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G.H .BASSのタッセルローファー 元祖ローファーを徹底レビュー!

今回は自分で購入したモノではなく、過去記事でも触れていた妻からの誕生日プレゼントです。

 

tradman-dc.com

記事の中でもG.H .BASSのローファーは一番最初に書いていたので、無意識の内に私の中では”これ”と決めていたのかもしれませんねw

 

ただ記事の中ではキルト付きを挙げていましたが、実際選んだモノはシンプルなタッセルローファーです。

 

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G.H .BASS「Weejuns」にまつわる逸話

ローファーの元祖として

G.H.BASSは1876年にアメリカにてジョージ・ヘンリー・バス(George Henry Bass)氏が創業した老舗靴メーカーです。

 

創業当初は労働者向けの作業靴やアウトドアシューズを手掛けていましたが、G.H.BASSといえばローファーです。

 

1936年にノルウェーの木こりが履いて靴をモデルに作られたウィージャンス(Weejuns=”ノルウェーの”という意味)が発売されました。

 

このウィージャンスがローファーの元祖といわれており、アメトラを始めその後のメンズファッションに多大な影響をもたらすことになりました。

 

ちなみにローファー(Loafer)という言葉は怠け者を意味しており、紐なしで簡単に脱ぎ履き出来ることに由来します。

 

マイケル・ジャクソンとの関係

G.H .BASSを語る上で欠かせない逸話といえば、ローファーの元祖であることと共に、「KING OF POP」マイケル・ジャクソンとの関係性です。

 

マイケルはG.H .BASSの革靴を愛用していたことで有名で、あの有名な「スリラー」のMV内でもG.H .BASSを履いているマイケルを確認することができます。

 

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参照;https://eiga.com/news/20101029/16/

 

MVだけではなく、ライブ中にG.H .BASSのローファーを履いて代名詞のムーンウォークを披露することもあったそうで、その関係性の深さを伺いしれます。

 

スーパースターの彼が、安価なこのローファーを愛用していた理由は定かではありませんが、舞台映えしそうな見た目以上に、激しダンスに耐えうる耐久性や動きやすさといったパフォーマンスをする上での実用性を重視したのかもしれません。 

 

代表モデル

G.H.BASSのローファーを代表する4モデルをご紹介します。

ローガン(LOGAN)

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最もシンプルでスタンダードなモデル。

いわゆるコインローファーです。

 

そのコインローファーという呼称の由来も、1950年代にアメリカの学生達の間でこのローガンを履いてサドルの切り込みに1セントコインを挟む行為が流行したことが発端とも言われています。 

ちなみにマイケル・ジャクソンが愛用していた靴もこのモデルです。

ラーソン(LARSON)

 

こちらもコインローファーですが、ローガンとの違いはサドルの端が「ビーフロール」と呼ばれる仕様になっていることです。

 

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名前の通り棒に巻き付けた肉がモチーフです。

元々は縫い付けの強度を高めるためのディテールですが、現在は装飾としての意味合いが強く、ビーフロールがあることでややカジュアルな印象になります。

ラーキン(LARKIN)

今回私が購入したタッセルローファーです。

コインローファーと比べると、ややカジュアルでありながら上品な雰囲気があります。

レイトン(LAYTON)

キルトと呼ばれるスコットランドの民族衣裳由来の飾りが付いたタッセルローファーです。

装飾過剰な印象の強い変化球的一足なので、まずはシンプルなコインローファーやタッセルローファーを揃える方が無難でしょう。

 

G.H .BASS「Weejuns」のディテール

私が購入したのはタッセルローファーのラーキンですが、装飾部以外の基本的なディテールは各モデルとも共通です。

製法

G.H.BASSのローファーはイタリア製の革靴や多くのスリッポンタイプで見られるマッケイ製法が取り入れられています。

 

本格紳士靴で多く用いられるグッドイヤーウェルト製法との違いを書くと長くなるので割愛しますが、簡単にまとめると下図のような感じです。

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革靴好きの中には「グッドイヤーウェルトこそ正義」と主張する方もいますが、マッケイ製法とは一長一短の関係にあります。

 

特にタイトフィットが必須のローファーでは、最初からある程度柔らかい履き心地のマッケイ製法でないと、購入当初は履けたものではないです。

 

その分タイトフィットの「修行」を経たグッドイヤーウェルト製法のローファーは極上の履き心地を得ることがでるので、どちらが優れているという問題ではありません。

 

そもそも1~2万円の革靴であれば、ソールを接着剤で付けただけのセメント製法が主流なので、この価格帯でマッケイ製法が取り入れられているだけでも、コスパを考えるとなかなかの驚愕でしょう。

素材

 一部でスムースレザーなどを使用したモデルもありますが、G.H.BASSのスタンダードはガラスレザーです。

 

ガラスレザーは革の表面を削り、その面を樹脂でコーティングしてた素材で、その最大の特徴は眩い光沢ですが、それは革本来のものではなく、人工的に作られて光沢です。

 

ガラスレザーは安価な革靴で採用されることが多いので、マッケイ製法同様に一部の革靴好きの方にはあまり歓迎されていませんが、ガラスレザーならではのメリットもあります。

 

○メリット

 ・表面が樹脂コーティングされているので、基本的にはケアが不要

 ・樹脂が水を弾くので雨にも強い

 ・表面の強度が高いので傷がつきにくい

 ・安い

○デメリット

 ・本革ならではの経年変化は楽しめない

 ・一度ついた傷は補修が難しい(補色クリームが浸透しない)

 ・数年使用するうちにコーティングがひび割れる可能性がある

 

私も雨天時の仕事用としてガラスレザーの靴を1足持っていますが、5~6年使ってもひび割れや大きな傷は確認できないので、耐久性に関してはそこまで心配はしていません。

カラー

基本カラーはブラック・ワイン・ミドルブラウンの3カラーです。

 ・ブラック

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・ワイン

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・ミドルブラウン

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参照;http://ghbass.jp/shopbrand/all_items/

 

ワインとブラウンは色むらがあるので、色味に若干の個体差があります。

 

今回私はワインカラーを選択しましたが、楽天市場などで並行輸入品を見ていると、ワインと並んでバーガンディが選択できるお店もあります。

バーガンディとなるとワインレッドよりも暗く、血合いの入ったような色味になります。

実際にサイトの商品写真もワインより深い色味のように感じます。

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日本公式オンラインショップにバーガンディの取扱いがないので、ワインとは別カラーでバーガンディが現在も存在するのか確証は持てませんが、個人的には気になる色味でした。

 

そのため、店頭在庫のワインカラーの中でも最も色の深くバーガンディに近い個体を選ばせてもらいました。

縫製

アメリカブランドといえば、多少雑な縫製もご愛嬌といったイメージがあり、安価なG.H.BASSなら尚更だろうと思い込んでいましたが、私が見る限りは粗悪な箇所は確認できません。

 

しかもモカ部分に関しては、職人さんによる手縫いで仕上げているそうです。

モカ・・・甲と側面を縫い合わせるU字のステッチ

 

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手縫いなのでピッチ幅にわずかな誤差がありますが、丁寧に縫い付けられており、ガラスレザー故に生じる縫いジワも表情豊かでなかなか味わいがあります。

インソール

G.H.BASSのローファーは履き心地が悪いという声も聞きますが、現行品はインソールにクッションが内蔵されていおり、土踏まずとかかとがクッションによって保護されています。

 

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極上の履き心地ということは決してありませんが、巷で言われているような悪い印象は持ちませんでした。

まずまずの履き心地ではないでしょうか。

アウトソール

各モデルともレザーソールとラバーソールがそれぞれ用意されていますが、私が訪れた3店舗ともレザーソールしか取り扱いがなかったので選択肢はありませんでした。

 

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個人的には革靴はレザーソール主義者なのですが、G.H.BASSに関してはラバーソールでも良いかなと考えていました。

 

水にすこぶる強いガラスレザーなのでラバーソールと組み合わせて雨でもガシガシ使おうかという思惑です。

 

とは言えども、せっかくの歴史あるブランドなので、より伝統的なレザーソールの方が惹かれのは事実です。

 

実際にラバーソールの在庫があったとしても、結局のところレザーソールを選んでいた可能性は高いですね。

 

サイズ感

今回の購入にあたり、ローガン・ラーキン・ラーソン・レイトンの4モデルとも試着させてもらいました。

ローガンをベースに他モデルが派生しているので、おそらくラスト(木型)に関しては全モデル共通しています。

実際に履き比べて違いは無いように感じましたが、強いてい言えばラーキンはビーフロールがある分、わずかに幅がきつく感じました。

 

G.H.BASSのラストは非常に細身で、また甲の高さが低いラストが採用されています。

 

平均的な日本人の足は西洋の方と比べて幅広甲高と言われています。

 

海外ブランドの靴全般に言えることですが、縦の長さだけでサイズを選ぶと横幅がきつくなります。

G.H.BASSの場合その傾向はより顕著になります。

 

今回、私は悩んだ末にUSサイズ【7½】を選びました。

 

参考までに私の場合、セレクトショップで人気のシャランスリワヤのコインローファーが【6½】、皆様一度は履いたことのある大定番コンバースのチャックテイラーで【26】がジャストフィットです。

 

正直【7½】は横幅がかなりタイトで、ユニクロのカラーソックスを履くと足を入れるので精一杯といった感じです。

【8】の方は横幅がほぼジャストですが、かかとが抜ける感覚が気になりました。

 

過去の失敗からローファーに関しては完全にタイトフィット信者で、買ってすぐはまともに履けないくらいが丁度良いと考えています。

 

このG.H.BASSのローファーは、表面がコーティングされた硬いガラスレザーで、またグッドイヤーウェルト製法の様なインソールの沈み込みも期待できないので多少の心配はありますが、先人方のレビューを見ると経年によりサイズが大きくなるとのことなので、タイトフィットの【7½】に挑戦することにしました。

 

購入後1週間経ちましたが、部屋の中で慣らし中です。徐々に近場で慣らしてから夏前にはこれを履いて遠出したいですねー。

 

着用感に関しては個人の好みなので、無理せずすぐ履きたいということであれば【8】でも全く問題はないと思います。

 

箱裏に記載されているサイズチャートです。ご参考までに。

 

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着用イメージ

デニム

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定番の組み合わせ濃紺デニムと。

これは間違いないですね。

ベージュチノ

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同じくアメカジスタイルの定番チノパンと。

マイケルにならって白ソックスを合わせましたが、今はまだサイズ的にパンパンですw

黒靴に白ソックスは少し恥ずかしい気もしますが、このカラーなら案外しっくりきますね。

 

まとめ

これでコインローファー、ビットローファー、タッセルローファーと一通り揃ったのでローファーはしばらく買うことはないでしょう。多分w

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今回ご紹介したG.H.BASSのローファーは百貨店で24,000円でした。

ただでさえコスパに優れたこのローファーですが、アマゾンや楽天並行輸入品が1万円前後で購入できます。

 

ただネットで並行輸入品を買うことが悪いとは思いませんが、ローファーはサイズ感が命です。まずはしっかり試着した上で一足目は店頭で購入することをおすすめします。

 

今回は以上です。