?)でもあるJ.M.ウエストン「180」が加わったことでお役目御免と思いきや、履き慣らし(修行)を完全には終えていないこともあり、まだまだしばらく現役です。現在は後継モデルの「98998」へと移行しています。

 

後列左:バーウィック パンチドキャップトゥ(5270VEDADB)    

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爪先の一文字にのみメダリオンが入るパンチドキャップトゥ。ドレッシーな内羽根式ではあるものの、ささやかな装飾が施されることでスーツはもちろんジャケパンでも合わせやすく、なんだかんだで出番の多い靴ですね。

 

後列中央:バーウィック プレーントゥ(3680RODABK)

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どんな天候でも心強い雨天時用の靴。ガラスレザーと思って購入したものの、後に似て非なるコーティングレザーであることが発覚。ただ、高い防水性能は確保されており、ガラスレザーでは見られないような独特の経年変化も味わえて結果オーライでした。外見はチャーチの名靴「シャノン」にそっくり。

 

後列左:バーウィック サイドゴアブーツ(376GOVIDB)

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昨年末に迎え入れたスエードのサイドゴアブーツ。シャープすぎず、丸すぎない絶妙な塩梅のシルエットが購入の決め手でした。秋冬限定・休日限定となるので使用機会は限られますが、着脱の容易なサイドゴアブーツはちょっとした外出でもついつい手に取ってしまいます。

 

ジャランスリワヤとバーウィックを様々な視点で比較

革質

両者共に価格帯の割に名高いタンナーの革を使用していることがセールスポイントの1つとなっています。具体例を挙げるとジョンロブやJ.M.ウエストンと同じデュプイ社からカーフレザーの供給を受けていることが有名です。

 

文面だけ見ると「価格が何倍も違う高級ブランドと同じ革を使っているのか」と思われるかもしれませんが、当然そんなことはありません。タンナーが同じとはいえ、等級が異なるので見比べるとその差は歴然です。

 

とはいえ決して粗末な革が使われているわけではなく、国産で価格帯が少し上のスコッチグレインやユニオンインペリアルあたりと比べても遜色はないので、革質の面でいえばジャランスリワヤ・バーウィック共に「値段なり、もしくはやや上」という評価になるかと思います。  

 

製法

ジャランスリワヤを語る上で最大のトピックになるのはハンドソーンウェルト製法を採用している点です。そもそもハンドソーンウェルトとはなんぞやということに軽く触れておくと、本格革靴で広く取り入れられているグッドイヤーウェルト製法の原型とされる古典的な手法で、最後の出し縫い以外は全て手作業で行われています。  

 

当然ハンドソーンの方が手間はかかるわけですが、その利点はグッドイヤーで必要となるリブというパーツを省くことができるためソールの返りが良くなることであったり、手作業ゆえに木型のシルエットをより忠実に再現できることにあるとされています。後者に関しては迷信めいたところもありますが、ソールの返りの良さという点では私が所有するジャランスリワヤの2足でも実感することができます。

 

そんなハンドソーンウェルト製法は、現在では一部のハイエンドモデルやビスポークシューズなど数十万円するような限られた高級靴でしか見られませんが、ジャランスリワヤは3~4万円台で提供しているので、その特異性がピックアップされるわけなのです。ただ、だからといってグッドイヤーと比べて明確に違いを感じるほどではないので、そこをどう評価するかですね。

 

バーウィックに関しては多くの本格革靴ブランド同様にグッドイヤーウェルト製法が中心となり、一部のスリッポンなどでは柔らかい履き心地を重視するためマッケイ製法が取り入れられる場合もあります。3万円以下のモデルは基本的にマッケイ靴という認識でよさそうです。

 

デザイン

名のある高級ブランドには一目でそれと分かるアイコニックなモデルが多く存在しますが、ジャランスリワヤにしろバーウィックにしろ、その多くはどこかで見たことのあるデザインばかりです。

 

例えばそれぞれの代表的なモデルでもあるジャランスリワヤのコインローファー「98589(98998)」はJ.M.ウエストンの「180」、バーウィックのタッセルローファー「4340」はクロケット&ジョーンズの「キャベンディッシュ」をモチーフにしているものと思われます。その他にもイギリスやフランス方面の某ブランドの面影を感じるモデルが数多く見られます。

 

そのため両者のデザイン性を比べるのであれば、共に確固たるオリジナリティはないので比較しようがないという身も蓋もない答えになっていしまいます。ただ、これは後発の新興ブランド故にある程度仕方のないことで、むしろ元ネタ(?)が良いだけに完成度の高いデザインの靴が揃っているとも言えるでしょう。

 

ラスト(フィット感・サイズ感)

どちらのブランド共に数多くのラストが使われており、また同じ日本人でも足の形は千差万別なので一括りにして語る話ではありませんが、私見を交えた一般的な傾向としてフィット感とサイズ感についてお伝えします。

 

ブランドの歴史については割愛しましたが、もともとジャランスリワヤはインドネシアの製靴工場に日本の代理店が企画を持ち込んだことでスタートしたファクトリーブランドです。そのため当然ながら日本市場を強く意識しており、踵のフィット感がややゆるめの傾向にはありますが、日本人の足に合ったラストになっているかと思います。

 

ただ、サイズ感については注意が必要です。ジャランスリワヤは全体的にやや小さめに作られているので、いつものサイズで試着すると窮屈に感じるかもしれません。私の場合、普段はUK6.0を履くことが多いのですが、ハーフサイズ上げてUK6.5を購入しています。

 

しかし、そこには落とし穴がありました。ハンドソーンにしろ、グッドイヤーにしろ経年によりインソールの下に敷き詰めたコルクが沈み込みが起こるものではありますが、ジャランスリワヤの場合その沈み込み方が非常に大きいのです。私がこれまで履いてきた革靴の中でも過去一の変化でした。

 

結果、ハーフサイズ上げてジャストに合わせたつもりでしたが、購入から1年後には全体的にゆるくなってしまいました。その経験から私が思うには、将来的なインソールの沈み込みまで考慮して、最初はタイトに感じてもむやみにサイズアップさせずに、いつものサイズを選ぶことが正解なのかもしれません。

 

一方でバーウィックは本国スペインをはじめヨーロッパ諸国でも展開されているブランドなので、西欧人に合わせたラストが採用されてきましたが、2019年頃の本格的な日本進出を期に日本人向けのラストも登場しています。日本市場に向けたラストは幅広・甲高で快適な履き心地ではあるものの、個人的にはもう少しホールド感があった方が好みです。

 

サイズ感に関してですが、ジャランスリワヤと対象的にバーウィックは全体的に大きめです。そのため普段はUK6.0を履く私はバーウィックだとUK5.5が基本となります。ジャランスリワヤのように極端にインソールが沈み込むということもないので、いつも通りのフィッテイングで問題はありません。ただ、モデルによっては最小サイズが5.5(実質6.0)になっている場合があるので、足が小さめの方は注意が必要です。直近で購入したサイドゴアブーツは5.5(最小サイズ)を履いていますが、本音を言えばそれでも少しゆるいぐらいです。

 

コスパ

近年の物価高騰の波を受け共にいくらか値上げされていますが、いずれにせよインポートの本格革靴としてはリーズナブルな価格であることに違いはありません。

 

分かりやすくそれぞれ同じ条件(カーフ/ラバーソール)のストレートチップを例に挙げるとジャランスリワヤの「98321」が39,600円で、バーウィックの「5224BCVIBK」が36,300円となっています。他のモデルを見てもジャランスリワヤの方がわずかに高い傾向にあるものの、どちらも概ね3万円台中盤~4万円代中盤の範囲に収まります。(価格は2025年3月現在)

 

この価格が実現する理由は、ジャランスリワヤに関してはある程度の想像がつきます。まず根本的に生産国であるインドネシアは日本や西欧諸国と比べると人件費が安いということは当然として、本来であれば靴が海外から輸入される際に課せられる30%の関税が、経済協定により低く抑えられていることも大きく影響しています。

 

一方でバーウィック、こちらは本当に謎です。バーウィックの靴は全てを自国のスペインで生産されていているのですが、スペインの人件費は概ね日本と同等です。また、私が調べる限りでは関税が優遇されているという情報も出てこないので、本体価格には既に30%の関税が上乗せされています。どうやったら3万円ちょっとであの靴を販売できるんだろうか・・・。

 

純粋に靴のクオリティだけ見ると同じようなものですが、生産背景まで考慮するとバーウィックの方がコスパに優れていると言えるのかもしれませんね。まぁ、私達消費者にはあまり関係ない話ではありますが。

 

販売先 

まず前提として革靴を購入する際には試着は必須です。足に合わない革靴ほど無駄な買い物はないでしょう。そのためにはお目当ての靴が実店舗で取り扱われているかどうかは重要な要素となります。おそらく東京や大阪に住んでいる方であれば気にする問題でもありませんが、私のような地方在住者にとっては大きな関心事です。

 

その点、ジャランスリワヤは2000年代から日本での展開を始め、既にお馴染みのブランドとなった現在では主要な百貨店の紳士靴売り場には大体置いています。また、ビームスユナイテッドアローズといった大手セレクトショップでも長年取り扱われているので、実物を目にする機会も多いはずです。

 

一方バーウィックに関しては販路が少し弱い印象。東京と大阪には立派な旗艦店を構えますが、百貨店やセレクトショップでの取り扱いは限られています。少し前まではビームスでも展開がありましたが、現在は確認されません。私の地元・福岡だと阪急百貨店にワンコーナー設けられて数種類置かれているだけなので、大抵モアバリエーションが開催されているタイミングで購入しています。 

 

福岡なのでまだマシな方で、地域によってはバーウィックの実物を手にする機会はほぼないケースも多いでしょう。そう考えると購入のハードルの低さでいえばジャランスリワヤに分があります。   

 

その他

バーウィックにあって、ジャランスリワヤにないもの。それはコードバンモデルの存在です。革の宝石とも呼ばれるコードバンですが、近年は特に価格上昇が著しく、有名ブランドであれば少なくとも20万円以上は覚悟しておく必要があります。そんなコードバンを使用したモデルをバーウィックでは定番として展開していますが、驚くことに8万円を切る価格に設定されています。それにドレスからカジュアルまでバリエーションも豊富です。

 

ジャランスリワヤでも別注や限定品として過去にコードバンモデルを扱ったことはありますが、バーウィックのようなレギュラーコレクションではありません。手頃な価格で手に入るコードバンに興味があるということであれば、必然的にバーウィックを選ぶことになります。ジャランスリワヤとの比較を抜きにしてもこの値段でコードバンを作ってるところは他にないんじゃないですかね。

 

まとめ(結局どっちがおすすめ?)

ジャランスリワヤとバーウィックの特徴を様々な視点が比較してみました。思っていた以上に文字数が多くなってしまったので、最後に箇条書きでまとめておきますね。

 

  • 革質は両者共に「値段なり、もしくはやや上」。喧伝されるように高級ブランドと同等なわけはないが、決して悪くはない。
  • 製法はジャランスリワヤはハンドソーンウェルト製法、バーウィックはグッドイヤーウェルト製法。ハンドソーンの方が技術と手間を要するが大きなメリットがあるわけではない。
  • ジャランスリワヤは基本的に日本人向けに設計されており、フィット感もまずまず。ただしサイズ感には要注意。小さめに作られているが、むやみにサイズアップすると後々後悔するかも
  • 両者共にどこかで見たことのあるデザインが多い。主にイギリスやフランス方面のブランドに影響を受けているようだ。
  • バーウィックは本国ラストと日本ラストが混在。日本市場に向けて用意されたモデルは幅広甲高で快適ではあるが、ホールド感は弱めで好みは分かれる。サイズ感は全体的に大きめ
  • インポートブランドとしてはどちらもトップクラスのコスパを誇るが、生産背景的にバーウィックに関してはその説明がつかないレベル。単純に靴のクオリティだけ見ると同等。
  • 販路の広さはジャランスリワヤに分がある。東京・大阪近隣にお住まいの方はバーウィックの旗艦店へ。
  • コードバンが欲しいならバーウィック

 

コードバンを除くとどっちつかずな感じになってしまいましたが、タイトルで「どっちがおすすめ?」と書いた以上、何らかの結論は出しておきましょう。

 

ジャランスリワヤ・バーウィックのどちらも実店舗で購入できる環境で、かつどちらかのブランドに絞らなくてはならないという条件であれば、私はバーウィックを選びます。

 

その理由はシンプルにバーウィックの方が選択肢が多いから。公式オンラインショップを覗いてもらえれば分かるかと思いますが、1つのデザインカテゴリー(ストレートチップとか、プレーントゥとか)の中で当たり前のように3〜4種類(あるいはそれ以上)のラストが用意されており、さらにはアッパーやアウトソールの素材バリエーションを選ぶことが可能なケースも珍しくありません。やはり選択肢の多さは正義です。

 

ジャランスリワヤもドレスからカジュアルまで幅広いジャンルをカバーしていますが、バーウィックの守備範囲には敵いません。まさに痒いところに手が届く感じ。

 

直近はバーウィックを購入する機会が増えていますが、それもバーウィックだからではなく、こだわりを持って探していたら結果たまたまバーウィックだったというだけの話です。なので、次はジャランスリワヤを選んでいてもなんら不思議ではありません。

 

ここまで書いておいていまさらですが、「どっちが」と決めるような話でもないでしょう。

 

今回は以上です。