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絶妙の12ゲージ。GRAN SASSO(グランサッソ)のモックネックニットをレビュー!

今季の二ット第1弾。ミドルゲージのタートルネックが気分とか言っておきながら、まず手に入れたのはGRAN SASSO(グランサッソ)のハイゲージモックネックです。

 

昨年も購入を検討していたので、その良さについては十分理解していましたが、決め手となったのはこのカラーでした。鮮やかなオレンジは重くなりがちな秋冬にこそ映えるはず。

 

12ゲージ二ットの絶妙な生地感や丁寧な作りといったグランサッソの定番アイテムの魅力と合わせて、一見すると明るすぎるオレンジ二ットの着こなしをご紹介していきます。

 

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グランサッソについて

1952年にイタリア中部に位置するアブルッツォ州の小さな村で、ネッロ、エラルド、アルチェオ、フランチェスコディ・ステファノ4兄弟によって創業されたニット専業メーカー。家族経営みよる小規模な工場としてスタートしましたが、高品質なニットウェアが業界内でも評判となり、いつしか誰もが知るような一流ブランドのOEMを手掛けるようになったそうです。

 

ジャケットやシャツと違い、ニットは品質の差別化が難しい分野だと思うのですが、そのような中でグランサッソを誰もが認める優良ニットブランドたらしめる最大のポイントは高い縫製技術にあります。現在でもグランサッソの製品は全行程を国内の自社工場で手掛けており、特に着心地と見栄えを左右するリンキング(各パーツ編みにより繋ぎ合わせる技法)においては、熟練の職人による素晴らしい仕事に触れることができます。

 

また良心的な価格設定も見逃せません。ジョンスメドレーやザノーネなど日本で人気の高いニットブランドは年々価格が上昇し、私のような庶民だとなかなか手を出しにくい存在になってきましたが、それらと比べてグランサッソのアイテムはおおよそ7掛けで購入することが可能な貴重な存在です。ニットはある程度カラバリを揃えることが大切なので、思わず「じゃあ、もう一枚」と言ってしまいたくなるようなこなれた価格は大きな魅力の一つといっても良いでしょう。

 

グランサッソの12Gモックネックをレビュー

概要

様々なニットウェアを手掛けるグランサッソですが、特に12ゲージのニットは評判が高く、ブランドの代名詞的なファブリックとなっています

 

ご存じの通りゲージとは1インチ(2.54cm)間に編み機の針が何本あるかを表しており、数字が大きくなるにつれ編み目が細かく、生地は薄くなります。ジョンスメドレーの30ゲージニットあたりは特に有名で、ハイゲージニットの場合はよりゲージ数が大きい程に高級品だと持て囃される傾向があるようです。事実、ゲージ数の高いニットの方が光沢感が強く、つるっとした手触りになるのでドレッシーに見えるという点においては間違いないでしょう。

 

一方グランサッソが得意とする12ゲージはハイゲージの下限、ミドルゲージとの境界線とされ、比較的に編み目が粗く、厚みのあるニット生地となります。ある意味中途半端な存在であるためか14ゲージや16ゲージを見かけることがあっても、敢えて12ゲージを採用しているブランドは限られてきます。

 

しかし、この12ゲージが実に絶妙。美しい光沢を放つ超ハイゲージのニットは魅力的ですが、目付が重く、起毛がかった秋冬素材のニットやコートと合わせると生地の質感に差が付きつきすぎてしまう場合もあります。そもそも生地が薄いので耐久性の低さはトレードオフです。要するにその両方をカバーしてくれるのが中途半端ともいわれる12ゲージのニットだというわけなのです。

 

「じゃあ、8ゲージとかのミドルゲージでいいじゃん」と言われそうなとこではありますが、そこまでゲージ数が落ちると風合いは別物で、着用可能な気温の幅も変わってくるでしょう。

 

絶妙な厚みで使い勝手が良く、かつ使われている糸そのものの発色がよいため、ゲージ数の低さを感じさせずに上品な見た目を兼ね備えたグランサッソの12ゲージは多くの服好きを魅了しています。

 

グランサッソの12ゲージ二ットにはタートルネックやクルーネックなどもラインナップされていますが、断トツの一番人気はやはりこのモックネック。近年需要が高まりつつあるとはいえ、モックネックが看板アイテムな二ットブランドも珍しいかもしれません。

 

とはいえ12ゲージの絶妙な生地感とモックネックの相性が良いのは間違いなく、適度に厚みがあるのでスリムフィットでありながらボディラインが出すぎない美しいシルエットを構築しています。

 

人気モデルということもあって、カラーバリエーションも豊富に揃っていますが、冒頭でも触れた通り、今回私が選らんだのは鮮やかなオレンジ。よくあるダークオレンジとかテラコッタじゃなくて、ガチのオレンジです。

 

30歳を過ぎたあたりから、どうしてもダークトーンやくすんだ中間色のようないわゆる「大人っぽい色」を手に取ることが多く、特に秋冬となるとその傾向が顕著になっています。だからこそ、これぐらいはっきりとした色味をインナーに挟むとガラッと雰囲気が変わります。

 

ただ、明るい色ならなんでも良いというわけでもなく、アウターやパンツとの調和も大事です。脈略のない差し色を使いこなせるようなテクニックは持ち合わせ手ませんからね。

 

その点このオレンジは私のベーシックカラーであるブラウンやベージュと同系統色にあたるので、組合せられそうな手持ちのアイテムは意外と多く、似たようなトーンや色味になりがちなこれからの季節にアクセントとして重宝しそうです。

 

ディテール

バージンウールを100%使用した発色の良い12ゲージニット。先程から何度も述べている通り、この厚みが絶妙で透け感は全くありませんが、ハイゲージニットらしい適度な光沢を放っています。手触りも非常に滑らか。

 

しっかりと高さのあるネック高。おおよそ4cmぐらいでしょうか。これぐらいの高さが標準的な日本人にちょうどいいかと思います。

 

定評のあるリンキング。とても細かくきれいに処理されています。言われる程着心地に影響が及ぶとは個人的には思いませんが、この丁寧な仕事は工芸品としての価値を高め、所有欲を満たしてくれますね。

 

裾と袖のリブは外側に向けて幅が狭まり、しっかりと十分な締め付け感があります。ここが緩いと一気にみすぼらしくなるので気になるポイントです。

 

サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65㎏ 肩幅45cm 標準体型の私が購入したのはサイズ48。ジャケットやパンツは大抵サイズ46を選んでいますが、グランサッソも多くのイタリアのニット専業ブランドの例に漏れず、身幅はタイトめで着丈も短く設定されているので、1サイズ上げています。

 

ブランドの推奨するところだともう少しタイトなフィッティングのようですが、個人的にはこれぐらいが良いかな。シルエットも癖がなくきれいだと思います。

 

コーディネート

ブルゾン:VALSTAR(ヴァルスター)

ニット:GRAN SASSO(グランサッソ)

パンツ:HAND ROOM(ハンドルーム)

シューズ:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)

 

ダークブラウンのスエードブルゾンに濃紺デニム、足元は黒のレザーシューズと全体的に重めな組み合わせですが、鮮やかなオレンジニットを挟むことで、洒落感と柔和な雰囲気が生まれます。シックなダークトーンでまとめてもかっこいいのですが、パターンとしてはこんな感じのコーデも悪くないですね。

 

ブルゾン:GRENFELL(グレンフェル)

ニット:GRAN SASSO(グランサッソ)

パンツ:GERMANO(ジェルマーノ)

シューズ:JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリワヤ)

 

当然ベージュのアウターとの相性も良し。そしてオリーブのパンツとも馴染んでいます。よく考えたらオレンジやみかんの実と葉の色なんですよね。自然界に存在する色合わせなので妙にしっくりきます(笑)。

 

ジャケット:SHIPS(シップス)
ニット:GRAN SASSO(グランサッソ)
パンツ:INCOTEX(インコテックス)
シューズ:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)

 

羽織物はブラウンかベージュをメインに考えていますが、こんな感じのネイビージャケットとも合わせられそうです。

 

コート:MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュロンドン)

ニット:GRAN SASSO(グランサッソ)

パンツ:BERWICH(ベルウィッチ)

シューズ:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)

 

最後に少し早いですがコートを使ったコーディネート。どうして地味でお堅くなりがちなオーソドックスなステンカラーコートも華やかに、そしてカジュアルな感じに仕上がりました。オレンジニット使えるな。

 

まとめ

発色の良い色味に一目惚れして購入しましたものの、今までほとんど手に取ったことがないような色で、使いこなせるか不安もありましたが、想像していた以上に私のワードローブと相性が良いみたい。

 

いわゆるベーシックカラーは一通り揃っているので、こういった色味にも臆せず挑戦していきたいですね。

 

そして、グランサッソの12ゲージモックネックはやはり名品でした。生地感、サイズ感、シルエットのどこを取っても絶妙。さらに価格も比較的リーズナブルなので、今後も買い足す定番アイテムとなりそうな予感がします。

 

今回は以上です。