トラッドマンに憧れて

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ドレスパンツの名門 INCOTEX(インコテックス)が手掛けたファティーグパンツをレビュー!

ここ最近増えつつあるドレス仕立てのミリタリーパンツ

 

私もジェルマーノのカーゴパンツを所有していて、このブログでも以前ご紹介しました。非常に使い勝手が良く今でも重宝しています。

 

ただ、生地が厚手のため夏には使いにくいことと、結構太めなシルエットなのでバリエーションとして他にも選択肢を持っていたいということで、次なる一着を迎え入れようと画策していました。

 

シオタやタンジェント、バーンストーマーあたりを中心に検討を重ねてきましたが、今回購入に至ったのは INCOTEX(インコテックス)ファティーグパンツです。

 

インコテックスといえば正統派ドレスパンツの名門。ミリタリーやワークのイメージは全くなく、店頭で見かけた時も「えっ!?これってインコなんだ」というのが最初の感想。でも実際に手に取り、試着をしてみるとちゃんと「らしさ」も感じられました。

 

インコテックスっぽくないけど、流石はインコテックスだとも思わさせる魅力的なファティーグパンツをご紹介します。

 

 

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インコテックスのファティーグパンツをレビュー

概要

インコテックスのカジュアルライン「INCOTEX SLACKS(インコテックススラックス)」のファティーグパンツ。「176」というモデルになるみたいです。

 

そもそもファティーグパンツって何なのかということに触れておくと、米軍の作業用パンツがルーツにあり、両サイドの大型ポケットが印象的ではありますが、他はすっきりとシンプルなデザインで、ややゆとりのあるシルエットが特徴です。カジュアルウェアとして以前から人気はありましたが、ここ数年でさらに注目を集め完全に市民権を得ました。

 

同じような見た目でベイカーパンツと呼ばれるパンツもありますが、あちらはパン屋(ベイカー)由来になるものの、基本的には名称が違うだけでファティーグパンツとは同じ物と思っていただいて差し支えないでしょう。

 

話を本品に戻すと、デザインとしてはファティーグパンツの王道を踏襲しており、所々で見られるパーツ使いやステッチワークによって、より本物志向が強く打ち出されています。

 

一方でドレスパンツさながらの美麗なシルエットは流石と唸らされるものがあります。クリースが入っているということもあって、ミリタリー・ワークを出自としながら、ジャケットスタイルにも違和感なく自然に取り入れやすいかと思います。

 

購入先は地元のセレクトショップ。スタッフの方曰く「国内ではほぼ流通していない」という通り、ネットで探しても取り扱っているお店はごく僅か。

 

インコテックス ヘリンボーンコットンストレッチベイカーパンツ/176 | ライトアップオンラインストア

 

こちらのショップでは取り扱いがあり、現時点ではまだ在庫もあるみたいですよ。(表記はベイカーパンツになっていますが同じモデルです。)

 

ディテール

コットン98%、ポリウレタン2%で構成されたヘリンボーン生地。しっかりとハリ感はありますが、ある程度薄手な素材なので真夏であっても着用は可能です。多分。

 

織柄で魅せるヘリンボーンは良いですねー。無地でもあり、柄物でもあるのでコーデの幅が広がります。程よい光沢感を纏っているので、どことなく上品な雰囲気も感じられます。

 

ファティーグパンツ(ベイカーパンツ)といえばな大型ポケット。これは確かに存在感ありますね。

 

前開きはクラシカルなボタンフライ。ドレスパンツの「天狗鼻」的な役割を担う箇所がループ状の紐なのも面白い。初めて見たかもしれません。

 

そして実はボタンが金属製。アンティーク加工が施されています。

 

エストのフックも同様に金属製のパーツが採用されています。これも雰囲気ありますね。「1951」という刻印はインコテックスの創業年を意味します。

 

金属パーツと並びに特徴的なのが、ウエスマン(ベルトを通す位置)に施されたステッチワーク。八重にもなるステッチは実用性というよりデザインの一環だとは思いますが、ミリタリー由来ならではの武骨さを象徴するディテールとなっています。

 

後ろの雰囲気はこんな感じ。ヒップポケットはフラップなしのパッチタイプです。

 

右のヒップポケットの上部にはブランド名を刻印したメタルプレートが頑丈に縫い付けられています。これ見よがしじゃないのが良い。

 

インポートのパンツなので例に漏れず裾上げが必要になり、たたき(ジーンズ仕上げ)でお願いしています。

 

実は元々この裾裏にはウエスマン同様に多重のステッチワークが施されていたのですが、お直しでそれを再現しようとすると1万円ぐらいすると言われ諦めました。オリジナルのステッチを残すなら裾上げをせずにロールアップで履いても良いかもしれませんね。

 

サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体型の私が選んだのはサイズ31。普段インコテックスでサイズ46を穿いている方だと、このサイズでほぼジャストになるかと思いますよ。

 

股上はやや深めで、膝下から緩やかにテーパードがかかったドレスパンツ然としたパターンではありますが、ファティーグパンツが持つ武骨な雰が崩れることもなく、その辺のバランス感覚は流石といったところ。

 

横からと後ろから。ウエストからヒップにかけてのホールド感が高く、穿き心地も良好。テーラード的な解釈を絡めるとファティーグパンツはこうなるのですね。

 

コーディネート

ジャケット:RING JACKET(リングヂャケット)

シャツ:RING JACKET(リングヂャケット)

パンツ:INCOTEX(インコテックス)

シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)

 

休日のジャケットスタイルに取り入れたくなるようなファティーグパンツ。太すぎない流麗なシルエットなので合わせやすいですね。

 

ブルゾン:GRENFELL(グレンフェル)

ニット:JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)

パンツ:INCOTEX(インコテックス)

シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)

 

クラシカルなスイングトップとも当然合います。パンツとインナー共にグリーン系という今まで試したことのない組み合わせですが、意外と良いんじゃないでしょうか。

 

まとめ

冒頭でも述べたように「インコテックスっぽくないけど、流石はインコテックスとも思わされる」という表現に尽きますね。

 

本格的なミリタリー、ワーク系のウェアに精通する方からしたら邪道に思われるかもしれませんが、私にはこういのがちょうどいい。

 

ジャケットスタイルのドレスダウンに、シンプルになりがちな夏の装いのアクセントに、冬以外の3シーズンで活躍すること間違いないでしょう。

 

今回は以上です。