餅は餅屋的なブランドが好き。なのでシャツ屋の鎌倉シャツのシャツが好き。
でも鎌倉シャツが扱うのは必ずしもシャツだけではありません。意外と幅広いアイテム展開をしていて、特にネクタイは評価が高く、私も何度かお世話になったことがあります。そして店頭で見かけるニットウェアも何やら良さげで、ずっと気になっていました。
というこで、今回はカーディガンを新調するタイミングで鎌倉シャツのニットを手に取ってみました。
うん、これはなかなか良いぞ。シャツ屋のニットを侮ってはいけません。
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鎌倉シャツの12ゲージカーディガンをレビュー
概要
鎌倉シャツのハイゲージニットコレクション。今季はクルーネック、タートルネック、Vネック、そしてカーディガン(本品)でラインナップが構成されています。このシリーズも数年前までは18ゲージで展開されていましたが、現在は12ゲージへと変更(Vネックのみ18ゲージ)となっています。少し前に当ブログでも取り上げたグランサッソと同様ですが、12ゲージというのは適度に肉厚で本当に使い勝手が良いんですよね。
正式な製品名でも名乗っている通り、原毛にはスーパーエクストラファインメリノウールが使用されています。ユニクロ等でお馴染みのエクストラファインメリノよりもさらに繊細なメリノウールというわけなので、肌触りも非常に滑らかなものとなっています。
もちろん製品としての完成度も申し分ありません。
鎌倉シャツは自社工場を持っており、シャツに関しては結構な割合を内製しているそうですが、さすがにニット製品は外注です。このハイゲージニットに関しては公にされていませんが、鎌倉シャツのニットは「COOHEM」の米富繊維や「MOONCASTLE」の月城などが一部生産を手掛けているので、国内の有力ニット工場が関わっていることは間違いないでしょう。
価格は16,500円。ニット製品に関してはシャツ以上に値上がりした印象がありますが、それでも日本製でこのクオリティと考えれば、安定の高コスパであることには違いないかと思います。
ちなみに私は冬になるとジャケットの下にベスト代わりとしてカーディガンを着ることが多いので、主に仕事用として使うために購入しました。
ディテール
16.5マイクロンのスーパーエクストラファインメリノを使用した美しい12ゲージニット。やや霜が入るミディアムグレーの色味が良いですね。明るすぎず暗すぎない絶妙なトーンなので、色調の違うシャツやジャケットとも馴染みが良いかと思います。また、12ゲージとなればほぼミドルゲージのようなものなので、生地の透け感はほとんどありません。
ボタンは高級感のある黒蝶貝。ここ大事です。
各所の縫製も非常に丁寧で、シャツに引けを取らないクオリティです。
裾と袖口のリブはこんな感じ。まぁ普通といえば普通なのですが、リブの幅であったりテンションの具合はちょうど私の好みですね。
サイズ感と着用イメージ
身長173cm 体重65kg 肩幅45cm 標準体型の私が購入したのはサイズ48。最初は1つ下の46を試着したのですが、少し胸元がぴったりしすぎているのが気になりサイズを上げました。インナーとしてなら別に46でも良さそうですが、ジャケットを脱いだ時のことを考えるとピチピチなのはちょっとかっこ悪いですからね。そもそも鎌倉シャツのニット製品全般は46・48・50の3サイズ展開なので、私の体型で最小サイズなのも少し違和感を覚えます。
シルエットとしては全体的にややコンパクトに設計されていることになりますが、その他の特徴としてはVゾーンの開き方でしょうか。ご覧の通りかなりVゾーンは浅めです。これが意図することは分かりませんが、さすがはシャツ屋のニットというところで、襟の収まり具合がとても良い気がする。
実際にコーディネートに組み込むとこんな感じ。パンツはワントーン暗いグレーで、サックスのシャツとネイビーのジャケットをカーディガンが上手く繋げてくれます。やっぱり一番使いやすい色合いのグレーですね。また、ノータイで合わせるなカーディガンの第一ボタンは留めない方がVゾーンのバランスが良いかと思います。
ただ、1つだけ想定外だったのですが、私が所有する他のカーディガンよりも厚みがあるだけに、シャツの上に重ね、さらにジャケットを羽織ると腕回りで生地がもたつく感覚が少しだけあります。そこまで気にはなるレベルではありませんが、その点を踏まえるとサイズ46でも良かったかなと思った次第です。
鎌倉シャツは30周年を迎えたらしい
1993年11月7日に創業した鎌倉シャツことメーカーズシャツ鎌倉は今月で30周年を迎えたそうで、記念のノベルティとしてハンカチを頂きました。夫婦2人で始めた小さなお店をたった30年で国内外25店舗を誇る一大アパレル企業へと成長させたわけなので本当に凄い。売上・経常利益も毎年右肩上がりとのことで何よりです。これからもお世話になります。
ただ、少し気になるのはここ最近の鎌倉シャツは他カテゴリーに手を広げすぎているのではないかということ。本業のドレスシャツ周りでネクタイやニットあたりまでは分かるのですが、気が付けばオーダースーツやジーンズなんかも扱っていて、言い方が悪いですがちょっと畑違いじゃないかなと感じてしまいます。
もちろんそれらの製品を実際に手に取ったわけではないので、とやかく言うのも的外れだし、アパレル企業が成長を続る上である程度避けて通れない道ですが、冒頭でも書いた通り餅は餅屋的なブランドが好きなので、会社名に「シャツ」という言葉を掲げる以上、あまり専門性を失って欲しくはないなと思ってしまいます。
まぁ、一消費者の戯言です。
まとめ
前回に続き鎌倉シャツネタとなりました。
最後の方で「シャツ以外にあまり手を出すな」的なことを書いておいてなんですが、鎌倉シャツのニットはなかなか良いですよ。本当に。同素材で展開しているタートルネックのイエローやグリーンなんかも凄く良い色味で欲しくなっちゃいますね。
結局、良い物は良いということにしておいてください(笑)。
今回は以上です。