当ブログのテーマでもあるトラッドスタイルについて、なんとなく敷居が高いイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。特にお金がかかりそうだなと。
そう思われるのも仕方はありません。なんせトラッドスタイル全般はトレンドにに左右されづらいという側面があるので、多少値が張っても良い物を買って長く使うべきだと各所で喧伝されていますからね。
そして、その考え方に関しては私も概ね同意です。
でも、これからトラッドスタイルを始めてみようという方からしたら、初期投資を回収できる程に心変わりせず長く同じスタイルを続けられる保証はありませんし、そもそも周囲の環境や他の趣味との兼ね合いもあって、皆が多くの金額を洋服に割けるわけではないですよね。当然です。
だからこそ、入門編として比較的にリーズナブルな価格で実現可能なトラッドスタイルを提案したいと以前から思っていたのですが、何をもってリーズナブルなのかは人によるので、ここは思い切ってユニクロ縛りで考えてみることにしました。価格はもちろん、入手難易度に地域差はありませんからね。
対象は2023年4月現在で店頭購入可能なアイテムのみ。これからトラッドスタイルを始めるにあたり、まずはユニクロでおすすめしたいアイテムとその使い方について解説していきます。
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アウター
感動ブレザー(UNIQLO and JW ANDERSON)
出だしからこんなことを言ったら元も子もないのですが、トラッドスタイルの軸となるジャケットをユニクロで選ぶのは正直難しい。というのも他のファッションアイテムと比べてもテーラードジャケットは価格とクオリティが露骨に比例する分野なので、コスパ優等生のユニクロとはいえブランドの価格帯(概ね1万円以内)で「それなりの物」を作ること自体がほぼ不可能なのです。(シャツやニット、パンツ等は全くそんなことはないと思います。)
出来ることなら予算3~5万円を確保してテーラリングに定評のあるブランドの廉価ラインかリーズナブルなオーダー店で誂えていただきたいところですが、それでもあえてユニクロで選ぶとしたら、今シーズンのUNIQLO and JW ANDERSONからリリースされた感動ブレザーがおすすめです。
これまラインナップされてきたインラインのブレザーは、妙にチープな印象があったのですが、これはなかなか良いですね。
評判の高い感動ジャケットシリーズと同素材の生地はドライなタッチが今の季節にピッタリで、JW ANDERSONのロゴが刻印されたクラシカルメタルボタンは風格もあって素直にかこいいと思います。
トレンドに寄り過ぎない普遍的で中庸なボックスシルエットもトラッドスタイルとは好相性。強いて言えばもう少し着丈は長めの方が好ましいところですが、価格を考えれば十便に満足度の高い一着になるはずです。
ちなみにですが、インラインの感動ジャケットは生地の色味やディテールからしてビジネスでの使用をメインに想定してるので、オフの日の装いには少し合わせづらいかなと思います。
感動シャツジャケット
ジャケット以外でトラッドスタイルに合わせるアウターとなれば、所謂スイングトップのようなブルゾンが思い浮かぶところですが、今シーズンのラインナップにはそれに相当するアウターは見当たらないので、代わりにこちらのシャツジャケットをピックアップしておきます。
薄手ではありますが適度にハリ感のある生地なので、アウターとしても見栄えも悪くないと思います。この手のシャツアウターってペラペラだと貧相に見えますからね。ジャケットやブレザーはカッチリしすぎて少し抵抗があるという方におすすめです。
着こなしについても少し触れておきましょう。インナーは画像のようにクルーネックのカットソーを合わせる方が多いかと思いますが、私ならシャツやポロシャツを選びます。どうしても名称に「シャツ」と付くからなのか、シャツアウターに襟付きのインナーは選ばれにくいみたいですが、合わないということは全くなく、むしろ相性は良い。シャツアウター自体がカジュアル要素が強めなので、インナーは襟付きぐらいがちょうどいいんです。同様の理由でパンツもジーンズやチノパンよりもスラックスを合わせるとバランスよく纏まります。
トップス
オックスフォードシャツ
ユニクロには膨大な種類のシャツが揃っていて、その中にはビジネス向きのドレスシャツやトレンドライクなオーバーサイズのシャツまで性格が異なる物が入り混じっていますが、トラッドスタイルに取り入れるならこのオックスフォードシャツを選べばまず間違いはありません。
一般的なカジュアルシャツにしては着丈がやや長めなので、ジャケットのインナーとして使う際はきちんとタックインさせて、一枚着のトップスとして使うなら洗いざらしをタックアウトさせてラフに着たいところですね。
プレミアムリネンシャツ
夏が近づくと着たくなるのはリネンシャツ。そしてユニクロのリネンシャツは素材感がすばらしいことに定評があります。毎年カラーバリエーションも豊富なので、ホワイトやサックスブルーのようなベーシックカラーだけじゃなく、少しアグレッシブな色に挑戦してみても面白いかと思います。
1つ注意点を挙げるなら、必ず長袖を選ぶということ。確かリネンシャツは半袖モデルもあるはずですが、真夏であったとしてもリネン素材ならある程度快適に過ごせるので、長袖を腕まくりして着て欲しいですね。絶対にその方がカッコいいので。
オープンカラーシャツ
それでも半袖シャツを着たいという方にはこちらの開襟シャツをおすすめします。プリント物じゃなくて無地です。レーヨンを中心に構成された生地は柔らかく上品な光沢感を備えているので、カジュアルになりすぎることなく着こなせるはずです。
なぜ半袖シャツはNGで、どうして開襟シャツならOKとなるのかについては過去記事でも取り上げているので、宜しければご参照ください。
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ドライカノコポロシャツ
シャツと同等、若しくはそれ以上に春夏のトラッドスタイルで重宝するポロシャツ。こちらもユニクロでは種類が豊富に揃っていますが、まず選ぶべきはこのドライカノコポロシャツでしょう。エアリズムでもボタンダウンでもボーダーでもなく一番地味でありきたりなこのポロシャツです。
素材感やシルエットにこれと言った特徴はなく、極めてベーシックなポロシャツだからこそ使いやすい。春はジャケットのインナーとして、夏はコーデの主役となるトップスとして大活躍必至です。カラバリもいくつか揃えておきたいですね。
ニットポロシャツ(Uniqlo U)
ポロシャツの基本はカノコ生地ですが、より上品に大人っぽく仕上げたいのであればニットポロを選ぶという手段もあります。今シーズンのUniqlo Uからリリースされたアイテムですが、これはかなりクオリテが高いですね。とても2,990円の品には見えません。
カラーやサイズによっては欠品が目立ち始めているので、確保するならお早めに。
パンツ
感動パンツ2WAYストレッチ(ウールライク)
参照:ユニクロ公式 | 感動パンツ2WAYストレッチ(ウールライク・丈70・73・76・85cm)セットアップ可能
感動ジャケットのセットアップとして用意されているスラックス。ジャケットと違いこちらはオンオフの区別はないので、カジュアルにも流用可能です。むしろ春夏(特に夏)は装いがラフになりがちだかちなので、ビジネスでも使える程にドレッシーなパンツを選びたいものです。
伸縮性と速乾性に優れ、洗濯機で洗ってもシワが残りにくいという高い機能性も日本の夏にはピッタリかと思います。着用感が不快だ、手入れが大変となれば結局着なくなりますからね。
ウールライクと謳われている通り、パッと見た感じだと、ざっくりとした質感が特徴的なトロピカルウールのようにも見えます。あくまでもパッと見ですが。
一方で同名別素材で展開している「コットンライク」は全くコットン感がなく、ただただ安っぽい化繊生地にしか見えないので、正直おすすめできませんね。まだウールライクの方がそれっぽく見えます。
スマートアンクルパンツ2WAYストレッチ(コットン)
参照:ユニクロ公式 | スマートアンクルパンツ2WAYストレッチ(コットン・丈標準64.5~70.5cm)
コットントラウザーであれば、「ライク」じゃなくて天然素材のスマートアンクルパンツが良いですね。ポリウレタンが4%混合されてはいますが、手触りは滑らかで至って自然な風合いです。
商品名にもある通り、最初から9分丈に仕上がっているパンツになるのですが、実はオンライン限定で丈長め(76cm)のモデルも用意されているので、それを買ってからフルレングスに直しても良いですね。ここ最近アンクル丈には食傷気味なので、私ならそうします。
カラーはベージュやオリーブが無難ですが、参考画像のオフホワイトが個人的にはイチオシです。
セルビッジレギュラーフィットストレートジーンズ
参照:ユニクロ公式 | セルビッジレギュラーフィットストレートジーンズ(丈長め84cm)
もはや季節は関係ないのですが、ユニクロといえばデニムは欠かせません。その中でもトラッドの大定番リーバイス501を彷彿させるこのストレートジーンズは傑作です。洗いざらしのシャツ一枚のようにカジュアルな装いはもちろんのこと、クラシカルなジャケットにもよく合う汎用性の高さは流石。
また、このモデルは未洗い糊付きのリジッド状態で販売されていて、デニム特有の育てる楽しみを最大限に感じられる一本なので、本格デニムの入門としても最適です。
カーゴパンツ
唐突にミリタリーかよと思われそうですが、トラッドとミリタリーの相性の良さは服好きの間ではもはや常識。このカーゴパンツは紺ブレと合わせたらカッコいいはずです。
一般的にイメージするカーゴパンツと比べるとやや細めで、裾にかけて緩やかにテーパードもかかっているので、気負うことなく普段の感覚で履けそうですね。また、生地もそこまで厚手ではないので春夏シーズンにも使いやすいかと思います。
まとめ
つらつらとアイテムを列挙してきましたが、特別に驚くような選出はなく、その多くが昔からユニクロの定番として根付いている物ばかり。
ここ最近はトレンドライクなアイテムも増えてきましたが、やはりユニクロの基本は時代に流されないベーシック、つまりトラッドが根底にあるというこです。
本当ならば紹介した中からいくつかを実際に購入してコーデ例なんか載せてみたかったのですが、残念ながらこのブログではそこまで潤沢な収益をあげられているわけではないので(笑)。
ただ、この記事を書くにあたってユニクロの店舗で実際に手に取り、改めてそのクオリティを確認しているので、限られた予算でのトラッドスタイル入門編としては、いずれもおすすめであることには違いありません。
最後に本文では触れなかった靴について言及しておくと、春夏ということであれば黒のコインローファーと白のレザースニーカーがあれば基本的に困ることはないのですが、それらはユニクロでは手に入りません。
系列のGUが展開するリアルレザーシューズシリーズで賄うというのも1つの手段ではありますが、靴に関しては使い回しも効くので、多少はお金をかけておきたいところ。
そこで候補は色々ありますが、入手性やコスパの面からローファーであればG.H.BASSの「ローガン」、レザースニーカーであればコンバースの「オールスター クップ」あたりがおすすめですね。
今回は以上です。