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LARDINI(ラルディーニ)のテーラードジャケットをレビュー!ネオクラシコの旗手の実力と評判は?

今回は年明け早々に手に入れた冬セールの戦利品、LARDINI(ラルディーニ)テーラードジャケットをご紹介します。

 

ラルディーニといえば2010年頃から日本でブームを起こしたネオクラシコを代表するブランド。多くの類似ブランドが登場しては消えていく中、不動の人気をものにしています。

 

まさに「ネオクラシコの旗手」と呼ぶに相応しいラルディーニの特徴とその魅力についてお伝えしていきますので、よろしければ最後までお付き合いください。

 

※2023年1月に一部リライト

 

 

ラルディーニについて

1978年にイタリアにて、家族経営の仕立屋としてルイジ・ラルディーニ氏によって創業。ブランドとして大きく成功した現在もルイジ氏と彼の兄と妹が経営の中枢を担っています。

 

当初は他ブランドから委託を受けて製造を行うOEM企業でした。その高いテーラリング技術を買われプラダやグッチといったハイブランドの製品も委託されていました。

 

1993年は彼らのファミリーネームを冠したオリジナルブランド「LARDINI」を立ち上げています。所謂ファクトリーブランドですね。

 

現在でも全ての製品をイタリアの自社工場で400名の手作業により生産されています。

 

多くのイタリアブランド同様ですが、ラルディーニのジャケットのテーラリングはパッドや芯地を極力省いたアンコン仕立てです。

※アンコン=アンコンストラクテッド=非構築的

 

アンコン仕立てと聞けばどうしてもカジュアルな印象が強くなりがちなところ、モデルにもよりますがラルディーニのアンコンジャケットは一定の構築感をキープしており、軽やかな着心地とかっちりした見た目を絶妙なバランスで両立させているところに魅力を感じます。

 

積極的に新しい素材を取り入れる一方で、デザイン面においては他のイタリアブランドからすると比較的に「クラシックな正統派」の趣を感じます。

 

比べられがちなタリアトーレは極端にウェストのシェイプが効いたシルエットが特徴ですが、ラルディーニのそれはイタリアブランド然りとしながらもシェイプは控えめ。

 

良い意味でやり過ぎず、癖がない王道のクラシコスイタリアタイルが魅力なのではないでしょうか。

 

まぁ、それだけに例のブートニエールばっかり目立ってしまうのですが(笑)。

 

ラルディーニのジャケットのモデル

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ラルディーニのジャケットは大きく2つのモデルに分かれます。

今回購入したジャケットの型番は「JS0526AQ」となります。

いまから出てくる型番は赤文字の数字を示します。

 

500番台

極めて薄い肩パッドが使われているため、肩まわりから胸にかけて一定の構築感がキープされているラルディーニのスタンダードモデル。職場にもよりますがビジネス使いでも問題ないでしょう。

 

900番台

肩パッドを廃してより軽くカジュアルに仕上げたモデル。一般的なアンコンジャケットと言えばこちらのモデルの方がイメージは近いような気がします。

 

他にも600番台や800番台のジャケットもあるようですが、セレクトショップでよく見かけるジャケットは500番台か900番台が圧倒的に多いです。

 

最近は伸縮性に優れたジャージー素材を使用したモデルや折り畳み持ち運べるパッカブル仕様のモノも出ているようですが、個人的には王道の500番台をおススメします。

 

ラルディーニのテーラードジャケットをレビュー

概要

ラルディーニの定番である500番台(526)の型を採用した3つボタン段返りのオーソドックスなジャケット。イタリアらしい軽やかさの中にしっかりとした重厚感のあるラルディーニの真骨頂とも言えるモデルです。

 

区分としては秋冬物となり表面は適度に起毛していますが、比較的目付も軽くリネン混の生地を採用しているので、春先まで十分着用は可能でしょう。

 

定価は13万円強でしたが、半値に近い額で購入することができました。というか定価じゃなかなか手が出ないですね(笑)。トレンドライクなアイテムも多いラルディーニですが、このジャケットのように流行り廃りのないベーシックなモデルであれば、是非セールを上手く活用したいところ。

 

ディテール

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秋冬物のジャケットとしては珍しいリネン混の生地。見た目の上ではウール100%の生地と大きくは変わりませんが、リネンが27%も入っているので、しっかりとその質感を手で感じることができます。表面のハリ感がプラスされているためか、グレンチェックの柄がはっきりしているように感じますが、どうでしょうか?

 

写真では色味が伝わりづらいですが、ベージュ地にダークブラウンのグレンチェックがです。手触りは明らかにウール単体と比べてシャリっとしたリネン独特の風合いを感じ取れます。春になっても軽やかに着れそうです。

 

またリネン素材の宿命か、着用していると腕や肩の可動部周辺にはそれなりにシワが付きます。ジャケットのシワを味わいと取れる器量は私にはまだ備わっていませんが、着用後にスチーマーを使わずとも簡単なブラッシングでシワを取れるので、ケアにそこまで気を使う必要はありませんね。

 

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ラペル幅はスタンダードな8.5㎝、コージラインの位置も一般的な高さでしょう。アイコニックなブートニエール(花飾り)はブラウンベースの生地によく映えるネイビーです。

 

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襟裏にはいわゆる「ヒゲ」はありません。

 

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このように襟の表地を裏側に折り返した部分が「ヒゲ」と呼ばれるディテールですが、ラルディーニでは一部のモデルを除きヒゲなしがスタンダードのようです。

ヒゲの有無は仕立ての良さを判断する材料の一つと言われますが、個人的にはそこまで気になりません。

 

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フロントは3つボタンの段返り仕様。素材は本水牛です。

 

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背抜き仕様になっているので、裏から肩パッドを覗き込む事ができます。1~2mm程度とかなり薄い。この極薄パッドが絶妙な構築感を支えてくれているんですねー。

 

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ベントはサイドベンツです。完全に個人的な趣味ですが、ジャケットはサイドベンツ一択。

 

サイズ感とシルエット

身長173cm体重65kg肩幅44cmの私はサイズ46を購入。普段着ているイタリア物のジャケットと同じサイズを選ばれて概ね大丈夫でしょう。

 

袖丈を含め調整は行いませんでしたが、全体的な丈感はほぼジャスト。身体に沿うように立体的な胸元と自然なウエストラインもきれいで特に不満はありません。やはりシルエットの良さには定評がありますね。

 

長すぎず短すぎない絶妙な着丈。少し前に流行っていたようなショート丈のジャケットとは違い、ちゃんとお尻が隠れているので安心です。

 

背中にも変なシワも入っていないので、サイズ感は間違っていないと思います。

 

コーディネート

ジャケット:LARDINI(ラルディーニ)

ニット:EDIFICE(エディフィス)

パンツ:A.P.C(アーペーセー)

シューズ:REGAL(リーガル)

 

インナーにタートルネックを選んだ王道的なカジュアルスタイル。デニムとの相性も良いですね。

 

ジャケット:LARDINI(ラルディーニ)

シャツ:メーカーズシャツ鎌倉

パンツ:INCOTEX(インコテックス)

シューズ:IL MOCASSINO(イルモカシーノ)

 

春先を想定したジャケパンスタイル。ブラウンベースではありますが、明るめのトーンのアイテムを入れることで季節感を出してみました。

 

まとめ

前回に続き秋冬物のセール品のお話ですみません。購入したのは1月末だったので、いまさら記事にするか少し悩みました。

 

ただ、ジャケットの秋冬/春夏の区分ってそこまで気にする必要はない気がします。流石にツイードフランネル、総裏仕立てのジャケットはちょっと厳しいですが、それ以外ならインナーとパンツを春仕様に変えれば、まだまだ使えますよ。

 

とはいえ春夏ジャケットも欲しいんですよねー。でも年明け早々の大物購入で、予算的にちょっと厳しです。(笑)

 

今回は以上です。