トラッドマンに憧れて

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王道を知る。LEVI'S(リーバイス)の501 MADE IN THE USAをレビュー!

「LEVI'S 501」

 

品番まで含めてこのジーンズ程世間に認知された服は他にないでしょう。まさにカジュアルファッションの王道です。

 

例に漏れず幼い頃からリーバイスジーンズに親しんできた私ですが、記憶を辿る限り大定番の501を実は未経験。

 

また、昨年頃からアメトラに傾倒していることもあり、今の気分はスリムテーパードよりも、やや太めなストレート。ならば行くしかないでしょう。

 

ということでマイ・ファースト・501を購入してきました。もはや語り尽くされたプロダクトで、デニム通ではない一介の服好きが筆を執るのも畏れ多いですが、自分なりの視点で501の魅力を綴っていきます。

 

 

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時代と共に進化を続ける伝統の1本

全てのジーンズの原点としてあまりにも有名な501ですが、1873年の登場から現代に至るまで年代毎にシルエットやディテールが大きく変化しています。偉大なオリジンではあるものの、時代の色をしっかりと反映させながら進化を続けてきました。だからこそヴィンテージ市場で一部のマニアの方からは熱狂的な支持を得ているわけです。

 

そんな長い歴史と膨大なアーカイブを持つ501ですが、現在展開されているラインナップも実に豊富。いざ501を買おうと思っても選択肢が多すぎて予備知識なしでは迷ってしまうことになるかもしれませんね。ここでは「今、買える501」を大きく3つに分類してご紹介します。

 

■オリジナル

リーバイス直営店の他、多くの量販店で取り扱われている最も身近な501。ごく少量のポリウレタンを混合したストレッチ素材が主流で、デニムの色味や加工方法も様々。価格は1万円台前半。また、アマゾンや楽天市場ではより安価な501も見かけますが、それらは他国で流通している物でリーバイ・ストラウス・ジャパンが取り扱う国内流通品とは異なり、サイズ感等にも差があるので要注意。

 

■MADE IN THE USA

本国アメリカ生産にこだわった現行501のハイエンドモデル。オリジナルと違いセルビッジデニムが使用され、リジッド(糊付き未加工)状態のモデルを選ぶことが可能。今回私が購入したのもこちら。価格は2万円前後。

 

■復刻モデル(LVC)

LEVI'S® VINTAGE CLOTHING(通称LVC)。リーバイス自らが過去のアーカイブを忠実に再現した復刻モデル。現在オンラインストアで確認できる限りだけでも7つの年次が用意されています。今回伺ったリーバイスストアでも2種類(確か47年モデルと66年モデル)を勧められて試着しましたが、シルエットや生地の風合いが全く別物で少し驚かされました。確かにこれはハマるのも頷けますね。価格は3万5千円程度が中心ですが、物によっては5万円を超える場合も。

 

この他にも501の名を冠していながら「スリムテーパード」や「ルーズフィット」などシルエットが異なるモデルや80年代や90年代をオマージュしたモデルが存在するみたいです。

 

501 MADE IN THE USAをレビュー

概要

先にも触れた通り、今回購入したのは「MADE IN THE USA」モデル。個人的にはアメリカ製ということ自体にこだわりはなかったのですが、初めての501ということで復刻よりはまずは現行を、そしてリジッドデニムとなれば必然的にこのモデルを選ぶことにりました。まぁ、なんだかんだで「MADE IN THE USA」の響きだけで少し気分が上がるのは事実なんですけどね(笑)。

 

唯一迷ったのがLVCの66年モデル。比較的に現行モデルとシルエットが近いものの、やや太めに設定されたわたり幅・裾幅とより深い色味のリジッドデニム生地からはクラシックな香りがぷんぷんと漂っていました。というか現行モデルが想像以上にスリムで現代的なんですよね。だからこそ使いやすいというのもあるのでしょうが。

 

常にその時代のベーシックであり続けることが501の魅力の1つなのかもしれません。

 

ディテール

14オンスのリジッドデニムジーンズで使われる素材としては一般的な厚みの範疇ですが、糊がバリバリに付着したままなのでしばらくの間は固く感じるかもしれません。色味はリジッドデニムにしては黒味が少なく、正統派のインディゴブルーといった印象で、適度な光沢感を持っています。

 

また、この生地は旧式織機(シャトル織機)を使用して織られた所謂セルビッジデニムで、一般的なデニムと比べて著しく生産効率が悪い変わりに、特有の風合いと色落ちが魅力であるとされています。

 

前開きは伝統的なボタンフライ。悶絶モノだったA.P.Cのデニムの時と違い購入当初からボタンを閉めるのには苦労をしませんでした。比較的使いやすいボタンフライだと思います。

 

「ポケットをリベットで補強されたパンツ」という内容でリーバイ・ストラウス社が特許を申請したことで、ジーンズの歴史が始まったことから分かるように、ジーンズがジーンズたる所以はデニム生地や5ポケットではなく、実はこのリベットにあります。そんな地味だけどリーバイス、ひいてはジーンズ全体のアイデンティティであるリベットは昔ながらの銅素材による打ち抜き式。ちょこっとはみ出した生地も味わい深い。

 

腰裏には星条旗と「LEVI'S PREMIUM」のタグが確認されます。ちょっとだけ特別感のあるディテールですね。

 

ヒップ周りはこんな感じ。広く取られたヨーク幅と低めに取り付けられたポケットは501の特徴的なデザインです。

 

私の浅はかな知識だと、赤タブのビッグE(LEVI'SのEが大文字表記)はヴィンテージの証と認識していましたが、数年前から現行モデルはこのビッグEタブで統一されているみたいですね。ちなみに画像の右側は10年近く前に購入した511のスモールEタブです。

 

裾を折り返すセルビッジデニムの目印である赤耳が確認できます。また、裾上げを行った際に指定はしていませんでしてが、しっかりとチェーンステッチで仕上げてくれました。

 

サイズ感とシルエット

身長173cm体重65kgの私が選んだのは31インチ。リーバイスジーンズは一般的にレングスを32インチと34インチから選ぶことができますが、このモデルに関しては34インチしか用意されていません。

 

また、デニムなので洗濯後の縮みを考慮する必要がありますが、お店の方曰く「MADE IN THE USAモデルで使用される生地は特に変化が大きく、ウエストは指3本分、レングスは約7cm縮む」とのこと。一方で例の如くしばらくの間は洗わずにリジッド状態を維持させるつもりなので、逆に生地が伸びることも考慮した上でウエストに指2本分余裕がある31インチを選びました。

 

「501=どかんと太いストレート」と勝手に思い込んでいましたが、現行モデルはわずかにテーパードがかかったなかなかの美シルエットです。普段私が履いているパンツからすると十分に太いのですが、違和感なくコーディネートに組み込めそう。汎用性の高さは流石ですね。

 

個人的にも気に入っている後ろ姿。適度にゆとりがあるヒップ周りや低めに設定されたポケット位置は落ち着いた印象を与えてくれます。

 

コーディネート

シャツ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

パンツ:LEVI'S(リーバイス

靴:G.H.BASS(ジーエイチバス)

 

無難なシャツスタイルですが、パンツ同様にトップスも身幅に適度なゆとりがあるのでバランスが取れているかと思います。

 

意識していませんでしたが、リーバイスジーンズ)・ブルックスブラザーズ(BDシャツ)・G.H.BASS(ローファー)は各分野の元祖で、いずれも優に100年を超える歴史を誇るアメリカンブランドであるという共通点を持っています。その親和性はもう間違いないでしょう。

 

ジャケット:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

シャツ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

ネクタイ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)

パンツ:LEVI'S(リーバイス

靴:G.H.BASS(ジーエイチバス)


先程のコーデを流用しつつ、ブレザーでタイドアップしてみました。アメカジスタイルの代表各である501ですが、アメトラ的な着こなしにも欠かせない存在です。

 

まとめ

王道ど真中の501をあえて避けていた節もありますが、実際に履いてみて支持され続ける理由が少し分かった気がします。単に歴史的価値があるってだけじゃありませんね。いつの時代でもベーシックな存在であることの凄さを改めて感じています。

 

多くの「通」な方と違って、私はデニムの経年変化にそこまでこだわりを持ってはいませんが、普通に使っていく内に味が出てくることを期待しましょう。長く付き合いたいと思える1本です。

 

今回は以上です。