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オフィスサンダルの決定版!エンターテイナーのドクターシューズ「ET630-1」をレビュー!

土足厳禁の職場で働いているので、オフィスでは各自で用意した室内履き(主にサンダル)を履くことになります。

 

私の場合、ビルケンシュトックの室内用専用サンダル「ツェルマット」が3年以上その役目を果たしてきましたが、さすがに消耗が激しく買い替えの必要がありました。

 

ツェルマット自体は履き心地も良く大変気に入っていて、リピ買いも検討しましたが、丸っこいシルエットがスーツやジャケットスタイルとはあまり合っていないこと、そしてつま先まで覆うフェルトのアッパーだと夏場に蒸れてしまうことがネックとなっていたので他のサンダルを探すことになりました。

 

普段から革靴やスニーカーにこだわっていても結局1年の中で最も履いている時間が長くなるのはオフィスサンダルなので、室内履きとはいえ当然妥協はできません。

 

ただ、私が探しているような「ちょっと値は張るけど上質な室内履き」ってなかなか見当たらないんですよね。ホカオネオネの「スライド」やシダスの「ウチッパ」などのリカバリー系は良い評判を聞きますが、ボリューミーなシルエットはツェルマット以上に服装と合わないことが簡単に想像できます。

 

そこで目を付けたのが昭和の時代から日本のビジネスマンの足元を支え続行けたエンターテイナードクターシューズ「ET630-1」です。人気ブロガーでシューフィッターの佐藤靖青さんが過去に何度かご紹介されていたこともあり、ずっと気になっていました。

 

結論から申し上げますと、履き心地は最高です。特に革靴好きの人には刺さかると思います。実は購入から半年近く経過していますので、その辺を踏まえながらご紹介していければと思います。どうぞご覧ください。

 

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エンターテイナーのドクターシューズ「ET630-1」をレビュー!

概要

工業用の長靴や安全靴で有名な弘進ゴム。かつて弘進製靴の名義でグッドイヤーウェルテッド製法による本格革靴の製造に参入していた時期がありました。主に国内ブランドのOEMが中心でしたが、一部では自社オリジナルも展開されていたそうです。その中の1つとして誕生したのが「Entertainer(エンターテイナー)」でした。

 

ただ、ネットで調べる限りだとエンターテイナーの革靴は十数年前を最後に姿を消しており、今回ご紹介するドクターシューズでのみ、唯一その名を残しています。

 

ネーミングの通り医療現場での長時間の立ち仕事を意識して開発されたサンダルでしたが、その機能性の高さと端正な見た目から一般企業のオフィスでの室内履きとしても注目されるようになりました。登場したのは30年以上前の昭和末期。それから途絶えることなく販売され続けている超ロングセラーとなっています。

 

アッパーには仔牛革、アウトソールには革靴好きならお馴染みのヴィブラムソールを搭載、さらには手間のかかるプラット製法を採用することでクッション性に優れた履き心地を実現しています。その分値は張り定価で2万円を超え、室内履き専用としてはだいぶ高額な部類になりますが、その価値は十分にあるはず。

 

高級サンダルとして知られるユッタニューマンが「サンダ界のロールスロイス」とよく称されていますが、エンターテイナーのドクターシューズは差し詰め「室内履き界のロールスロイスといった感じでしょうか。ブランドバリューはありませんが、クオリティはそれぐらいのレベルです。

 

見た目は良くも悪くも普通のオフィスサンダル。職場の来客用として置いてそうですね。正直全く洒落感はありませんが、それだけにスーツやジャケットにも比較的に合わせやすいかと思います。むしろカジュアルな装いには合わなさそう。

 

カラーはブラックとブラウンで展開。極稀にネイビーも見かけますが基本はこの2色となります。私の場合、普段茶系の革靴を履くことが多いので、同じような感覚でブラウンを選びましたがちょっと失敗でした。

 

まず色味が安っぽい。アッパーは本革であるものの全体的にのっぺりとしていて、遠めだとよくあるビニールサンダルのように見えてしまいます。また、インソールの色味も微妙。ネットで見るとライトブラウン若しくはシャンパンゴールドのように映っていましたが、届いた実物は思いっきりシルバーでした。赤みがかったブラウンとシルバーは私の感性だと全く合っていないように感じます。これが写真映りの問題なのか、それともそういうロットだったのかは不明。いずれにせよ質感が出にくく、インソールも同色にまとめられたブラックの方が失敗はなさそうですね。

 

私の知る限り本品を実店舗で扱っているところはなく、購入先は楽天やアマゾンなどのオンラインショップになるはずなので、先程の色味もそうでうが、サイズ感や着用感など実物を手に取らないと分かりにくいところをお伝えできればと思います。

 

構造

一般的にサンダルのアッパーとソールは接着剤で貼り付けただけのセメンテッド製法が主流となります。ビルケンシュトックも基本的にはセメントです。一方でエンターテイナーのドクターシューズではアッパーとインソールを袋状に縫い合わせて、裾テープでインソールを包み込むようにしてアウトソールを接着するプラット製法を採用しています。

 

参照:靴の素材・製法について | マドラス株式会社

 

文字だけだと伝わらないので、マドラス公式から図解をお借りします。これでもちょっと分かりにくいかもしれませんが、要するに厚みのあるクッション性の高い素材(主にスポンジ)を外から見えないようにアッパーの裾でぐるりと覆ってしまおうという手法です。

 

クッション材が中に入るので、単純に接着しただけのセメンテッド製法よりは柔らかい履き心地が実現します。また、履いているうちにクッション材が沈み込むことによって、グッドイヤーウェルテッド製法の本格革靴のように自分の足形に馴染むような感覚を味わえます。

 

参照:【楽天市場】ドクターシューズ エンターテイナー ET-6301 / 弘進ゴム サンダル スリッパ 室内履き:アジアン衣料雑貨きりんかん

 

こちらの画像のようにソールは4重構造になっています。スポンジの下には足裏の形に沿ったコルクのインソールが入ります。ビルケンシュトックのフッドベットと同じで人体工学に基づいた正しい姿勢と歩行をサポートしてくれます。

 

ディテール

仔牛革のアッパー。「あぁ、ちゃんと本革なんだな」ということが伝わる程度で、特別上質というわけではありません。ただ、室内履きにしては高価とはいえ、2万そこそこの商品に過度に期待するのもお門違いでしょう。

 

分厚いインソールをアッパーの裾がぐるっと覆う巻き革。見た目でプラット製法と判別できるポイントとなるそうです。

 

シルバーに塗装されたインソール。ここも本革です。表面に波打つような凹凸は中に入るフッドベットによるもので、使用を重ねるにつれ陰影がよりはっきりと浮き出てきます。

 

ちなみにこちらは約半年履いた現在の様子。沈み込むが深くなったのは良いのですが、力の入る親指や擦れやすい甲の辺りの塗装が剥げしまいました。確か1週間ぐらいですぐに剥がれ始めたと思うのでここは少し残念。

 

アウトソールにヴィブラム社のラバーソールを装着。グリップ力はもちろんのこと軽さが売りです。フローリングの床を歩く際の足音も実に静か。革靴では見たことのないパターンなのでもしかするとサンダル用なのかもしれませんね。

 

サイズ感

参考までにこちらが私の足のサイズ。平均的な身長に対して足はやや小さめ。スニーカーだと25.5~26.0cm、革靴だとUK6.0やEU39前後を選ぶことが多いですね。

 

エンターテイナーのドクターシューズはS(24.0〜24.5)・M(25.0〜25.5)・L(26.0〜26.5)・LL(26.0〜26.5)の4サイズで展開されています。

 

問題は括弧書きされた数字が何を指しているのかです。私の場合、足の実寸または革靴サイズ基準だとするとS or M、スニーカーサイズ基準だとM or Lとなります。

 

ネットでの購入でサイズに関してはこれといって有力な口コミもなかったので結構悩みましたが、「平均より足が小さめな私でLはない」「多少大きくてもサンダルな許容できる」という2つの観点からMサイズを選びました。

 

結果的に言うと想像していた以上に小さいです。特に甲が結構低めなので最初は押さえつけられる感覚が強くあります。2ヶ月ぐらい経過してようやく快適に履けるようになった感じでした。

 

日本人成人男性の平均より明らかに足が小さい私ですらMサイズがギリギリ履けるレベルなので、SMLの表記に引っ張られると危険かもしれません。普段履かれているスニーカーのサイズを基準にされた方が良いでしょう。なので私の場合はLサイズが正解だった可能性もあります。

 

ただ、最初は軽い痛みが伴うこともありましたが、アッパーの革が伸び、インソールが沈み込むことによって、半年経過した今となってはピッタリのジャストフィットです。結果として革靴の修行みたいなことをしてしまいました。私のようにそういった行為に慣れた方ならそれもありですが、普通の方にはおすすめしないフィッティング方法ですね(笑)。

 

着用イメージ

私自身普段はあまりしませんが、あえてスーツを着てタイドアップした上でドクターシューズを合わせてみました。どうでしょうか。あまり違和感はないのではないかと思います。ビーチサンダルやクロックスと合わせるよりも遥かに見栄えは良いでしょう。ペラペラのビーニールサンダルと違いヒールに高さがあるのも効いています。

 

散々文句を言っているインソールの色味や塗装剥げについても履いてしまえばほぼ見えないので許容できます。

 

まとめ

仕事の日はほぼ毎日履いているエンターテイナーのドクターシューズをご紹介しました。

 

ビジネスの場に相応しい控えめなデザイン、フローリングからの衝撃を吸収するクッション性の高さ、歩行中にパタパタと音を鳴らさない静粛性とどこをとっても申し分はありません。まさにオフィスサンダルの決定版だと思っています。

 

よく考えるとオフィスサンダルという文化は欧米にはほとんどないはずなので、この分野においては国産ブランドに分があるのかもしれませんね。

 

外では高級な革靴やイカしたスニーカーを履いているのにオフィスでは適当なんてのは本当にもったいないですよ。

 

今回は以上です。