トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

トラッドなブルゾンが欲しい! バルスタリーノに想いを馳せて②

前回は春に向けたカジュアルなアウターが欲しいというお話でした。

 

tradman-dc.com

 

 

今回は私の大本命VALSTAR「バルスタリーノ」について深堀していきます。

 

 

 

バルスタリーノの歴史

VALSTAR社

1911年にイタリアのミラノにてトレンチコートメーカーとして創業。

1935年にブランド名を冠したバルスタリーノ(valstarino)を世に送り出し、「現在のブルゾンの原型」と呼ばれるほど、その後のブランドに大きな影響を与えました。

バルスタリーノがあまりにも有名ですが、現在でも上質なトレンチコートやライダースジャケットをラインナップしています。

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A-1フライトジャケットとの関係性

フライトジャケットといえば数年前に日本で流行したMA-1と、「キング・オブ・フライトジャケット」とも呼ばれるA-2が特に有名ですが、全てのフライトジャケットの原型となったのが1927年にアメリカ陸軍航空隊で採用されたA-1フライトジャケットです。

 

■A-1フライトジャケット

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参照;フライトジャケットの種類・特長など【基礎知識】 | メンズファッションブランドナビ (rash.jp) 

 

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参照;Flight Jacket - Type A-1, 1927 (ewarmy.com)

バルスタリーノ

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参照;【楽天市場】Valstar(ヴァルスター)20-21A/W VALSTARINO ヴァルスタリーノ スエード バルスターブルゾン【ブラウン】:Giotto (rakuten.co.jp)

 

A-1とバルスタリーノを比べてみれば、立ち襟やフラップポケット、フロントボタンやリブの使い方など特徴的なディテールは共通しておりでデザイン上の違いはぼ無いように見えます。

 

A-1の方が8年早く誕生している事から、バルスタリーノはA-1をデザインソースとしていた事は間違いないでしょう。

 

「ブルゾンの原型」なんて謳っているのに模倣品かよ、と思ってるワケではもちろんありません。

男性のカジュアルファッションに関して、必ずといってよいほど実用品としてのルーツがあります。

 

有名な話ですが、ジーンズはもともと鉱山で働く男達の作業着でした。

ポケットに付いている金具(リベット)も本来は破れにくくする為の補強で、現代の縫製技術では意味が薄れてきていますが、装飾品として残っています。

 

実用品としての由来があるからこそデザインとして受け入れるのであって、全く関係ないところ…例えばパンツの裾にリベットが複数打ち付けられたデザインがあったとしても、それは多くの人には受け入れられないでしょう。

(モードファッションとかはよく分かりませんが・・・)

 

見た目の良し悪し以前に、必然性のなく生まれたデザインには胡散臭さが漂います。

少し偏見の入った言い方をすれば、漫画やアニメのコスプレみたいにファンタジー感が溢れ出ます。

 

無から何かを生み出す事は素晴らしことだと思いますが、こと普段街できる洋服に関しては元ネタがあることが当然なのです。

 

少し話がそれましたが、バルスタリーノの歴史的な価値はフライトジャケット草創記に、いち早く限られた軍人の支給品であったA-1フライトジャケットを民間人(といえども上流階級の)にタウンユースのジャケットとして提案したことにあると思います。

 

 では実用品のA-1とバルスタリーノが全く同じであったかというと、それは違います。

 

当時のA-1はシープ・スキンが主流で一部カウ・ハイドの物もあったようですが、いずれにせよ銀面(革の表面)を使用していました。

一方で1935年に発表されたバルスタリーノではスエード(革の裏面)へとアレンジされました。

 

現在では様々な素材のバリエーションがありますが、バルスタリーノをはじめ世にある「バルスターブルゾン」の定番はスエードであり、その影響力が伺いしれます。

 

バルスタリーノのバリエーション

バルスタリーノには定番のスエードの他にも様々な素材が使用されています。

以下、現在国内で新品として購入可能なバリエーションです。

スエード

 定番のスエードは通年取り扱っているショップも多く、カラーバリエーションも豊富。

一応秋冬向けとなっていますが、薄手のスエードなので春先まで着用可能です。

 

問題は価格が15万円を超えて、定番品であるゆえにセールにもなりにくいので、私には簡単に手が出せないことです(笑)

 

ただ、ゴートスエードの耐久性を考えれば長きに渡る相棒なり得そうです。

 

高額でも永世定番の一生モノを手にするというのもアリかもしれませんね。

ウール/リネン

イタリアの名門生地メーカー「VITALE BARMERIS CANINOCO」のウールリネンを使用。

個人的にウールリネンは大好きな素材です。

 

春夏用となっていますが、秋でも問題なく使えそうです。

 

価格も10万円を切るので、高額ではありますがスエードと比べると幾分か現実的な価格帯にはなってきました。

コットン

item.rakuten.co.jp

コットンギャバジンということで、織り目がきつく丈夫な素材です。

実物を見たワケではありませんが、ハリのある生地感ではないでしょうか。

 

昨年のモデルになるので、在庫がほとんどありません。

個人的にコットン100%のモデルは気になっているので、取り扱いがあるお店を知っている方がいらしたら教えてください。

コットン/ナイロン

www.beams.co.jp

こちらは今シーズンのビームス別注モデルです。

ナイロンを混合しているので光沢がありますが、その風合いをどう捉えるかは人によって違うかもしれません。

価格も5万円台まで下がってきました。

それでも安くはありませんが(笑)

別注ポイントは素材だけではなく、日本人向けに袖丈を若干短めに調整しているそうです。

 

他にもウール100%、カーフ、中綿入りなどのバリエーションがありますが、季節的に取り扱いは終了していました。

 

バルスタリーノを試着  サイズ感は?

 いまの時代インターネットで購入可能ですが、可能な限り実物を試着をしたいという性分の私です。特に高額な商品であればなおさら(笑)

 

そもそもバルスタリーノはどこに置いているのでしょうか?

できればウールリネンかコットン100%素材を見てみたところです。

 

東京在住の方であれば悩む必要はないのでしょうが、私が暮らす福岡で取り扱っているセレクトショップはなかなか見つかりません。

 

ということで、今シーズン別注を取り扱っているビームス福岡店へ伺い試着させていただきました。

 

先にお詫びしますが、写真はありません。

2月上旬の試着当時はブログを始める構想すら無かったので・・・

文章による感想のみお伝えいたします。

 

参考までに、私は身長173cm65kg肩幅44cmでテーラードジャケットであれば普段は46を選ぶことが多いです。

 
46 着丈 62/肩幅 43.5/身幅 51/そで丈 62
48 着丈 64.5/肩幅 45/身幅 54/そで丈 63
50 着丈 65/肩幅 45.5/身幅 54.5/そで丈 63

 
BEAMS F(ビームスF)VALSTAR / 別注 コットンナイロン ドライビングブルゾン(ブルゾン ブルゾン)通販|BEAMS

size:46

普段であればマイサイズの46ですが、前を閉めた時に窮屈さを感じました。

袖を通した時に肩回りに不安を感じましたが、実際に動かしてみると多少の引っ張られる感覚はあったものの、激しい運動をするワケではないので問題ないと思います。

ただ、着丈が思ってた以上に短いでね。

着丈62cmというスペック上の数字も他のブルゾンより短めです。

個人的にはちょっと短すぎるかなと。

size:48

おそらく48がジャストフィット。

前ボタンを閉じても窮屈さは感しません。

特に感動したのは肩の動かしやすさです。

肩が落ちるようなことはありませんが、十分な可動域が確保されています。

タイトな身幅の割にはアームホールが大きめに設定されているようです。

ドライビングブルゾンと名付けられるだけの機能性はありますね。

 

車社会の九州人にはありがたいですよ。

昨年、タイトなライダースジャケットを着たまま、福岡・宮崎間の4時間を運転した時のことを思い出しました(笑)

 

着丈も2.5cm伸びている分、寸足らずな印象はなくなりました。

 

size:50

着用感としては48とあまり変わりません。

気持ち身幅に余裕が出たかも・・・見た目は48の方がキレイかな

スペックの数字もほとんど変わりませんね。

 

希望するカラーとサイズがなければ、48からワンサイズ上げてもさほど気にならないレベルです。

 

カラー

カラーはサンド・カーキ・ネイビーの3色。

 

私としてはサンド(明るめのベージュ)が気になっていましたが、福岡店には在庫がありませんでした。やはり人気カラーのようですね。

 

カーキは思ってた以上に明るい緑でした。

春っぽくて良いんですけどね。私としてはもう少しくすんだ色味が好みです。

 

ネイビーはボタンとの色味の合わせ方が好みですが、ワードローブにネイビーが増えすぎているので、今回は対象外です。

 

質感

コットン64%・ナイロン36%の生地です。

きつく織り込まれているため、しっかりとしたハリ感があります。

 

ナイロンが混合されているため、光沢感はあります。

ただ、この光沢は高級感というよりは安っぽさを少し感じました。

混合比率以上にナイロン感が強いというか・・・

 

年月を経て風合いが増すスエードやコットンと比べて、ナイロンは新品時がピークでそこから劣化していくイメージが強いので、ナイロン特有の光沢にはあまり魅かれませんでした。

 

特に色味が強いカーキ(緑)とネイビーだから余計に光沢感があったのかもしれません。

ベージュならまた違ったかもなぁー

実物見てみたかったなぁー

 

まとめ

結局買えずじまいのバルスタリーノについて、あれこれ想いを巡らせてみました。

 

ビームス別注品に対してマイナスに感じた事も書いてしまいましたが、正直な事を言うとカーキの48を試着した後に「これ下さい!」と半分口から出そうになっていましたw

 

モノはやっぱり良いんですよ。

 

意中のベージュを確認できなかった事が最後まで引っかかっていました。

 

サイズ感と着心地の良さを確認でき改めて魅了されました。

もちろんそのクラシックな見た目も最高です。

 

どうやら秋以降に持ち越しになりそうですが、憧れの一着として引き続きリサーチしていこうと思います。

 

古着も視野に入れてますよ。

 

先日、スエード(ブラウン/サイズ44)を見つけましたが、使い込まれた事で雰囲気が出ていてカッコよかったです。

まぁ、44ではまともに着れなかったので諦めましたが(笑)

それなりに年季も入っていましたが、価格はさすがの5万円台・・・ちょっと古着では手が出しにくい額。

でもよい個体に出会えたら十分に検討の余地ありですね。

 

新品・古着にかかわらず、福岡近隣でバルスタリーノに関する情報がある方教えて下さい。(切実)

 

今回は以上です。ありがとうございました。