トラッドマンに憧れて

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IL MOCASSINO(イルモカシーノ)のビットローファーをレビュー!サイズ調整方法もご紹介!

今回は過去記事でも頻繁に登場しているIL MOCASSINO(イルモカシーノ)のスエードビットローファーを取り上げます。

 

華やかな印象が強く、一見すると難易度が高そうなビットローファーですが、IL MOCASSINOのこの靴は気品と抜け感のバランスが良く、またブラウンのスエードという素材はこれからの季節にピッタリで、様々なコーデで重宝しています。

 

表題の通り、実はサイズを少し間違えてしまい、試行錯誤しながらサイズ調整をして3年近く履き続けています。その辺も含めてご紹介しようかなと思います。

 

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IL MOCASSINOとは?

2017年春夏ブランドスタート。
トスカーナの老舗シューズ会社とイタリアRIMINI(リミニ)のセレクトショップ「Lacerba(ラチェルバ)」で、自分のお店で仕入れたい靴を企画することからスタート。名前の通り、モカシンなどのスリッポンに特化したモデルのコレクションのブランドになります。製造はイタリアのトスカーナとマルケで生産。

引用:IL MOCASSINO(イルモカシーノ)通販|BEAMS

 

イタリア発の新興ブランドですが、比較的に早い段階で日本での流通が始まり、ビームスやシップスなどの大手セレクトショップ楽天市場でお馴染みの「粋な着こなし」「guji online shop」などでも取り扱いがあることをを確認出来ます。

 

ローファーなどのモカシンシューズを専門としたブランドで、イタリア製の本格靴が3万円代とこなれた価格で手に入ることから、ここ日本でも注目を集めています。

 

ラインナップにはコインローファーやタッセルローファーもありますが、圧倒的一番人気はビットローファーです。イチオシは今回ご紹介するスエードモデルですが、エナメル加工されたパテントレザーも個人的にはおすすめです。

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参照:il mocassino(イル モカシーノ)パテントレザービットモカローファー B-REVERSO/MGO 15092000027|guji online shop(グジ オンラインショップ)

 

IL MOCASSINOのビットローファーをレビュー

こちらのビットローファーは2018年頃にシップスで購入しました。当時とはソールの厚みやヒールカップの大きさなど若干の変更はあるようですが、基本的なディテールは同じなので、ある程度参考にはなるかと。

 

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イタリア靴といえば、ロングノーズで先が尖った華奢な靴をイメージしますが、IL MOCASSINOのローファーはやや丸みを帯び、ほどよい太さのシルエットが特徴です。華美になりすぎず、かといって野暮ったいわけでもない。まさにいい塩梅です。

 

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この靴の顔ともいえるビットの雰囲気はこんな感じ。最初からアンティーク加工が施されているので、キラキラしすぎず渋い存在感があります。先ほどのシルエットについてもそうですが、エレガントな印象が強いビットローファーの華やかな要素を控えめにすることで、普段のコーディネートにも合わせやすくなっています。

 

ちなみにビットとはホースビット(=馬具)のこと。ビットローファーの元祖とされるグッチの出自が馬具店であったことに由来するそうです。

 

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アッパーのモカ縫いも非常に丁寧。いわゆる「かぶせモカ」で、同じくローファーでは主流の「おがみモカ」と比べると耐久性が高く、見た目も柔らかい表情となります。

 

イタリア産の牛革スエードは毛足が滑らかで、経年により購入当時とは違う表情を見せています。スエードの質感はスムースレザーと比べると判別しにくいところがありますが、値段なり若しくはそれ以上のものではないでしょうか。

 

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横から見るとこんな感じ。シュータン(甲)の位置はやや高めで、後述しますがフィッティングに影響します。

 

アッパーとソールの縫い付けには、イタリア製の靴でよく見られるマッケイ製法を採用。グッドイヤーウェルト製法と比べるとソールの返りの良さが特徴で、薄めのミッドソールも相まって、購入したその日から軽快に履くことができます。

 

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レザーのアウトソール。つま先をラバーやスチールで補強をしていませんが、ソールの返りが良いので、擦り減りがほとんどありません。

 

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カーフなどのスムースレザーと比べると、あまり手が掛からないスエードですが、専用のスプレーとブラシを使ったメンテナンスは定期的に行っています。

 

サイズ感にはご注意を

1サイズ下げるくらいがちょうどいい!?

私が購入したのはサイズ40で、日本サイズだと25cm相当だとされています。

 

冒頭からも触れていますが、店舗で試着したにも関わらずサイズ選びを間違えました。というのも、この靴を買う数か月前にジャランスリワヤのコインローファーを購入しており、その時にローファー初心者だった当時の私は店員さんにすすめられた通り、かなりタイトなサイズ感を選び、今となってはそれが大正解だったのですが、履き始めの頃は締めつけられるような痛さがあり、サイズ選びに失敗したと勘違いしていたのです。

 

tradman-dc.com

 

だからこそ、このローファーでは最初からすんなり履けたサイズ40を選んだという経緯がありました。それにサイズ40(25cm)という表記に惑わされたという面もあったかもしれません。IL MOCASSINOはサイズ表記の割には大きめの作りになっているので、他ブランドのローファーより1サイズ下を選ぶくらいが正解です。

 

新品時で違和感なく履けたローファーは、案の定すぐに踵抜けが気になるようになりました。グッドイヤーウェルト製法ではないので、インソールの沈み込みはほとんどありませんでしたが、スエードという素材の性質上伸びやすい(良く言えば足なじみがいい)ので、露骨に変化を感じることになりました。

 

踵の抜けが気になってしょうがない。かといってデザインは気に入っているので、手放したくはないということで、段階的に数種類のサイズ調整を実装していきました。

 

サイズ調整方法をご紹介

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まず最初に試したのはインソール。サイズ調整の最もメジャーな手段でしょう。ただフルサイズのインソールを入れてしまうと、本来の履き心地と見た目が大きく変わってしまうので、前半分だけを覆うハーフインソールを選択。サイズの変化を感じる程ではありませんでしたが、本革のインソールは足によくなじみ、つま先が滑り奥まで運ばれる感覚はなくなりました。

 

使用したのはアメリカのインソール専門メーカー・ペダック社のもので、アマゾンで購入。

 

ハーフインソールだけでは、満足できるサイズ調整は出来なかったので、次に挑戦したのはタンパッドの装着です。最も効果的だったのは間違いなくコレ。

 

「ローファーは甲で履く」とよく言われるように紐で調整が効かないローファーは甲をバシっとフィットさせる必要がありますが、IL MOCASSINOのローファーは甲の位置がやや高めなこともあり、いまいちフィット感を得ることが出来ていませんでした。

 

だからこそ、このタンパッドは効果的。甲裏を厚くすることで隙間を埋めてくれます。表面の素材はスエード、中にはスポンジが入っているので、足の甲に無理なダメージを与えるようなこともありません。

 

この靴の場合はあまり関係はありませんが、グッドイヤーウェルト製法の靴であれば、インソールを入れてしまうと、その利点を失ってしまうので、サイズ調整にはタンパッドという手段がおすすめです。

 

先ほどのインソールと同じくぺダック社製をのものをアマゾンで購入。

 

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ハーフインソールとタンパッドで概ねサイズ調整は完了しましたが、フットカバーなど薄手のソックスを履く時にはまだ抜ける感覚があったので、最後にスエード製のライニングパッドを踵裏に貼って完成です。

 

こちらは東急ハンズで購入。本来は踵の補強用でサイズ調整用ではありませんが、厚みがありすぎても履き心地に影響しそうなので、これぐらいがちょうど良い。

 

hands.net

 

ハーフインソールにタンパッド、踵用ライニングパッドと色々貼り付けているので、靴を脱いだ時の見た目が少し残念ですが、パカパカのローファーを履き続けるのはみっともないので仕方ないですね。

 

この靴に限らずですが、ローファーの基本はやっぱりタイトフィットです。もう間違えることはないと思っていますが、サイズが合わずにお悩みの方は諦めないで欲しい。繰り返しになりますが、まずはタンパッドを試してみてください。

 

コーディネート

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ジャケット:LARDINI(ラルディーニ)

シャツ:メーカーズシャツ鎌倉

パンツ:A.P.C(アーペーセー

ベルト:UNIQLOユニクロ

靴:IL MOCASSINO(イルモカシーノ)

時計:OMEGA(オメガ)

 

秋になるとブラウン系の着用頻度が高くなるので、この靴の色味は使い勝手が良いですね。パンツはドレッシーなスラックスよりもデニムやチノパンの方が親和性が高いような気がします。

 

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ジャケット:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

シャツ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

ネクタイ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

パンツ:CEASTERS(ケステル)

ベルト:UNIQLOユニクロ

靴:IL MOCASSINO(イルモカシーノ)

時計:OMEGA(オメガ)

 

こちらはブレザーのメタルボタンとビットのゴールドをリンクさせたコーデ。せっかくなので、時計やベルト、鞄の金具もゴールドでまとめましょう。時計以外はそこまでキラキラしていないので、嫌らしさはあまりないかと。

 

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ブルゾン:GREEN LABEL RELAXING(グリーンレーベルリラクシング)

ニットポロUNIQLOユニクロ

パンツ:URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)

靴:IL MOCASSINO(イルモカシーノ)

時計:OMEGA(オメガ)

 

どうやってもカジュアルにしかならないライダースジャケットを使ったコーデですが、トラッド柄のスラックスと華やかなビットローファーでバランスを取ってみました。ガチガチのドレススタイルより、カジュアル寄りのコーデのドレスアップが得意な一足です。

 

まとめ

ビットローファーは女性的で、男性が履く場合どこか気取った印象もありますが、この靴はやや丸っこいフォルム、スエードの柔らかい素材感、アンティーク加工されたビットといった要素が抜け感を生み、気負うことなくコーディネートに取り入れられます。

 

その品質の割には手頃な価格なので、ビットローファーに挑戦してみたいという方には是非ともおすすめします。

 

今回は以上です。