メンズファッションの定番アイテム・ライダースジャケット。皆さんも一度は袖を通したことがあることでしょう。
ただ、このライダースジャケットは私が志しているトラッドスタイルとは基本には相性がよくないんですよね。想像に難くないと思いますが。
トラッドスタイルといえばテーラードジャケットかバラクータG9のようなクラシックなブルゾンが主流ですが、バリエーションを増やすために敢えてライダースジャケットをトラッドスタイルに落とし込んだコーディネートを模索してみます。
ライダースジャケットをトラッドに着こなす4つのポイント
ライダースジャケット程に「濃い」アイテムはなかなかありません。要するにどういう組み合わせをしても「ライダースジャケットを着ている」という印象しか残らないことが多いのです。
絶対的な存在感を放つライダースジャケットをトラッドスタイルに取り入れるためには、その色を薄める幾つかの工夫が必要です。
1.ダブルは避けよう
これはどのような着こなしにも共通することですが、ライダースジャケットが持つ無骨さがより強調されるダブルのライダースは避けた方が無難です。バイカー若しくは筋骨隆々のたくましい方でない限り難易度が一気に高くなるので、まずはシングルで。逆に女性の方はフェミニンなスカートやワンピースと合わせたら可愛いんですよねー。
2.インナーは襟付きで上品に
ライダースジャケットのインナーはクルーネックのカットソーが鉄板ですが、襟付きのシャツを持ってくると印象が変わります。シャツじゃなくても首元を覆うタートルネックやモックネックのニットでも効果的。
3.トラッド柄のスラックスを活用
さてインナーに気をつかったとろこで、やはり上半身はライダースジャケットのテリトリー。そうなれば表面積の約半分を占めるパンツでライダースジャケットの存在感に対抗するしかありません。おすすめは伝統的な柄を配したスラックスです。ソリッドなライダースジャケットとコントラストがついてコーディネートのバランスがとりやすいくなりますよ。
4.足元には革靴を
ドレス要素をオンするなら革靴は欠かせません。ただ、男らしさを増すワークブーツの類はここではNG。間違いなくライダースジャケットとの相性は良いんですけどね。
所有品をご紹介
コーデ例の前に、私が唯一所有するライダースジャケットを簡単にご紹介します。
ユナイテッドアローズ系列でも手頃でベーシックなアイテムが揃っていると評判のグリーンレーベルリラクシングで4年程前に購入。所謂セレオリ品で定価でも3万円台、さらにセール価格で手に入れたので、かなりお値打ちだったと記憶しています。
ライダースジャケットを自身のスタイルの中心に添えるならルイスレザーやチンクワンタなど有名どころも視野に入れたいところですが、平気で10万円を越える世界なので、私のようにライダースジャケットをたまに登場する脇役的立ち位置とするなら、手頃なセレオリは有力な候補です。
デザインはこれといって特徴のないシンプルなシングルライダース。今となってはポケットのファスナーはもう少し目立たない方が良かったかなとも思いますが許容範囲内です。
素材は柔らかい印象もあるシープレザーを使用。質感は値段なりですが、粗悪とまではいかないでしょう。
この価格帯で本革ライダースとなれば、ゴートレザーやカウレザーはなかなか手に入らないかと思いますが、いずれにせよ使いやすさを考慮すれば、最初の一着はシープレザーがおすすめです。ただ、他の革と比べると耐久性は低めなので引っかき傷には要注意。
また、色はライダースジャケットとしては最もベーシックなブラックですが、トラッドアイテムと組み合わせるならブラウンの方が相性は良かったかもしれませんね。
ライダースジャケットを取り入れたトラッドスタイル
ここからは、先程挙げた4つのポイントを踏まえて、ライダースジャケットを取り入れたトラッドスタイルを考えてみました。
ブルゾン:GREEN LABEL RELAXING(グリーンレーベルリラクシング)
ニット:EDIEICE(エディフィス)
パンツ:INCOTEX(インコテックス)
靴:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
時計:FREDERIQUE CONSTANT(フレデリックコンスタント)
グレンチェックのスラックスを中心に組んだコーデ。写真では分かりにくいですが、チェックの中に薄っすらとブルーが入っているので、そこから色を拾ってロイヤルブルーのタートルネックを。革靴はライダースジャケットと色を合わせると全体が纏まります。
ブルゾン:GREEN LABEL RELAXING(グリーンレーベルリラクシング)
シャツ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
パンツ:URBUN RESEARCH(アーバンリサーチ)
時計:OMEGA(オメガ)
こちらはガンクラブチェックのスラックスを始め、ライダース以外はブラウン系で統一しています。ワンカラーで整えるとライダースの存在感にも対抗できそう。また、クルーネックのニットにシャツをインすると、それだけで上品な印象が増しますね。
ブルゾン:GREEN LABEL RELAXING(グリーンレーベルリラクシング)
パンツ:SHIPS(シップス)
時計:FREDERIQUE CONSTANT(フレデリックコンスタント)
私も大好きなブラックウォッチを取り入れたコーデ。ここまでグリーンを使うことは普段ないので自分でも新鮮です。ライダースのようなショート丈のアウターの場合、シャツはタックインさせた方がバランスが良いし、トラッドな雰囲気が一層際立ちます。
ブルゾン:GREEN LABEL RELAXING(グリーンレーベルリラクシング)
ニット:UNIQLO(ユニクロ)
パンツ:INCOTEX(インコテックス)
靴:PIEVE(ピエーヴェ)
時計:OMEGA(オメガ)
最後にトラッドからは少し離れてしまいますが、全体をモノトーンで纏めてみました。結局ブラックのライダースにはこういう組み合わせが似合います。私はあまりしませんが、モードぽいドレススタイルを意識するならライダースもありですね。
まとめ
最近めっきり出番が減っていたライダースジャケットを敢えてトラッドスタイルに落とし込んで活用方法を考えてみましたが、いかがでしたでしょうか。
まだまだ寒い日が続きそうですが、2月後半頃の春が近づく季節の変わり目に使えそうですね。
現在の私のスタイリングとしては王道ではありませんが、たまにはこういうのも良いかもしれません。考え方によっては、ライダースジャケットだった十分トラッド(=伝統的)ですからね。
今回は以上です。