夏といえばやっぱりリネンですね。
吸水性、通気性に優れた機能面はもちろんのこと、リネン特有の光沢やシャリ感は見ているだけで涼し気な印象を与えてくれますね。
この見た目の清涼感ってのが、夏の装いにおいて特に重要なわけで、その点においてはリネンの右に出る素材はないと私は思っています。
だからこそ、シャツでしか使わないのはもったいない。パンツだってリネンですよ。
今回はイタリアのパンツ専業ブランド GERMANO（ジェルマーノ）のリネンスラックスをご紹介します。
リネンで仕立てた正統派ドレスパンツ。さぁ、どんな感じになるのでしょうか。
【関連項目】
ジェルマーノについて
1952年にナポリ近郊で創業されたパンツ専業ブランド。インコテックスやPTトリノなどと比べると知名度は落ちますが、それらと全く遜色のないクオリティで、かつ価格がリーズナブルであることから、ここ数年で日本市場でも注目を集めるようになりました。
インコテックスとか無茶苦茶高くなってますからね・・・。正価で3万以下、セールだと2万以下で手に入るジェルマーノの価値（需要）が相対的に高まってるのかなと。
なにかとコスパの面でピックアップされることの多いジェルマーノですが、トレンドに左右されない美しいシルエットや現在でも一貫して本国イタリアでの生産にこだわり続ける職人気質の姿勢も高く評価されています。取り扱い店も少しずづ増え始めており、いま最も推したいパンツブランドの1つですね。
ジェルマーノのリネンスラックスをレビュー
概要
ジェルマーノの定番1プリーツモデル「21」。股上はやや深めで自然なテーパードのかかった癖のないベーシックなスリムシルエットとなっています。そういえばベルトルーフタイプのスラックスを買うのも久々ですね。
そんな正統派ドレスパンツにリネンを取り入れたのが本品。本来ビジネスユースにぴったりな「真面目」なデザインのパンツですが、ウールやコットンではなくリネンの生地を採用することで、カジュアルな印象が随分と強くなっていますね。さらに着用するうちに独特の風合いがあるシワが入ってくるので、より一層こなれた感じを演出することだってできます。
このきちんとした印象とリラックスした雰囲気の合わせ技こそがリネンスラックスの魅力ですね。当然季節感という面でも申し分ありません。
カラーはブラウン系。涼し気なライトグレーも用意されていましたが、絶妙な風合いに惹かれてこちらを購入しました。
ディテール
こちらの生地、実はリネンシャンブレーとなっているので、タテ糸にブラウン、ヨコ糸にホワイトの糸が打ち込まれています。そのためムラ感があり、とても表情豊かな生地に仕上がっています。ネップの感じも良いですね。素材には高級素材として知られるアイリッシュリネンが使われています。毛羽立ちは少なく、手触りもサラりと滑らかで、穿いていて実に快適な生地となっています。
至ってベーシックなベルトルーフ付きの1プリーツタイプのスラックス。プリーツは結構浅めです。
分かりづらいですが、右側にコインポケットが付いていました。
フロントはジップフライ。各ボタンは本水牛製と抜かりなし。
裏の作りも非常に丁寧。良い仕事してます。
裾処理はいつも通りの4.5cmダブルですね。
サイズ感とシルエット
身長173cm 体重65kg 標準体型の私が購入したのはサイズ46。ジェルマーノのサイズ感はこれといって特徴はないので、普段穿いているインポートパンツと同じ感覚でよろしいかと思います。
スリムモデルという位置づけですが、ご覧の通りそこまで細いというわけでもなく、まさに今の気分的にもちょうどいい感じ。競合しそうなスリムパンツの王道であるインコテックスの「N35」よりも全体的にややゆとりがあると表現すればイメージしやすいかもしれません。
自然なシルエットのサイドビュー。私、学生時代に野球をやってたせいかお尻がちょっと大きめなんですが、ヒップ周りが広めに取られているので、ピチピチになりすぎることもなく、安心して穿けそうです。
うん、後ろ姿もきれいだと思います。
コーディネート
ポロシャツ：LACOSTE（ラコステ）
パンツ：GERMANO（ジェルマーノ）
シューズ：CROKETT＆JONES（クロケット＆ジョーンズ）
今年のラコポロとも相性良し。そもそも実はこのパンツを先に買っていて、それに合うような色味のポロシャツを選んでたという経緯がありました。
シャツ：Maria Santangelo（マリアサンタンジェロ）
パンツ：GERMANO（ジェルマーノ）
シューズ：Paraboot（パラブーツ）
完全にリラックスモードなリネンonリネンスタイル。ここまでするなら足元はローファーやスニーカーよりサンダルがしっくりきますね。
ジャケット：RING JACKET（リングヂャケット）
シャツ：HITOYOSHI（人吉シャツ）
パンツ：GERMANO（ジェルマーノ）
シューズ：CROKETT＆JONES（クロケット＆ジョーンズ）
流石に暑いのでこれからの時期は着用機会は限られますが、当然ジャケットスタイルにも合います。ここでもシャツはリネン素材の方が雰囲気出ますね。ベルトルーフタイプのパンツですが、あえてベルトはしない方が正解な気がします。
まとめ
カジュアルになりがちな夏こそスラックスを穿くべきということは、このブログ上でもずっと提言していますが、一方で堅苦しくてビジネスぽっくなりそうだとか、単に暑苦しそうだとか、何かと気を使う必要もありました。
その点をこのリネンスラックスは見事にカバーしていますね。夏のカジュアルシーンにはこれ以上なく便利な一本になりそうです。
ただ、シワは絶対に付きます。それ込みでリネンの魅了だと思いますが、着用後のケア（スチーマー）は必須です。どうせシワが付くから放置するってのは違うんですよね。ある程度シワを伸ばして、しっかりとクリースを作った上で、着用する中で生まれるシワを楽しむのです。最初からシワだらけは少しみっともない。そこはシャツと違うところですかね。
ウールやコットンと比べたら手間はかかりますが、そこまでして選ぶ価値はあると私は思いますよ。未経験の方は是非一度挑戦していただきたい。
今回は以上です。
