トラッドマンに憧れて

自分なりのトラッドスタイルを模索する30代のリアルな服・靴・時計etc…について

ラルディーニのブート二エール問題。あなたは付ける派?外す派?

2010年頃から続いたネオクラシコブームも落ち着きを見せる中、ここ日本では定番的な地位を不動のものにしているLARDINI(ラルディーニ)

 

そしてラルディーニといえば切っても切り離せないのがブートニエールの存在。あのアイコニックな花飾りです。

 

どちらかといえば私は「ブートニエールは外す派」なのですが、ここ最近になって付けるのも悪くないなと考え直すようになりました。

 

今回はそんなラルディーニのブートニエールについて思うことを書いてみます。

 

 

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そもそもブートニエールとは?

ジャケットの左側のラペルにある切込み。上画像で赤く囲っているところですね。企業勤めの方だとここに社章を取り付けたりする場合もあるかと思いますが、正式名称はフラワーホールというように本来は花を挿すための穴です。より本格的なジャケットやスーツだと、ラペル裏に花の茎を固定するためのフラワーループなるディテールが備わっていることもあります。

 

現代の日本でそのような機会はほぼないのですが、結婚式に招かれた際に演出として花を一輪だけ渡されることが稀にありますね。そんな時は胸ポケットではなくフラワーホールに挿してあげましょう。

 

参照:TOYODA TRADING ONLINE STORE / LARDINI〈ラルディーニ〉Men's公式通販|TOYODA TRADING ONLINE STORE

 

本来なら生花を、ビジネスの場では社章(最近はSDGsのピンバッジも多いですね。)を差し込むために使われるフラワーホールですが、そこにファッション感覚で付ける飾り花のアクセサリー全般がブートニエールと呼ばれています。(花を模したデザイン以外の物は単にラペルピンと呼ばれます。)

 

そしてブートニエールやラペルピンはアクセサリーの一種なので、様々なジャケットと組み合わせてお洒落を楽しむもの。ところがラルディーニやタリアトーレを始めとした一部のイタリアブランドではワンポイントロゴのようなアイコン的な役割として、最初からブートニエールやラペルピンが取り付けられた状態でスーツやジャケット、コートを販売するようになりました。

 

ラルディーニのブートニエールを付けるメリットとデメリット

ラルディーニにしろタリアトーレにしろブートニエールやラペルピンをデザインの一部として提案しているので、購入後も付けっぱなしにしていることの方が一般的なようです。

 

それがダメということは全くないのですが、どちらにせよメリットとデメリットがあるはずなので、個人的に思うことを書き出してみます。(ここではラルディーニのジャケットを想定しています。)

 

■メリット

①ブランドをアピールできる

ある程度の服好きの方(特にドレス派の方)であれば「フェルト製のブートニエール=ラルディーニ」と容易に結び付く程にアイコニックな存在です。そしてファクトリーブランド出身とはいえ現在のラルディーニには一定のブランド力が備わっています。つまり例のブートニエールを付けているだけで周囲にラルディーニのジャケットを着ているとアピールできるわけなのです。ラコステのワニさんと一緒。

 

②フラワーホールに関する蘊蓄を語れる

ブートニエールを付けていると「これは何?」と聞かれることもあるでしょう。その際に記事前半でも紹介したフラワーホールの由来と合わせて説明すれば、ちょっとした優越感に浸れるかもしれません。

 

③意外と女子ウケはいい(気がする)

これは私の経験則ですが、ブートニエール自体は女性から好意的に捉えられることが多いような気がします。確かに単体で見たら可愛らしいデザインですからね。そもそも女性で「ブートニエール=ラルディーニ」と連想できる方はほぼ皆無なはずなので、先入観なく見ることができるのでしょう。

 

■デメリット

①ブランドの主張が露骨すぎる

ポロシャツやカジュアルシャツとは違い、スーツやジャケットに一目でどこのブランドか分かるような刺繍やプリントが施されることはまずないでしょう。というのもドレスの世界ではブランド性を主張すること自体を良しとはしないから。その点取り外しが可能とはいえラルディーニのブートニエールは露骨過ぎます。

 

②少しキザな感じがする

これも私の主観になりますが、女性目線と違い男性から見ると花飾りのアクセサリーを付けるという行為はどこかキザっぽく感じてしまうかもしれません。ラルディーニとブートニエールの関係性が分かっている方ならそうでもないと思うのですが、知らない方(むしろ圧倒的多数派)からしたらちょっと見え方は違いますよね。

 

③コーディネートの邪魔になる

個人的に一番気になるのがこれ。ラルディーニのブートニエールはジャケットごとに配色を使い分けているので、基本的にジャケット本体との相性は悪くはないと思います。ただ、全体で見た時はどうでしょうか。コーディネートの配色は頭から足の先まで考慮する必要です。そしてメンズファッションはコーディネート全体でモノトーンを除いて2色、多くても3色以内に収めることが望ましいとされています。そう考えた場合ブートニエールで1色(または2色)を使ってしまうことは随分ともったいないように感じてしまいます。

 

これらはあくまでも私の感想にすぎませんが、ブートニエールを付けるにしろ外すにしろそれぞれの利点については考えてみた方が良いかと思いますね。

 

コーデに合わせて使い分けたい

こんな具合で思うことは色々とあるのですが、前項で挙げたデメリット③(コーディネートの邪魔になる)さえ克服したら上手く付き合っていけるんじゃないかと思うんですよね。ここ最近は。洒落っ気のあるブートニエールそのものは嫌いじゃないです。

 

こちらが現在私が唯一所有するラルディーニのジャケット。生地はベージュベースでダークブラウンのグレンチェックが入ります。そしてブートニエールはネイビーとベージュの組み合わせ。この場合ベージュとダークブラウンは同系統色として1色とカウントします。つまりこの時点でブラウンとネイビーの計2色を消費。できるだけもう色は使いたくないところ。

 

それを踏まえて組んだコーデがこちら。インナーにはベージュ(ブラウン系)のニットを挟みこみ、パンツはデニム(ネイビー)です。これなら色数を抑えられていますし、そもそもブートニエールと限りなく近い色味を拾っているので、全体で見たときの馴染みも良いのではないでしょうか。

 

一方でこちらは少し悪い例。インナーのニットはテラコッタ(ダークオレンジ)で、パンツはオリーブグリーンなのでジャケットのブラウン、ブートニエールのネイビーを加えると4色も使っています。ニットの色を無理矢理ブラウン系にカウントしたとしても3色です。どうしてもとっ散らかた印象を受けますね。

まとめ

結論、ラルディーニのブートニエールは付けるも外すもどちらが正解とかはありません。私は使い分けています。

 

巷で噂されるような「ラルディーニのブートニエールはダサい」と決めつけてしまうのは少し安易ですね。

 

でもオロビアンコのリボンとクラークスのレザータグは絶対に外しましょう。全く関係ありませんが(笑)。