今回の内容は、少し前に目に留まったこちらのネットニュース記事から。
本革の靴が4,000円以下とはなかなかの衝撃ですね。
革靴好きをターゲットにしていないのは明らかですが、思ったことを少しだけ。
GUのリアルレザーシューズはどうだろう?
参照:リアルレザーダービーシューズ+X | GU(ジーユー)公式通販オンラインストア
普段GUまでチェックをしていなかったので知りませんでしたが、今年3月にはプレーントゥが発売され話題になっていたみたいですね。
かなり早い段階で品薄状態になったみたいで、GUの大型店を覗いてみましたが、やはり実物を確認することはできませんでした。ということで、「Fashionsnap.com」より画像を引用して見ていきましょう。
参照:GUが本革シューズの本格展開を開始、3990円のローファー登場
こちらは先行して今年3月より発売された「リアルレザーダービーシューズ」で、右は新品、左は数ヵ月着用した状態です。
アッパーの革質はややチープな印象は否めませんが、価格を考えたら十二分でしょう。また、使用による変化の仕方は悪くないと思います。合皮のようなシワも入らず、自然な感じで良いですね。
参照:GUが本革シューズの本格展開を開始、3990円のローファー登場
張り出したコパに縫い目のような跡が見えますが、これはフェイクです。パッと見では騙されますね。
参照:GUが本革シューズの本格展開を開始、3990円のローファー登場
それなりのアッパーと比べて、ソールは安っぽさが丸出しです。
この価格なので、当然セメント製法だと思いますが、すぐにアウトソールが剝れたといった意見は見当たらないので、普通に履いてすぐに壊れるということはなさそうです。
参照:GUが本革シューズの本格展開を開始、3990円のローファー登場
こちらは今秋より展開予定のコインローファー。
モカ縫いなので、アッパーの側面にシワが寄るのは分かりますが、もう少しキレイに仕上げて欲しいところ・・・でもフォルムはすっきりとしてて私は結構好きですよ。
ブラウンは色味が明るくなる分、質感がはっきり出ますね。高見えしそうなのはブラックの方でしょうか。
画像を見るだけでも色々と粗は見られますが、いずれも「この価格なら…」と納得させられてしまいます。
それに冒頭に書いた通り、革靴好きを満足させようなんて気はメーカー側もさらさら無いでしょう。
ターゲットはあくまでも普段革靴に触れない人達。
それで良いのです。
敷居は低く、裾野は広く 革靴に興味を持って欲しい
市場規模縮小の影響は?
参照:https://gyokai-search.com/3-kutu.html
残念ながら国内の革靴市場は縮小傾向にあります。上図の通りに、昨年はコロナ禍の外出自粛の影響で、大きく数字を下げましたが、それ以前から常に右肩下がりの状況が続いています。
一番の原因はビジネスシーンのカジュアル化です。ラッシュアワーの電車の中やオフィス街を見ても革靴でなくスニーカーを履いている人が増えました。
多くの人にとっては、会社から強制されない限り、革靴なんて履かないということです。売上が下がるのも当然ですね。
市場規模の縮小は革靴業界に身を置く方にとっては死活問題でしょうが、私のような一介の革靴好きにも影響はあるかもしれません。それは高級志向と無関心層の二極化により引きおこります。
既に二極化が進んでいるのが腕時計業界です。携帯電話の普及により、多くの人にとって腕時計は必ずしも必要な物ではなくなり、実用品としてより嗜好品としての側面が強くなりました。
その結果、ロレックスなどの高級機械式時計は好調な売上を記録する一方で、低~中価格帯の腕時計は苦戦を強いられています。
この現象は近い将来、革靴業界にも起こりうると私は思っています。
ジョンロブやオールデンのような高級ブランドは経済的に余裕のある愛好家の方に支えられ、一般のサラリーマンが顧客のリーガルなどは衰退していくて・・・そんな未来です。
革靴好きと言っても10万円を超えるような靴を買い集められる程の余裕はないので、二極化が進みミドルレンジの革靴ブランドが消えていくことは私にとっても大問題です。
革靴が金持ちの嗜好品になってしまうのは困ります。
ビジネス以外でも革靴を !
ビジネスシーンでの革靴離れはもう止まらないでしょう。むしろコロナ禍で加速しています。そうなればカジュアルスタイルに活路を見出すしかありません。
革靴好きの方であれば当たり前のように私服に革靴を合せますが、皆さんの周りで休日に革靴を履いている人はどれくいますか?意識して見ると、かなりの少数派だと思います。
いまでこそスニーカーより革靴を履く頻度の方が圧倒的に高い私ですが、25歳頃までは仕事以外で革靴を履くことはありませんでした。
「革靴は仕事で履くもの」「革靴は高い」「私服で革靴はなんか気取ってる」
漠然とこんなイメージがあったから、革靴に手を出せませんでした。そして当時の私のように考える人は世の中にたくさんいるでしょう。特に若い世代は。
だからこそ、GUのリアルレザーシューズは素晴らしい。安価なビジネスシューズとしてではなく、カジュアルスタイルに合わせることを前提としているからです。
また、GUのメインターゲットはあくまでも若年層です。
自分達に親しみのあるGUが革靴を取り入れたコーディネートを提案することで、若い世代にとっての革靴に対するハードルが低くなるかもしれません。
それに3,990円という価格です。これなら中高生でも手が届きますね。
このGUの革靴が入口となって、革靴に興味を持ち人が少しでも増えることを私は期待しています。
まとめ
3月に発売された「リアルレザーダービーシューズ」の好評を受け、この秋からリアルレザーシリーズは本格展開されます。
私がこのシリーズを買うことは多分ないかと思いますが、革靴への入り口として陰ながら応援しています。
あぁー、でもこのグルカサンダルとかちょっと気になるかも(笑)
参照:リアルレザーグルカサンダル+X | GU(ジーユー)公式通販オンラインストア
今回は以上です。