トラッドマンに憧れて

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憧れのポロコートをFIVE ONE(ファイブワン)でオーダー!【オーダー編】

過去にも何度か言及してきた通りポロコートが欲しい。

 

ただ、既製品で取り扱っているブランドはだいぶ限られてきます。チェスターコートやステンカラーコートなどと比べるとポロコートは趣味性が強く、必ずしも万人受けするようなデザインではないのかもしれませんが、そんなコートに私は惹かれて続けているのです。

 

ポロコートはほとんど店頭には並んでいない。稀にあったとしても私が思い描く物とはどこか違います。売っていないならば、もう作るしかないでしょう。

 

ということで、憧れのポロコートをオーダーしてきました。お願いしたのは今年の初めにスーツでお世話になったFIVE ONE(ファイブワン)です。

 

今回は【オーダー編】となります。ポロコートの特徴やオーダーの概要をお伝えいていこうと思いますので、宜しければご覧ください。

 

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※ファイブワンについてはこちらをご覧ください。

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ポロコートとは?

「そもそもポロコートとはなんぞや?」という方のために一応説明しておきましょう。なんせあまり人気のないコートなんで・・・(笑)。

 

その名称からも分かる通り、ポロ競技がルーツにあるコートです。ポロコートは他のスポーツ由来のアウターと違い、待機中や試合後の選手だけではなく、観戦に訪れる貴族達にも好んで着用されてきました。そのため運動性を高めるディテールが施されるなどスポーティな一面もありながら、品格と貫禄を兼ね備える唯一無二なコートへ進化してきたという歴史を持っています。

 

ポロコートの発祥はイギリスですが、ファッションアイテムとして一般化させたのはアメリカのブルックスブラザーズによる功績だとされています。その後イタリアでも人気を博し独自の進化を遂げていますが、やはり私としてはポロコートにはアメトラ的の印象を持っています。ここでは当のブルックスブラザーズのポロコートを例にいくつかの特徴的なディテールをご覧いただきましょう。

 

参照:キャメルヘア ダブルブレスト ポロコート (キャメル)|Brooks Brothers Japan(ブルックス ブラザーズ ジャパン

まず目に付くのは存在感のあるアルスターカラーです。ダブルブレストなのでピークドラペルと混同されがちですが上衿が大きく、下衿は尖っていません。袖口は生地を折り返したターンナップカフスとなっています。ポケットは四角で縁取れてフラップの付いたフレームドパッチが基本。

 

参照:キャメルヘア ダブルブレスト ポロコート (キャメル)|Brooks Brothers Japan(ブルックス ブラザーズ ジャパン

背面もなかなか特徴的で、一見するとベントのようにも見える切れ目はインバーテッドプリーツと呼ばれるディテールです。背プリーツと合わせてスポーツコートらしく運動性能を高めています。クラシカルな印象を与える背ベルトは他のコートでも見かけることはありますがポロコートにも欠かせません。

 

生地に関してはブルックスブラザーズがアメリカに持ち込んだ当初にキャメルヘア(ラクダの毛)を用いていたことから、現在でもキャメルヘア若しくはキャメルカラー(明るいベージュ)に染められたウールやカシミヤが定番です。

 

ファイブワンでオーダーしてきたポロコートの概要

ハウスモデル

既成品の選択肢が少ない代わりに、多くのテーラーでポロコートが用意されていますが、ファイブワンでも定番として毎年一定の支持を集めているみたいです。

オーダーなので細かいところはカスタムが可能ですが、ファイブワンでは先に挙げたポロコートたらしめる6つのディテール(アルスターカラー、ターンナップカフス、フレームドパッチポケット、インバーテッドプリーツ、背プリーツ、背ベルト)が全て備わっています。

 

また、フロントダーツが省かれており、ベースはややゆったりとしたシルエットで、クラシカルな正統派といった印象を受けます。

 

生地

サンプルの時点でほぼイメージ通りなので、スーツの時のようにシルエットやデザインを必要以上にあれこれ弄るつもりはありません。ともかく焦点は生地をどうするのかです。

 

テーマは華やかになりすぎないこと。ポロコートは装飾が多いことあってかエレガンスな雰囲気が漂いがち。特に定番のキャメルカラーだとより顕著ですね。個人的にはそういうのも嫌いじゃないし、むしろ好きなのですが、どうしても私自身のキャラクターには合いません。

 

一方でポロコートらしさも捨てがたいので、生地の色味はグレーやネイビーではなく、くすんだベージュ若しくは明るめブラウンが候補です。柄が入るならヘリンボーンなんかも良いですね。

 

かなり迷いました。もともと生地選びには時間がかかる方ですが、いつもより迷いました。何がそんなに迷わしたのかというと、敢えて選択肢から外していたキャメルカラーのウール生地で仕立てたサンプル品を実際に試着すると思いの外しっくりきたんでよね。

 

参照:2022-23AW NEW COLLECTION | FIVEONE(ファイブワン)|オーダースーツ 東京銀座 大阪梅田 福岡天神 香港

試着したのはこれですね。参考画像は昨年の物ですが、おそらく生地や仕様は全く同じはず。確かに華やかではあるんだけど、私が着ても意外とそんなに悪くない・・・。これは迷う。

 

ただ、手持ちの服と合うかと言われれば微妙でした。

 

そして最終的に選んだ生地がこちら。同じベージュ系でも迷っていたキャメルは黄色の成分が強めですが、比較するとこの生地はやや赤みがかって、トーンも少しくすんでいますね。色味がはっきりしない分、他のアイテムと馴染みが良いだろうという判断です。王道のキャメルより控えめな印象もあります。照明の影響もありますが実物はもう少しグレーっぽくも写りました。

 

テキスタイルメーカーはロピアーナPECORA NERA(ペコラネラ)というシリーズになります。このペコラネラは初見でしたがとても興味深い生地で、糸には一切の染色がなされていないとのこと。そのためライトベージュからダークブラウンの範囲でしかカラーバリエーションは存在しません。また無垢素材なので色味に自然なムラがあります。表面はフランネルのように起毛していて、光沢感はあるもののそこまで派手ではないでしょう。総評としては優しく温かみのある生地だと感じました。

 

目付は600g/mとコート生地としてもそこそこ重めですが、これから仕立てるコートとは長い付き合いになる予定なので、このぐらいしっかりとした生地の方が良いでしょう。

 

ちなみに第3の候補として同じくペコラネラのヘリンボーン生地がありましたが、そちらは目付が720g/mと流石に重すぎです。ポロコートならある程度のドレープ感も欲しいのでちょっと向いてませんでした。雰囲気は良かったんですけどね。

 

採寸、調整

基本的な流れはスーツと同じです。採寸して、体型と近いゲージ(サンプル)を着ながら調整・補正を入れていきます。

 

ただ、スーツと違い難しいと感じたのはコート用のゲージがシングルブレストのチェスターコートしかなく、ポロコートとはデザインが大きく異なるので、完成形が少し見えにくかったことです。パターンは共通しているみたいなので着用感は判別できるのですが、見た目がどう変わってくるのかちょっとイメージしずらかったかも。スーツのジャケットの場合、ゲージと完成品は生地の色味や風合いが違えど、基本的な形は変わりませんからね。

 

あと、着丈ですかね。スーツだと丈感を弄ったとしても数cm単位でしょうが、コートの場合プラスマイナス10cmぐらい変更することもあるので、それによって全体のシルエットにどう影響を及ぼすのか・・・。慣れていないのでだいぶ悩みましたよ。ちなみに着丈はゲージより少しだけ長めでお願いしています。

 

オプション

スーツだとあれこれと細かいオプションを選び、それがまた楽しいのですが、ことポロコートに関しては自由に選択できる余地はほぼ残っていません。

 

というのもポロコートの場合、基本形の時点で装飾的なディテールが多く、さらに何かを足すことをやりようがないからです。アレンジを加えるとしたら何かを外す方向、例えばターンナップカフスじゃなくてベーシックな筒袖に変更するとかになりますね。

 

私の場合、ポロコートらしいディテールが全て揃っていることが前提条件だったので、特に何も手を加える必要はありませんでした。裏地とボタンだけ選んでお終いです。

 

支払い金額

スーツ同様にベース料金(生地代)+有料オプションで総額が決まりますが、やはりポロコートは何かと手間がかかるということで、生地代に一律35,000円が上乗せされます。

 

■ベース料金   258,500円

  • Loro Piana(PECORA NERA)
  • ポロコート価格

有料オプション なし

■総額      258,500円

 

1着の洋服としては過去最高額。ロロピアーナのコート生地、しかも希少な特別ラインの物を贅沢に使って仕立てるわけなので、まぁこれぐらいになりますよね。

 

ただ、実は私が訪れた9/16よりファイブワンでは「オーバーコートフェア」なるキャンペーンが実施されており、これでもいくらか割引されているみたいなんです。

 

今回の仕様だと通常価格はゆうに30万円を超えてくるので、お値打ちといえばお値打ちなのか?感覚がおかしくなってくるな(笑)。

 

こちらに記載がある生地以外も概ね1グレード下の価格でオーダーすることができるので、この機会にいかがでしょうか。

 

まとめ

ここ数年思い焦がれていたポロコートをついにオーダーという形で迎え入れる運びになりました。

 

完成は11月末予定。やはりポロコートは納期に時間がかかるとのこと。これからの2ヶ月ちょっとの間はなんとも言えない浮ついた気分になりますね。コートのオーダーが初めてだったからなのか、それともいつもより思い入れが強いからなのか・・・。ともかくこの時間も楽しみながら日々を過ごしていければと思います。

 

手元に届き次第ご報告します。

 

今回は以上です。

 

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